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2,019
716
【転機】
ふと甘い匂いで目が覚める
なんかふわふわした感じがする
とりあえず体を起こす
ここどこだ、、、
何かの建物、、?
「あっ起きたの?」
声のする方に視線を動かすと一人の女の人がいた。
最低でも私とおんなじぐらい。
いや多分私よりも大人だと思う
成人しているかいないかぐらい。
背はすらっと伸びていて、やけに大人びている。
スリットが大きく入っている華やかなドレスを身にまとっていて美人とはこのことをいうのだと直感で理解した。
この人の香水なのか、この部屋自体なのかはわからないが甘ったるい香りが広がっている。
鋭く突きさすような目つきをしている割には、瞳はまるで琥珀のようでつい見入ってしまう
そんな人だった。
ってかこんなにこの人のこと見てるけど私何してたんだっけ
ここどこ?
路地裏生活とは真逆の場所なんだけど
なんなら幼少期の時に住んでた家より豪華だし
ちょっとはでだけど
何があったんだっけ、、、、
私がしたこと、、、、
う~ん、、、
あれ思い出せない、、、
そんなことを考えながらずっと女の人を見ていたのであっちは苛ついているのかこっちをにらんできた
嫌もしかしたら目つきが悪くてそう見えた可能性もあるけれど、、、
「なによ」
すごい不服そうな感じで返答が帰ってくる
普通ににらまれてたやつか、、、
というかちょっとしたしぐさや、横顔髪が風になびいたとき、そのすべてにおいて美人に見える
魔性の女、美魔女そういわれた方が納得ができる
そもそも人、、、なのか?
少なくとも並外れた容姿だ
髪がきれいな藤色なのも相まって余計に大人っぽく見える
そんなことを考えていた時だったガチャっと扉があく音がする
「あっななっし~おきた?」
、、、?
確かこの人
あこのまえ盗ろうとしたときにみたひとだ、、、
ってかこの人あの時も思ったけどやけに馴れ馴れしいよな
ってかなんで名前、、!
「なんで名前知ってるのって顔してるね」
「て、てかあなただれ!」
「、、wいいねぇそういう子好きだよ」
「だから!!」
「一応そいつここの若頭、、、ここのボス的なやつだからそういう口きかない方がいいよ」
そうさっきの女の人に言われる。
いやそいつ呼ばわりも大概だと思うけどね??
「まぁまぁべるちゃんそんなこといわなくてもさ!」
そうその女の人ことべるさんは言われてイラっと来たのか反撃体制に出た
「そうはいったてこっちはずっと面倒見といてっていわれて面倒見てたのに最初に私にいうことそれなわけ!?」
「ご、ごめんって!ってか俺だって忙しいんだから妥当な判断だろ!?」
「これ夜まで目を覚まさなかったらどうするつもりだったの!?私仕事は入ってんだけど??」
「そんときにはニグ君にでもやらせればいいかなぁって、、?」
「なんで疑問形なのよ!もう!」
、、、もしかして気が強い、、、?
ってか私置いてけぼりにされてない?
その時だった
扉の開く音がした。
「べる様。そろそろ会食の時間ですのでご準備なさいませ」
「ありがとう。そろそろ彼は帰ってくる?」
「先ほどお仕事を終え到着なされました。今頃お部屋で準備をなされているかと。」
「丁寧にありがとうね。」
そういって使用人らしき人は深々と頭を下げて部屋を後にした。
、、、今の今までもめてた時の雰囲気とは違いすぎる。
じゃあ単純にあいつが悪かっただけか、、
「ということだからあとはよろしく」
と、少し不機嫌さうに言ってから、ばたんと扉を閉めて部屋を出ていくのだった
「、、、えっと、、」
言いたいこと、聞きたいことは様々あるのだがこの一連のやり取りですでに頭がほぼパンクしている状態になっている
まぁでもやらなきゃいけないことはやらなくては、、、
「いやぁ~あぁも言われちゃうとまいっちゃうね~」
っと言われた張本人はお気楽ムードである
「あ、あんたはだれ?」
「あっ俺?」
そういうと軽く咳ばらいをして私と向かい合う。
しかしそのあとにはつい数秒前までけだるそうにしていた姿とはうって変わっていて冷酷な雰囲気さえ感じるほどだった
最後の記憶している瞬間とはまた違う感じである。
なんとなく得体のしれない何かを感じた。
「おどみんって組織のチャイナタウンの支部のボス、凸もりだけど。」
、、は、、?
