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5話
翌日の放課後ーー
水滴の落ちる音で俺は起き上がった
連日で呼び出されるとは……
面倒に思いながらも呼び出した人間を探すことにした
1つの教室に怪我が目立つ女子生徒が立っていた
「(騎士様、お願い…助けてください!)」
暖天「お前の願い聞き入れた、何から守ってほしいのだ?」
「騎士様!お願いします、彼氏から私を助けて!」
暖天「わかった…今からお前のためだけに雨を降らせてやろう…」
そう伝え俺は屋上に上がる
お面をつけ直して扇子を取り出し羽を羽ばたかせ空で扇子を開き呪文を唱える
暖天「雨雲よ、我に力を貸したまえ…守るべきものに雨を降らせたまえ…幸福を訪れさせたまえ…」
屋上の床に降り立つと同時に晴れ空の隙間から雨が降ってきた
外を歩いていた人間たちは口々にお天気雨だとか狐の騎士様の力だと言っている
とりあえず今日は降らせたから力が暴走することはない
力を使えるのは一日に一回だけ
別に使わずにいることもできるがそうすると制御ができなくなり暴走することがある
土籠先生とはその時初めて会い彼の作った飴を口に入れられそしたら自然と力が抜けていった
それ以来彼の元へ向かっては飴を作ってもらい持ち歩くようにした
暖天「一仕事終わったし…土籠先生に飴作ってもらお」
?「飴、いるか?」
視線を下に向けると何とも愛らしいピンクのうさぎの様な物がぴょんぴょんしている
確か、妖精さんと呼ばれる怪異であるもっけだったか?
3匹ほどがいてその内の一匹が緑の包み紙に包まれた飴を耳で差し出すようにしてる
暖天「あー…気持ちだけ受けとるよ…」
もっけ「飴、いらない?」
暖天「飴は好きだけど…土籠先生の飴じゃないとダメなんだ…よかったら一緒にいくか?」
もっけ「お前、いい怪異!飴、もらう!」
暖天「了解、おいで」
そう言うともっけは俺の腕に収まった
抱いてみるとふわふわしていて癒し系マスコットのようだった
そして理科準備室に行くと昨日出会った七番様と一緒にいた少年と鉢合わせた
光「あ、天狗野郎!」
暖天「出会って早々失礼だな、おい」
光「つか、お前って歳いくつなんだ?」
暖天「生きてれば…17?いや誕生日来たら18になるか…高校3年だと思う」
光「あ、兄ちゃんの1個上だ」
暖天「それよりも…俺は天狗野郎じゃなくて城山暖天だ!」
光「じゃあ…暖天って呼ぶ」
暖天「それで構わない…」
俺は少年の持ってるものを見てお面を少しズラす
よく見ると虫かごで中にはトカゲが入っている
暖天「ところで光、その虫かごはなんだ?」
光「何って…捕まえてきたトカゲ」
暖天「それは見たらわかる…それどうすんだ?」
光「くも野郎にあげるんだよ」
暖天「くも…野郎??」
もっけ「??」
次回へ続く________