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「その夢、無理じゃない?」
そう言われたのは、三回目だった。
私の夢は__
小説家になること。
小さいころから、本を読むのが好きだった。
物語を書くのも好きだった。
だから、いつか本を書きたいと思った。
でも。
「そんなの才能ある人だけだよ」
「プロなんて、なれるわけないじゃん」
「趣味ならいいけどさ」
そう言われるたびに、胸が少しずつ痛くなる。
もしかして。
本当に無理なのかな。
その日の夜。
私は机の前で、ノートを閉じた。
書きかけの物語。
途中のまま、止まっている。
「……やめようかな」
ぽつりとつぶやく。
夢を追うのって、疲れる。
期待して、がっかりして。
その繰り返し。
いっそ最初から、夢なんて持たなければよかった。
私はノートを閉じて、立ち上がった。
そのとき。
机の上から、一枚の紙が落ちた。
それは、ずっと前に書いた物語だった。
小学生のころのもの。
文字も下手で、話もぐちゃぐちゃ。
でも。
最後のページに、こんな言葉が書いてあった。
『将来の私へ』
思わず、続きを読む。
『小説家になれましたか?』
胸がドクンとした。
『もしまだなれてなくても』
『あきらめてないよね?』
『だって私は』
『お話を書くのが大好きだから』
気づいたら、私は椅子に座り直していた。
ノートを開く。
書きかけの物語。
まだ終わっていない。
私はペンを持った。
夢が叶うかなんて、わからない。
途中で失敗するかもしれない。
でも。
好きなことを、
最初から諦めてしまうのは__
きっと、もっと後悔する。
私は小さく笑った。
そして、続きを書き始める。
だから私は__
夢を諦めちゃいけない。