確かおどみんって、、、
「これいったらべるちゃんに殺されそうな気がするけどこれでもこの国の政府の三本柱なんて言われてるんだけど知ってる?」
、、
ふと幼少期のときに散らばっていた書類のことを思い出した。
その時に要注意組織に書かれていた名前。
それが「おどみん」だった。
「、、、、しってる」
未だにどの組織が私の大好きだった両親を殺したのかはわからない。
けれどその候補の一人をいま消せるなら、、、
いま殺してしまおう、、
ポケットを探った。
ナイフを取り出すために
「、、、ない!?」
「ん?ナイフ?そんなの危ないから取り上げといたよ?」
あっけらかんとそういう
「ななっし~にはまだ早いよ。ナイフなんて」
うそ、、、
私こいつのこと殺せ、、、ない、、?
「ってかなんで私の名前、、」
「そりゃ政府の元重役さんぐらい覚えておかないとお話にならないでしょ。ってかお二人とも俺の部署の担当だったからね」
だから殺したの?
けど重役ってポジションなのになんで要注意って、、、
「あと。俺たちがご両親殺したと思うなら後で書庫のファイルでも漁りな。殺してるならファイルに書いてあるから」
「ほんとに、、、ほんとに殺してないの?本当は邪魔だったから殺したんじゃ、、」
「別によっぽどの実害が出なきゃ殺す意味もないんだよね。ってか君が思うほど事件の処理ってめんどくさいからそうそう簡単に事件なんて起こさないからね?」
そう言いくるめられてしまう
確かに要注意組織と書かれていたって確実にこいつが殺したわけではない。
ってか配布資料って言う線もあるし
つまりまだ仮説段階である
いま殺す必要はないってことか、、、
いやでもマフィアにこうも絡まれてるの嫌すぎる
「じゃお前は今日からうちの子な」
「は?なんで私がマフィアの構成員なんかに、、、」
「そりゃ元構成員だった二人の子供だ。ないがしろにするわけないだろ?それか俺なんか変なこと言ってる?」
「元構成、、、員、、?二人は組織の人だったの!?」
「は?お前そんなことも知らなかったのかよ!?ってかなんなら一時期は幹部までこなしてたんだぞ!?ってかそれだから政府の仕事任命したんだし」
、、、知らなかった、、、
ってか話してもくれなかった、、、
って政府の仕事貰ったのこいつのおかげなんだ
まぁ二人が生きてたのなんて私が小さい時だから話す必要がなかったって話なんだろうけど
小学生だったし
ぽんぽんと軽く頭をたたかれる
それは起こってるとかでもなくただただ私を慰めるように
「大変だったな、、、ななっし~も」
「さ、さわるな、、」
すごく複雑な心境である
居場所ができたような自分がまだ両親を殺したのかもしれない可能性の組織の一員であることが確定してしまったのが認められない。
自分はどうしたらいいのかわからなかった
嫌いなものは嫌いだし、認めたくないものは認められない。
けど、、、
「落ち着いたか?」
「、、、全然。」
「部屋、、、案内するからついてこい」
そういって手を引かれて廊下へ出される
「わ、私子供じゃないから!」
「まぁまぁこっちの方が迷子になることもないし手っ取り早いだろ?」
そういって華美な廊下を通り抜ける
ここら辺はとにかく華やかで桃色に近いような赤の高級感のある壁紙に黒い床が印象的だった。
けれどすごく妖艶さを感じた。
ここはいったい何なのだろう
そういってよくわからない裏口に連れていかれる
「俺たちが通る道はこっちだ。表から行くとめんどくさいからな」
と苦笑気味に言っている姿はなんとなくやらかしたことがありそうな表情だった。
扉をでて少し進んだところに重厚感のある建物が出てきた。
「ここがいわゆる本拠点ってやつ」
「ひっろ。なんかすっごい建物」
「だろ。こっちは正面口から行くか。」
外にはお偉いさんが乗るような黒塗りの高級そうな車が止まっている
とりあえず警備員らしき人にかるく挨拶をしてから中に入る
「あっ!凸さん!」
中に入ると茶髪のべるさんとほぼ同レベルで美人な好青年に声をかけられていた
ほんとにおんなじ人間?
