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注意事項

・この作品はwrwrd様の二次創作です。

・本人様とは関係ありません。

・検索避けに協力してください。

・軍パロ、流血、嫌われ、リョナ等の表現が含まれます。苦手な方は閲覧をおすすめしません。

ワンクッション


























────────────

月が雲に隠されてしまった夜。

ciは書類にペンをぶつけていた。

ciもそろそろ眠くなってきて、かくんかくん、と首の力が無くなりかけていたその時、ピコンッ!と通信機器の通知が鳴った。

ciは寝ぼけながら通信機器を取り出す。

『第三裏倉庫で待ってる』

そう、zmから連絡が来ていた。

こんな時間になんだよ、と少し苛立ちながら立ち上がり、肌寒い廊下を歩き出した。

窓は開いてないはずだが、どこからか冷たい風が吹き肌をくすぐる。

くしゅん、と1つクシャミをして歩き出す。

もう夜なので、廊下は小さなランプがひとつ、ひとつ、としかない。

談話室なども電気は消されていた。

階段をひとつ、ひとつ、と登っていく。

しばらく歩き、ようやく第三裏倉庫に辿り着く。

ここはもう使われていない倉庫だ。

なぜ、zmがここに呼んだのか、ciは寝ぼけていてあまり分からなかった。

扉を開けた。

暗い倉庫。ただ、嫌な匂いがぶわっと飛び出してきた。

ciは嫌な予感がして、倉庫の電気をつける。


「…、zmッ!!!!!」

そこには、パイプ椅子に縛り付けられて腹部にナイフを刺されたzmがいた。

ぐったりとしていて、床には血がぽたぽたと垂れていた。

首元には注射痕があった。なにか、薬を入れられている。

ciは慌てて駆け寄り、止血するため、自分の服をちぎろうとした。

その時。

バチバチッ!!!!!

と電流が走ったような痛みがciを襲った。

「!?」

zmの膝に頭を乗せてがくん、と倒れる。

すると、手にナイフが置かれた。

血で模様ができたナイフを。

うっすら視界に、男がにたりと笑っている姿が映りこんだ。




















──────────────

キュッ、ペラ。

書類にハンコを押して捲っていく。

tnは頬杖を着きながら書類と睨み合っていた。

ふと、欠伸が出たので視線を前にあげると、もう部屋は真っ暗だ。

夜になったか。

tnはカーテンを閉めて、ランプに灯りをともした。

それからまた椅子に座り、ハンコを手に取る。

ピピッ。

通信機器が震えた。

手に取ると、zmからひとつの連絡があった。

『たす』

たす??

