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「お兄ちゃん!」


「どうした?典華」


典華は盟典の事を「お兄ちゃん」と呼び、慕っている。


勿論、俺にも懐いてくれた。


そんなある日、典華が一人の女を連れてきた。いや、今のまま伝えると語弊があるな。正確には、女の幽霊だ。


大して力の強くない幽霊だった。


だからだろうな。盟典には見えていなかった。まぁ、無理も無いか。だって、盟典には霊感が無いからな。


『典華、そいつは誰だ?』


目だけで女の幽霊を見ながら典華に向かってそう問うてみた。


「お友達!」


元気一杯の可愛らしい笑顔で典華はそう答える。


『あ、あの、私が、貴方のテリトリー内に入ってしまった事は謝りますから、ゆ、許して下さい』


震える声で女の幽霊は俺に許しを請うて来た。


もしかして、睨んでるとでも思われたのだろうか。目だけで物を見るのが俺はどうも癖らしいからな。まぁ、この癖も戦場で身に付いた物だ。だって、頭ごと動かしたら敵に見つかるだろ?


『典華の友達なんだろ?なら良い』


俺がそう言うと、女の幽霊は嬉しそうに笑った。


『ありがとうございいます!私、亜津沙って言います!って言っても、ついさっき典華ちゃんに付けてもらったんだけど』


照れくさそうに俺の目を見ながら女の幽霊は、亜津沙はそう言った。


「なぁ、彰。誰と話してるんだ?」


不思議そうな表情をした盟典が俺に問うてきた。


『そういえば、盟典には霊感が無かったな。普段俺と普通に話してるから忘れていた』


少し申し訳ないと思い、盟典にはしっかり『すまん』と謝っておいた。


『典華が幽霊の友を連れてきたんだ。名前は亜津沙らしい』


俺は簡単に盟典に説明をした。


「そ、そうか」


驚いたように盟典はその一言だけを口から零した。


確か、そんな感じで流れに身を任せてると亜津沙もこの家の住人になってたんだったな。


聞けば亜津沙も生前の記憶はあやふやらしく、生前は、早死にした両親の代わりに幼い頃弟妹を育ててたんだとか。

彼岸の家族に託された彼方の約束

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