何度言われてきたのだろうか。
“音楽なんて就職先ないから辞めなさい”
“音楽なんて才能ないとできないよ”
“お前の声キモいから無理だろw”
“馬鹿馬鹿しい”
そんなの僕が1番分かってるよ、
誰かに認めてもらいたい、
誰かに褒められたい、
不安もたくさんあってまた何か言われるん
じゃないかと思い、高校へ進学するか
迷ったけど、僕は高校へ進学する道を選んだ。
元貴side
男子①『お前好きなタイプとかねーの?w』
クラスの一軍の男子が
若井滉斗に話しかけていた。
若井滉斗という人は、
サッカー部でキラキラしている人間だ。
(要は陽キャというもの)
もちろん若井も一軍なわけで、
二軍〜三軍の中間のような位置に属している
僕には縁がない。
若井と僕は隣同士で、話し合えと言われた時に
だけ話すぐらいの仲。
“好きなタイプ”か…
僕には到底無縁だなぁ
そんなことを考えながら、
僕は手元にあるスマホに目線を向ける。
滉斗『う〜ん…』
若井が頬杖を立てながら話している。
若井は察しの通り“イケメン”ってやつで、
聞く女子みんな若井の事が好きらしい。
若井はサッカー部に所属していて、
先輩や顧問から絶賛されている。
運動だけでなく勉強にも優れていて、
欠けているものは何一つないと言っても
過言ではない。
誰に対しても平等に接してくれるので、
周りから好かれている。
僕は軽音部に所属していて、
一つ上の先輩(ニ年生)の藤澤涼架
(涼ちゃん)と仲良くさせてもらっている。
もちろんクラスの中では二軍〜三軍の
中間ぐらいに属していて、
若井のようなキラキラ人間(陽キャ)は
はっきり言って苦手だ。
僕は手元にあるスマホに目を向けながら、
若井とクラスの男子との会話に聞き耳を立てる。
滉斗『…俺大森みたいな奴好きかも』
元貴『え?//』
思わず声を出してしまった。
手元にあったスマホを机の上に置いて、
慌てて下を向く。
すると若井は頬杖を立てたまま笑って
僕に話しかけた。
滉斗『耳赤いよ?笑』
僕は慌てて若井から目を逸らす。
好きでもない一軍の奴に“好き”と言われて
顔が熱くなり、赤くなる僕が
恥ずかしくて恥ずかしくて仕方がない。
なぜ好きでもない一軍の奴に“好き”と
言われて顔が赤くなるんだろうか。
この時から僕は薄々勘付いていた。
僕は多分密かに“若井に恋をしている”んだと。
あの後は若井と話すこともなく、
ただ平凡に1日が過ぎた。
問題なのは今、この時間だ。
数学だから隣同士で机を向かい合わせに
くっ付けて、問題を解き、
教え合わないといけない。
僕は数学が大の苦手だ。
だから若井に教えてもらうか、
何か違うことをしているかのどちらかに
なってしまう。
もちろん違うことをしていたら怒られる。
先生に怒られるか、若井に教えてもらうか。
難しい判断だ。
僕は問題に目を通し、一応考えた。
…全っ然分からない。
僕が机に突っ伏している時、
若井が僕に話しかけた。
滉斗『どっか分からない所ある?』
元貴『へぁ…////』
コメント
4件
うわぁぁぁ"もうこの時点でワクワク止まらんし神作すぎるぅぅぅ⤴(*ˊ艸ˋ)イヒヒ
ヤブァイなんだもう1話から神作の予感しかしないものは………(・∀・)ニヤニヤ