tnはポカン、と見ていた。

zmはよく遊びでイタズラをするが、通信機器ではイタズラをしない。

通信機器は、完全仕事に使うからだ。

ということは、zmに何かがあったということ。

tnは立ち上がって、部屋を出た。

近くにあるzmの自室は空だった。

はあ、と溜息をつきつつ、早歩きで管理室に向かう。



「ut。」

「んぁ…??あぁ、tn。どしたん、??」

眠いです、と顔に出ているutの隣に行き端末を持つ。

zmのバッチのGPSを開く。

W国の幹部バッチには、いざと言う時のGPSが着いている。

端末にはzmのGPS、緑色の丸が映り出された。

「アイツ、第三裏倉庫におるやん。」

「第三裏倉庫言うたら、もう何年も放置しとうところやん。なに??zmと隠れんぼでもしてるん??」

「いやな、通信機器にzmが途切れた連絡を入れたんよ。何かあったんかなって。」

utは立ち上がってパソコンを閉じた。

「イジメちゃうやろな。俺忘れへんぞ、shpくんがやられとったん。」

shpが幹部になった時、イジメが起きたことはもう皆が知っている。

それから、第三裏倉庫は基本侵入禁止になっていた。

shpに関しては、第三裏倉庫と聞くだけで震えてしまうほどだ。

「…ってあれ、ciもそこおるよ??」

「え??ciも??この端末写っとらんで。」

「GPSってオフに出来るやんか。ほんまの緊急事態の時の為に、こっちのパソコンだとオフにしてても表示されるようにしてんねん。」

tnはそれを聞くと、端末を投げ捨てて走り出した。

ciが、tnにとって大切な義弟であるからだろう。

捨て子であったciを弟として育てた、同郷なのだ。

再会を気に、勧誘したと言う。

「tn、夜中やで。」

「…おう、すまんな。」

「んな騒いどったらshpくん起きてまうよ。アイツ、眠りが浅いんやから。」

「せやな。」


しばらく歩き、ようやく第三裏倉庫までやってきた。

扉を開けると、嫌な匂いがぶわっと2人を包んだ。

「ci!!zm!!」

tnが勢いよく走る。

…そして、止まった。

「…は??」

ciがナイフを片手に倒れており、zmは椅子に縛られ腹から出血していた。

そう、これは所謂仲間割れである。

「…、」

tnの額にビキビキ、と血管が浮き上がる。

「ci。」

tnはciの顎を掴み、上に向かせる。

ぼんやりと開いていた目がスッと閉じた。

床にはzmの通信機器が落ちていた。

恐らくだが、2人はお互いに掴み合い、2人ともお互いにやられてしまったのだろう。

だが、ciが悪者、スパイであることは確実だ。

内ゲバは、お遊びに過ぎない。

tnは紐でciを縛り、隅に放った。

「ut、お前は動けるか。」

「う、うごける…けど。」

「zmを連れて医務室へ行け。snは書類でまだ起きとるはずや。寝とったら殴って起こせ。」

「…tn、ciは、??」

「こいつは俺がやるわ。utは早く動け。」

utは慌ててzmに駆け寄り、服を脱がし出血部に巻き付けた。

背に背負い、走り出す。

真っ暗な倉庫に、tnとci。

tnは拳を勢いよく振り上げた。





















────────────

ドカッドカッ。

グチャッグチャッ。

時々の、ゴプリ。

この音はなんだろうか。

とにかく頭がふわふわしていて。

ドカッドカッ。

グチャッグチャッ。

時々の、ゲボリ。

ええと、ああそうだ。

zmは助かっただろうか。

それだけ。

ドカッドカッ。

グチャッグチャッ。

時々の、グブ。


光が差し込み、身体は痛みに襲われた。




「おい。おいッ!!!!!!」

頭を掴まれ、ようやく目を覚ます。

目を開くと、眩しい光が目を刺激して、何度か瞬きを繰り返す。

tnがこちらを睨んでいた。

これは、怒っている。圧がヒシヒシと背中に来た。

「お前、どこの国のもんや。」

急にどうしたのだろうか。

俺は元々tnと同じく、T国生まれだが?

「T国やで。1番知っとるはずやけど?」

「…っ、てめぇ、!!!!」

ごぎゅり、と音を立てて俺はコンクリートに倒れた。

俺、tnに殴られてる?

最後に殴られたのは確か、詐欺師をやっていた時のこと。

こんな馬鹿げた事に才能を使うなって、褒め言葉なのに頬を殴られた。

そんな、優しさが隠れてたtnの手に、今は1ミリも優しさが見られない。

怒りと、悲しみと、呆れ。

ヒリヒリ、と頬が痛くなる。

tnに頬を殴られたのだと、数秒経ってから理解した。

歯が折れたのではないか、と不安になり舌を動かす。

しっかりと歯は並んでいた。

口の中に血の味が広がるのは、気のせいということにしておこう。

「お前、T国に寝返ったんかよ、昔経験したはずやぞ、あの国は恐ろしいって!!!!」

T国。

T国は用無しの人物をなんの躊躇いもなく処刑していくような酷い国だ。

更には、目をつけられた一般兵は一方的な暴力を受けるらしい。

国民の男子は大人になると、強制的に一般兵へとならねばならない。

俺とtnはそれが嫌で嫌で仕方なかった。

特に、俺とtnは身体能力や会話術が平均より高いため、目をつけられていたのだ。

だから俺とtnは協力してT国を抜け出し、軍学校へ逃げたのだ。

それから、俺は卒業ができず詐欺師の道へ、tnは無事に卒業してW国へ。

「寝返るって??」

俺が首を傾げると、tnがいきなり胸ぐら掴んで壁に押し付けてきた。

「…ッ、くそが。」

「それより、zmは??まさか、死んでないやろな!?!?」

「…はぁ、ci。お前に悲報がある。」

「…え、??」

tnはガシャン、と鍵を閉めた。

俺は牢屋の中に閉じ込められたのだ。

「お前はもう、自国に帰れない。」

「…は??ど、どうしたん、tn??俺、W国の幹部やん、??」

「…。」

「ねえってば、!!なんで、tn…??俺が、zmを助けれんかったから、?」

「…。」

「tn…おれ!!」

バシュンッ!