べるさんのときから思ってたけどその美貌は人間の領域じゃなくない?
少なくとも同じ人類とは思えない
「さもさんじゃん!今日もお疲れい!この後もあるんだっけ?さっきべるちゃんに切れられちゃったわW」
「またやってんの?今日は本部の方に報告。久々にボス達とお母様と話してご飯食べてくるだけだよ。別に仕事じゃないよ。俺にとってはね。、、まぁべるは違う意味で身構えてるだろうからお仕事って枠なんだろうけど」
と失笑気味に笑っていた
べるさんと仲のいい人物なのだろうか
呼び捨てしてるし、なんか色々知ってそうだし
ってかさっきから視線がすごいな
周りに誰かいるのかなんとなく私がそわそわしている。
確かにそのさもさん?はいわゆるイケメン?だと思うし女の子がこそこそ見に集まっているのかもしれない。
「さもくんおまたせ~!ってげっ凸さんじゃん、、」
「げってなんだよ」
「まぁまぁべる。はやくいこ?」
「うん」
「ってことだから凸さん行ってくるね」
ふたりは手を取りあって仲良さげに車へと乗り込んで行った
映画のワンシーンみたい
そしてそのまま颯爽とこの場から去っていくのだった
って見るたびにべるさんキャラ変わってんな
もしかして多重人格だったり
「じゃ部屋行こうか」
ーーー
部屋につくととにかく広かった
けど謎に生活感がある
いやまあ寮っぽいし生活感はあるか
あとすごい奥まったところにあるから地味にめんどくさい
「でななっし~はこっちの右側の部屋使ってね」
「なんで右?」
「ん?だってここもともと俺の部屋だし。一人で過ごすには広すぎるしね」
へ?
「それにおれななっし~のことこっから逃がすつもりないから
「は?」
「気に入ったんだよね。直観だけど。ってかあの二人の娘だから俺らが引き取るのが妥当だと思うんだよね」
なんなんだこの人は、、、
束縛主義が何か?
もしかして盗みに入ろうとしたの相当根に持たれてる?
「ってか俺お腹すいたからご飯作るけどななっし~も食べる?」
「う、うん」
な、なんなんだこの人は
なんか常に考えてることの斜め上を行かれている気がする、、
まあいいやいすでも座って待ってよ。
何年ぶりだろう
食事をちょっとだけだけど待ち遠しく思いながらこうやって座っているのは
少しだけお母さんの後ろ姿と凸さんの後ろ姿を重ねてしまったのが悔しい。
けど無意識のうちに重ねてしまう
一つ一つの所作がどうしようもないくらいに似てる。
なんとなく二人は似たような安心感を感じてしまってる。
私を受け入れてくれるような、そんな安心感。
何も怖くないよ、私がいるからね。
みたいな
それはたまたま凸さんが私を気に入ってくれてたまたま料理をしているから重なっているだけかもしれない。
それでも懐かしさを感じるのはなぜだろう。
お父さんとお母さんが亡くなってすぐしぇいどさんの家に居候していたがこんな感情はなかった。
まぁ当時はそんな心境じゃなかったって言うのはあるけれども。
とりあえず凸さんばっか見ていてもしょうがないし部屋を見渡す
部屋は赤を基調とした部屋になっているが私が最初に連れ出されたときに一番最初に見た廊下のような赤ではなかった。
すごく落ち着いた高級感のある赤だった
それがボスの証なのかもしれない。
まぁ私にはそんなことはわからないけれど
そしてこのテーブルの真ん中には一凛の花が飾ってある
インテリアなのかもしれない
あんまりそういうイメージはないがもしかしたら花が好きなのかもしれない。
部屋の中にはさっきであったさもさんとべるさんと凸さん、あとほかに赤髪の女の子と黒髪と白髪の男の子2人が写っている写真があった。
そのなかでは初見ではあんなにおとなびていたべるさんもさもさんもちょっと子供っぽいという印象に変わってしまった。
