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⚠️短い、夢小説、解釈違いあるかも⚠️
教室の角、焼け付くような夏の中、先生の声を右から左に流しながら頬杖をつく。私の目線の先にはブレザーとシャツの間にパーカーを来た少し眠そうな男の子がいた。「ん?どしたの?」
私の視線に気づいたのか、その男の子に急に話しかけられた私はびっくりして顔を逸らす。
「あっいや、なにも…」
「そっか、あっ、ねえノート見せてくんない?そろそろ多分俺順番的に当たっちゃうからさ」
「えっ!?あ、はい、どうぞ…」
この国語の先生は席順に問題に答えさせるタイプ、確かにそうだと思いつつ耳が赤くなっている事を自覚する。男の子、弐十くんが私の机に椅子を近づけてくる。
「字綺麗だね、ん、ありがと」
時計の針の進みと並び、順番に皆が発言していく中。私だけは止まった世界に2人っきりになっているような感覚になっていた。
「あーえっと、○○○です」
「正解、では次の…」
「ノート助かった、ありがとうね」
先生が出した問題に弐十くんが答えて、弐十くんはありがとうの言葉を残し椅子を元の位置に戻す。その事を名残惜しく思いつつ、私は終了のチャイムを聞いた。弐十くんがさっきまで持っていたノートを丁寧に丁寧に机にしまい、私は心を落ち着かせる。弐十くんと、少し仲良くなれたような気がして、弐十君は誰にでも優しいことは知っているけど、それでも、私は心臓の動きが早くなるのを止められなかった 。
その翌日、浮き足立った状態で教室のドアをガラガラと音を鳴らしながら開ける。教室を見渡すと、昨日私の隣で話してくれた弐十くんは、複数人の男子と楽しそうに話していた。勝手に近づいたと思っていた距離が離れたような気がして、その時、悪い感情が胸の奥から少しずつ迫ってくるのを感じた。もっと話したい、もっと近づきたい、そんな思いがグルグル、グルグルと渦巻いて、可愛らしいあの整った顔の表情を私が変えたいと思った。多分、その時にはもう遅かった。
その日の放課、私は弐十くんが廊下に行ったのを見計らって弐十くんの机を触った。その時はそれだけで幸せだった、弐十くんがいつも触っているものに、私の手が触れているという事実が嬉しかった。時計を見るともうすぐ休み時間が終わってしまうという事実に気づく、弐十くんが帰ってくる前に席に付かないとと思い足を動かす。