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【紫陽花】(3)
作 つぼみ
3話 キミノコト
柚が仲間になり、
裏路地を歩いている。
マリー「本当に人少ないんだぞ」
見かけるにしても喧嘩をしていたり賭け事をしていたりと何かと自由である。
透真「どこに向かってるか全然わかんねーんだけど」
時翔「こっちであってる。俺はプロの方の登山家だよ…。」
透真「別に疑ってねぇよ…!?世界的な登山家で有名人だしなお前」
その時。
コツ、コツ。と足音が聞こえた。
時翔「…?誰か来る?」
透真「隠れろ!こういうときはだいたい今あったら面倒なやつしかいない」
マリー「わかったんだぞ」
柚「敵でしたら斬ります!」
曲がり角に隠れ、座り込む。
正面からやってきたのは……。
???「なんでお前と俺様が一緒に行動しなきゃいけねぇんだよ!」
??「まあまあ♡舞波チャン〜」
???「その呼び方やめろ!俺様は真夏喜生だ!」
??「じゃあ君もぉ、俺っちのこと世那って呼んでよぉ♡
名前で呼んでもらえないの寂しい〜」
喜生「……しょーがねーな、世那」
世那「やったぁ♡真夏チャン〜」
殺し屋、「真夏 喜生」と刑事の「春雨 世那」であった。
喜生はチャックは空いているが、灰色のパーカーを着ており、髪も少し長くなっていた。
世那は黒いローブを着ており、いつもはくくっている髪をほどいている。
透真「げっ……」
マリー「さっき言ってた要注意人物なんだぞ?」
時翔「あの人たち意外と強いからねー、こんな序盤で会いたくないんだよきっと。」
透真「…そーだよ。絡まれたらめんどいぞあいつら」
柚「なかなかに酷いことを言いますね…?!」
コソコソ話していると。
世那「あっれれぇ?君たちぃこんなトコロにいたんだねぇ♡
翡翠チャン♡林埜チャン♡」
透真「……世那、久しぶり」
世那「翡翠チャンまた余計なこと喋ったのぉ?隣のその子、俺っちにだーいぶ怯えてるみたいダケド♡」
マリー「……ひっ」
透真「…世那。」
世那「チッ、はいはい、流石に俺っちでも未成年には手を出さないよ
安心してねぇ、…ボク?」
そういい、マリーに手を差し伸べる。
マリー「は、はい、なんだぞ」
マリーはその手を取るか迷う。
透真「触らせねーよ」
拳銃素早く出して世那に向かって、
撃つ。
世那「ッ!
ッぶない、!
んも〜、何すんの翡翠チャン…」
透真「マリーに触んなって言ってんだよ」
世那「……署に連れ帰ろうとしたのバレたか♡流石ぁ♡翡翠チャン♡」
間一髪で避ける。
世那は手で顔を抑え、下を向く。
世那「ッハハハッ!!!危険だよ?その子。翡翠チャン、守るんだぁ♡」
透真「なんだよ、やるのか?」
カチッ、
音がした。
喜生「透真、お前弱くなったのか?
