「いい湯だな……。練習の疲れが取れるようだ」
龍之介は大浴場で、ゆっくりと湯船に浸かっていた。
他の客が見当たらないので、貸し切りのような状況だ。
「龍様っ! お背中流します!!」
ガラッと扉が開く音と共に、元気な声が響く。
声の主は――ミオだった。
「お、おい! ミオ、お前……っ!!」
「大丈夫です! ちゃんと水着は着ていますから。ほら!」
ミオがタオルをめくって見せる。
確かに、その下は水着だったが……。
「そういう問題じゃない! なんで男湯に入ってきているんだ!?」
「龍様と一緒にお風呂に入りたいからに決まっているではないですか! さぁ、お背中を流しますよ!」
「ちょ、ちょっと待ってくれ! 俺はもう上がるから……っ!!」
龍之介は逃げようとする。
だが――
「逃がしませぇん! それぇー!」
「うわっ!?」
新たな参戦者が現れた。
マキがタオルを投げると、それは龍之介の手に巻き付いた。
「マキ、お前まで!?」
「ふふふ……。これでもう逃げられませんよぉ?」
龍之介の視線の先には、水着姿のマキがいた。
新体操のレオタード姿とはまた違った、可愛らしさがある。
「こ、こんなところ誰かに見られたら……」
龍之介が周囲を見渡す。
ここは大浴場。
日にちや時間帯によって、男湯と女湯が切り替わる。
そして、今は男湯の時間帯だった。
「ふふ……。心配せずとも、誰も来ませんわ」
「カウンターで申し込んで、貸し切りにさせてもらいましたっ!」
「観念するでござる」
「ユイ、ノゾミ! それにセツナまで!?」
いつの間にか、背後にいたセツナに捕まる龍之介。
彼女たちはそのまま、龍之介の体をまさぐり始めた。
「ちょ、ちょっと待て! みんな……っ!! こういうのはムードが……」
「待ちませぇん! りゅーさん、覚悟ぉー!!」
「ふふ……。わたくしたちの仲を深めましょうね」
「龍先輩……うわっ! すごい……」
「龍様の龍様が……っ!!」
少女たちが、龍之介の体に群がる。
そんな中、龍之介は1人だけ冷静な人物がいたことに気付いた。
「…………」
「お、おおっ! アイリ!! やっぱり、お前が唯一の良心か……っ!!」
唯一の常識人と思われたアイリ。
彼女はタオルで胸元を隠しながら、頬を赤く染めていた。
「龍之介……。嬉しそうだね……」
「違う! 誤解だ!! アイリ、俺を信じてくれ……!!」
「ふふ、どうしようかな?」
アイリは笑う。
そして、そのまま――龍之介に抱きついた。
「えいっ!」
「うわっ!? アイリ!?」
アイリの胸部の感触を受け、龍之介が声を上げる。
他の者たちと比べて慎ましやかなサイズではあるが、だからこその刺激もあった。
「……ボクも混ざることにするよ」
「ちょ、ちょっと待て!」
「待たない。ほら、龍之介だって喜んでいるみたいだし……」
「ち、違うんだ! これは何かの間違いで……っ!!」
6人の少女に抱きつかれた龍之介は、慌てて止めようとする。
だが、少女たちは聞く耳を持たない。
「うふふ……。龍様ぁ」
「龍先輩!」
「えへへぇ……」
「やんっ。そこはダメですわ……」
「いざ尋常に……勝負でござる!」
6人の少女は、龍之介の体に群がる。
こうして、龍之介は少女たちによって徹底的に弄ばれたのだった。
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