テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
三日月ー
AB型の血族が切り啓く……真夜中の殺意。遠野志貴は夢を見ているー俺は誰だ? ここはどこだ?? 生か死か???
「……」
直視の魔眼!! 点線をなぞればバターの様に千切れる。人間も世界も何もかも……ほら。
「私を殺した罪、償ってもらうわよ」
街角に犠牲者の山々ー
アルクェイドは叫ぶ。魂の咆哮、現実‐REALの障害をぶっ壊せ! 志貴はメガネを掛け治すー闇の胎動から天秤は【終焉】【外界】を二つの器に測る。吸血鬼が吠える未知なる予感。
「……今は知らなくていい。さぁ」
目が覚めると屋敷にいた。汗ばむ体と微睡む視界、息づく心臓の音……彼女の正体は?? 真祖のBLOOD。この豪邸は財閥と関りがあって富豪家だ、当主の跡継ぎの身分の俺は足元にも及ばないー
「お早うございます。お兄様、夏休みを満喫していますか?」
「秋葉……頭痛がする。変な夢見たんだ、アルクェイドって女の人知らないか?」
……
沈黙も束の間。使用人のメイド達が玄関の居間を掃き掃除している、他意は無いー
「夢魔の一種では? サキュバスかも。御年頃の様ですし」
顔を赤らめる志貴はメガネのズレを直して庭園へと向かう……後ろ姿を秋葉は視界から離さなかった。
「お疲れの様ですね。吸血鬼の事件も去ることながら、背負う者の重荷ですか」
血の匂い。
あれは夢じゃ無い、絶対にー!!
「探したわよ。裕福な温室育ちにしては幸薄そうな草食系モヤシ男子君」
「お前……」
白い上着に腰下まであるスカート。アルクェイドが屈託の無い笑顔で歩み寄る、思い出した!!
「その閃きに免じて許してアゲル。でも、夜会は絶対出席、OK?」
「夜会?」
吸血鬼の真祖の血族の生身のバトル・ロワイヤルー死徒との怨恨の魂売りの饗宴、俺は恐怖におののく。昼下がりの花々達が燦々と太陽に抱かれて煌めく……
「怖い? 良いのよ逃げて。その目と引き換えに命を返してくれるのなら、バトル・ファイトは永遠に終わらないらせんの無限ループの時間逆行」
「昔本で読んだことある。並行世界の別ルート(パラレルワールド)のifの沿線上に待つ“舞姫”の存在を」
輪廻転生の教典に示される聖書の続きと鎮魂歌の悪魔の子【666】!!
「GATEは開かれた。住人の敵意と幻獣使いが来るー刻まれし天命」
……
秋葉が様子を見に来た。女の人?? 嫉妬心のジェラシーがメラメラと胸に燻る。
「大声出すわよ。立ち入り禁止の看板見えなかったの? 化け物さん」
アルクェイドが顔の表情を激変して隣の向日葵(ヒマワリ)に負けないくらいの満開の笑顔で答えた!
「彼借りるから。サマーバケーションの一興で♫ 強制執行」
「人の話聞けッッ!! 秋葉……違うんだ、これには理由が」
蜩が鳴いているーヨルガクル。
「ずっと真夜中で良いのに」
彼女に直視の魔眼はもう効かない!! 吸血鬼が蠢く固有結界の罠?