ま、元々俺様の方が強いけどな!!」
死角を突かれた。
透真は背後に回られ、喜生に拳銃を頭に突きつけられていた。
時翔「いつのまに、!」
喜生「…動くな。お前、殺されたいのか?」
間が空く。
時翔「……くっ…、君、子供じゃないのか…?」
喜生「は、ハァーーー!?!?俺様25歳!!透真と同じ年!!しかも裏社会の仕事してる!!俺様殺し屋だぞ!?そんな口聞いていいのか?!」
柚「ごめんなさい!柚も子供だと思ってました!」
喜生「もーいい、お前ら許さん!!」
柚に向けて一発、銃弾を放つ。
柚「ッ!」
慌てて刀で受け流す。
柚「貴方強いですね!柚や透真さんの不意をつけるところ!」
柚が使っているのは「未来の」電子刀。何でも斬れる。
柚「でも、相手が悪いですね!柚は未来……2050年の人間です!」
喜生「は、はぁ?!未来人!?意味わかんねぇ!」
さらに銃撃する。
喜生「まあいい、俺様には関係ねぇことだ!!!」
世那「いいねぇ♡真夏チャン♡」
喜生「チャン付けすんな!!」
透真が動く。
強引に身体を捻る。
発砲。
喜生「おお、」
避け、
距離を取る。
だが。
喜生「逃がすかよ!」
雑に撃つ、速いし荒い。
でも正確。
透真「チッ……!」
避ける、が体勢が崩れる。
その隙に、踏み込まれる。
世那「ねぇ、翡翠チャン♡」
一歩、一歩。
近い。
透真「……っ!」
銃を上げる。
……遅い。
手首を取られ、捻られる。
透真「ぐっ……!」
世那「ほら、撃てない♡」
そのまま、
顔が触れそうな距離まで寄せる。
世那「この距離、好き?」
囁き。
透真の呼吸が乱れる。
世那「ねぇ、どうする?」
透真「どうも、こうもッ、」
柚「透真さんッ!」
駆け寄ろうとする。
喜生「…、お前の相手はこっちだ!」
撃つ。
柚「…!!」
左腕に直撃する。
時翔「柚ッ!!」
柚「しん、ぱい、しないでっ、くだ…、」
力が抜けるように、柚の身体が崩れた。
時翔「柚……!」
思わず一歩踏み出す。
その瞬間。
乾いた音、足元、数センチ先に弾丸が突き刺さった。
喜生「……動くなって言ってるだろ」
銃口が、真っ直ぐ時翔に向けられる。
喜生「次は外さないぞ?」
軽い口調。だが、目は笑っていない。
時翔「……っ」
完全に止められた。
その一方で――
透真「……チッ!」
世那に手首を捻り上げられたまま、無理やり身体を引く。
だが。
世那「無理無理♡」
するり、と。
力を逃がされる。
まるで、最初から“そう動く”のを知っていたかのように。
世那「翡翠チャン、ほんと分かりやすいよねぇ♡」
耳元で囁かれる。
透真「……離せッ!」
膝を蹴り上げる。
世那「おっとぉ♡」
半歩下がるだけで回避、と同時に。
ぐい、と腕を引かれる。
体勢が崩れる。
世那「はい、バランス崩れたぁ♡」
そのまま……。
床に叩きつけられる。
透真「がっ……!」
受け身は取ったが、衝撃で呼吸が詰まる。
世那はその上に軽く膝をついた。
逃げ場を完全に塞ぐ位置。
世那「ねぇ、まだやる?」
にこ、と笑う。
だが目は冷たい。
透真「……まだだ」
銃を握り直す、がその瞬間。
パァン!
喜生の銃弾が、透真の手元を弾いた。
透真「っ!?」
銃が跳ね飛ぶ。
喜生「そっちに集中すんなって言ってんだろ」
肩で息をしながら、にやりと笑う。
喜生「連携って知ってるか?俺様たち、そういうの得意なんだよ」
世那「ねぇ真夏チャン、今のナイス〜♡」
喜生「だからチャン付けすんな!!」
怒鳴りながらも、銃口は一切ブレない。完全に制圧されていた。
時翔「……っ」
状況を見る。
柚は戦闘不能。
透真は拘束。
マリーはそもそも戦えない。
自分は銃で抑えられている。
…詰みだ。
時翔「……降参だ」
ぽつり、と言う。
透真「……時翔!?」
時翔「これ以上は無理だ」
静かに首を振る。
時翔「…俺らじゃ勝てない」
はっきり言い切った。
数秒の沈黙。
そして。
世那「……あはっ♡」
楽しそうに笑う。
世那「いい判断♡好きだよ、そういうの」
透真の上からすっと退く。
喜生も銃を下げた。
だが、警戒は解かない。
マリー「……俺、ついていくんだぞ、だから、もう、やめて、ほしいんだぞ」
世那「ふーん、ついてきてくれるんだ♡」
じゃ、おいで、と世那は手を差し伸べる。
マリーは抵抗せず、手を取り、歩く。
世那「ふふ、じゃあね♡翡翠チャン♡
“次は”、もっと楽しませてよねぇ♡」
3話 キミノコト end.