「ぐぇぁッ!!お、おご"っ…。」

肩に矢が突き刺さった。

tnが放ったのだ。

「次喋ったらその喉潰してやる。」

いつしか、俺の声が好きだと言ってくれたのは誰だったか。

俺はグェッとむせかえり、コンクリートの冷たい床に吐瀉物をぶちまけた。

嫌な匂いがツン、と鼻を刺激する。

「…。」

「…と、とぉッ…ぐぷッ!」

階段を登って消えていくtnの名を何度も呟く。


俺の、何が悪かったの。






















─────────────

地下にある牢屋、またの名を拷問室。

そこへciを連れてきて、手と足に鎖をつけたあと、馬乗りになって殴り続けた。

ポッ、と目が開きこちらを見る。

「おい。おいッ!!!!!」

最後に頭を掴んでいると、ciは完全に意識を戻した。

何度も何度も瞬きを繰り返すciを、睨みつける。

「お前、どこの国のもんや。」

そう問うと、ciはこちらを見て言った。

「T国やで。1番知っとるはずやけど?」

「…っ、てめぇ、!!!!!」

俺と一緒に逃げようと約束した日はどこへ行ったか。

俺はciが正常になるまで殴ろうとした。

でも、こいつはもう正気ではない。

壊れたんだ。

八つ当たりに1度、頬を殴る。

「お前、T国に寝返ったんかよ、昔経験したはずやぞ、あの国は恐ろしいって!!!!」

T国。

T国は用無しの人物をなんの躊躇いもなく処刑していくような酷い国だ。

更には、目をつけられた一般兵は一方的な暴力を受けるらしい。

国民の男子は大人になると、強制的に一般兵へとならねばならない。

俺とciはそれが嫌で嫌で仕方なかった。

特に、俺とciは身体能力や会話術が平均より高いため、目をつけられていたのだ。

だから俺とciは協力してT国を抜け出し、軍学校へ逃げたのだ。

それから、俺が卒業した頃には、何故かciは居なくなっていた。

皆に尋ねても、突然いなくなったらしい。

「寝返るって??」

再会したと思ったら詐欺師になってやがった。

才能の無駄使いだ。

でも、今はそう思わない。

なぜならお前という存在が無駄だから。

「…ッ、くそが。」

「それより、zmは??まさか、死んでないやろな!?!?」

「…はぁ、ci。お前に悲報がある。」

「…え、??」

お前なんて、いらなかったんだ。

「お前はもう、自国に帰れない。」

「…は??ど、どうしたん、tn??俺、W国の幹部やん、??」

うるさい。

「ねえってば、!!なんで、tn…??俺が、zmを助けれんかったから、?」

いらない。

「tn…おれ!!」

バシュンッ!

「ぐぇぁッ!!お、おご"っ…。」

俺が放った矢はciの肩に突き刺さった。

今の俺は、どんなに酷い顔をしているか。

「次喋ったらその喉潰してやる。」

グェッ、と漏れた声の次に、吐瀉物を撒き散らした。

俺は通信機器でutからzmの容態を聞きながら、弓矢を片付けた。

「…と、とぉッ…ぐぷッ!」

終わって、階段を登る。

ciの遠ざかる声を聞きながら扉を閉める。

好きだった、あの声が完全に遮断されて、どこか寂しさを感じる自分がいた。


俺は、どうすればよかったんだ。





















新連載開始です。

いいねとコメントが少なければ投稿終了させちゃうつもりです。

ですが、どこかに完結まで持っていきたい私がいますので、いいねとコメントしてくれるとすごく嬉しいです😭😭😭😭😭😭

夜に投稿しちゃってすみません!!!!!!😭😭

後は野となれ山となれ

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コメント

30

ユーザー

まって !!!! 見逃してました 😭😭 本当にごめんなさいい … もう好きすぎてやばいいい 🫶 ciくんはなにがなんだかわかんないのに急にあぁなっちゃって 、 tnさんは見たままのことを信じちゃってどうすればいいのってなって … どっちも悲しすぎゆ … 😭 zmさんはわかってるんかな … ? まだ起きてないから分かってないかも … !?

ユーザー

続き楽しみです!エグすぎこーゆーの!!

ユーザー

いやまって、めちゃくちゃ楽しみすぎる…!!!

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