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『孤児……それは、関係無いじゃないですか?!…わ、私は……お父様とお母様によってきちんと育てられた物です!貴方達は…私を転ばせたのに、三人で私に指をさして、謝るのはそっちです……!』


『……はっ?…僕は愚民は全て礼儀のなってない虫ケラも同然と思っていたが、アンタは謝る事も出来ない穢らわしい虫の卵以下だね。 』



…そうして、いつもベルに嫌がらせをする人が現れてベルの悪口を次々と言う。


学生時代だった時は、悪口を言われる度に俯きながら自由時間は絵を描いてたりして憂いを孕んだ気持ちを抑えたり、仲良い友達にくっついてたりした。


エクソシストの専門学校も卒業して、20歳になり一人前としてこんな風に誰かから馬鹿にされる等誰が思うのだろうか。


ベルは孤児で引き取られて、師匠のお父様とお母様に大切に育てられていて、こんな不安な気持ちになるなんて。



『あっ、……ベル、そこにいたのか。』



突如、こんなイジメの場面にて静寂を切ったのは、ジョージだった。



幼馴染で昔からベルがイジメられてる時に必ず助けてくれる王子様みたいな人だ。


濡羽色にインナーカラーは紫の髪が掛かっていて、赤と青のオッドアイにウルフヘアの誰もが羨むぐらい整った顔立ちのジョージは現れるや否や、この不穏な雰囲気を呼んでか私の前に手を広げるようにしてこう口にした。



『また、イジメてるのか?!……ベルをイジメないで』



室内は、静寂に包まれ、そして私を堂々とイジメてきた人も、バジリスクにでも誰かが睨まれたかのように固まり、徐々に肌は血の気が引いていく。



そう、昔から何故かジョージは私が悪口を言われてたり、独りぼっちやイジメられてる時に現れてはこうやって、手を出してイジメから私を救ってくれる。


昔から、良い友達で親友である。





『ジョージ……。別にイジメて無いって……ちょっと、弄っていただけだって…なぁ?』



『そうそう。……僕、裕福な家庭で育ってるから、…無意識に棘のある言い方してしまったのかな…。嗚呼、もしも、気に触ったならごめんね?』




瞬く間に、声色を変えてプライドが高いエドガーでさえも、雪山に遭難したみたいに歯をカチカチ鳴らせたと思えば下唇を深紅の血が滴るまで噛んで悔しさを堪えながら謝る言葉を紡ぐ。






その様子を見たジョージはもっと謝るべきだと眉根に皺を寄せるも、私を一瞥した後にそっと右腕を私の肩に回すように乗せれば誰にも見られないように顔色を伺う。




『……そう。次見つけたら、私がお前達を剣を持って八つ裂きにするよ。……覚えといて?……ベル、行こう?今日は一緒に外で、薔薇を買って一緒に食事をして、家にまで送るよ』




沢山の花弁が落ちるように、そしてその光景を見た人の表情は刹那に変わる中、王子様のように美麗なジョージと、小さく涙を溢しながら歩むベルは朧げな視界の中、踵を進めるのであった。





ジョージとの食事や、買い物など済ませた後、何故だが大量に深紅の薔薇に花弁の先だけ白い物と、瑠璃薔薇を買って貰い両腕で抱き抱えながらベルは、ジョージと一緒に歩幅を合わせて自宅へと歩む。





『凄かったですね。…私は、薔薇を道場で売る人があんなに喜んだ姿も、薔薇を買った後にサービスを断る人も初めて見ました。』



『私は……ただ、大切な人の気持ちを癒して暖かな気持ちにする為に薔薇を買っただけで、それ以外は要らないからね。』




『薔薇というよりも華は美麗で、美しくて本当に素敵です。今は、華なんて美しいだけで、生活には無くても生きて行けるから、大体の薔薇売りは廃業になるかあんな風に声を出して”棘があれど、指が痛くなっても触れたくなる危険な美しさを貴方も、堪能しませんか?”なんて、売るなんて……。指先から溢れる血が痛々しくて、見ていられなかったです。』




『薔薇の他にも栗の花の香りも、香っていたから……多分、あれは薔薇売りでは無いよ。……彼等は性を売っていたんだろう。』




『………えっ?…』




『ベルは、知らないのか?花屋が価値ない物というか生活に必要無い物だから、値段が安くなってどんどん売れなくなっているんだ。それで生活ができず、放浪者となり運が悪い人は自殺をし、親が放浪者となるのが怖くて体を売ったり、子供さえも売る物もいた。死神に抱かれるか、男に抱かれるかどっちか幸せかは知らないが……後者を選んだ今日の薔薇売りは凄い過酷な生き方なのに今日、凄い幸せそうだったね。僕達のおかげであの子の仕事は手短にすんだ。』




『……何故、あの子が売春婦だって思ったんでしょうか?栗の花の香りならば、華のですよね?』



『軀を使って自分を売った後は、体液の香りが凄く残り香として香る物で、あの子の売ってた薔薇は赤に白に液体が掛かったように、染まっていたのが証拠だ。その……あの薔薇にキスする姿は薔薇の蕾に口を咥えて奉仕をして白い液体に染まってるように見えるだろう?クルティザンヌならば、逆にあの薔薇を渡される事があるが、軀を売るのが禁止とされてる街だから偶にああいったやり方で薔薇を売るフリをして路地裏で立ってる人がいたら、あの薔薇を目印として軀を売ってるんだ。』






とあるエクソシストの日常。

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