というかほかのみんなの表情が緩んでいて相対的にみんな子供っぽく見えてるのかもしれない
「はいこんなもんだけど」
そういって久々に見た出来立ての料理は本当にどれもおいしそうに見えた
ここ数年はギリギリ正攻法で買うことのできた格安の固い味のないパンと盗み食いをしていた残飯のみだった
「、、いただきます」
一口食べた時だった
久々に食べた「食事」というものは本当においしかった
ぽろぽろと涙があふれ出しまう
「ご、ごめん!?おいしくなかったか!?結構久々に料理なんてしたし」
「ちが、、違うの、、久々にちゃんとご飯食べれて、、」
久しぶりに泣いた気がした
ずっとずっと両親が死んだあの日からときが止まっていた
それがいま人は違えどまた動き出したように思えて、、、
受け入れてくれる、ここにいたいって思っても大丈夫なような気がして
「ほんとによく頑張ったな。」
そういって小さい子をあやすように頭をなでられる
「なでるなぁ、、、」
斜めに構えて大人っぽくしてみてたけどマダマダ私ってこどもなんだなぁ、、、
ーーーーーーーーーーー
朝温かい何かに包まれて目を覚ました。
、、、布団、、、?
、、、あっそうか私なんかマフィアに引き取られて、、、
それで昨日は、、、
夜にご飯食べてそのまま、、、
ってかあいつと同じ部屋になって、、、ってことは近くにあいつがいるってことか、、、
、、、
とりあえず昨日ご飯食べた方に行くか
「ななっし~おはよう」
そうあっさりと言ってくる
現在進行形でネクタイを結ぶしぐさがやけに似合っていて少々癪に障る
本当に何なんだこの人は
訳が分からない
「ご飯はそこにおいてあるから食べといて」
「食べといてってあんたは」
「ボスに近況報告いかないとだからねぇ」
「結構めんどくさいんだよね」
「ボス?」
「まぁそこら辺の説明は俺が帰ってからな。」
「えぇ、、、」
「じゃ、俺がかえったらこの部屋まで迎えに来てやるからいい子にしてるんだぞ」
そういってぱたんと扉が閉められてしまう
なんかむかつく物言いだな
ほんと
ボスって何なんだろう
え一応あれでもあの人ボスなんだよね?
ってかこの部屋から出るなって言われたし
囚人扱いかよ
まぁ囚人よか扱いいいんだろうけど
やっぱ監禁?
ってかお腹すいた
用意や台所にご飯あるって言ってたな
面倒見良すぎだろ
何なんだあの人
まぁいいや食べよ
、、、、
やっぱご飯おいしい
普通に用意されてるの幸せだ
人と組織はともかくとして危険が隣り合わせじゃないっていいな
一応今部屋から出られないけど何もするなって言われてるわけじゃないし探索でもしよっかな
とりあえず探索するべきはこのリビングらしき場所だ
昨日から特に何かが変わっているわけではなさそう
とりあえずさっきあいつがいた近くにあった引き出しを見るとネクタイややけに見慣れない服が収納されていた
昔の人が来てたのを今風にアレンジしました!みたいな
というかネクタイ以外はクローゼットに入れた方がいいと思うんだけど、、、
シワになるし
一応なんかそれっぽい絵画がある
もしかしてなんか仕掛けがあったり、、、
そうおもって興味本位で絵画の裏をひっくり返そうとする
ひっくり返してみたが特に何もなかった
いや正確に言えばなんかすごい絵が描かれている何なんだろう
あまりにこの絵が気に入らなくて隠してるのかな
そうでもないと説明がつかない気がした
台所は、、、
調味料、料理を前提とした食料がはいっていた
特に何もない
包丁とかも入っているがほんとに料理をするためだけに使われているようだ
多分殺しとかに使っていたなら少なからず何かしら痕跡は残るだろうし
そこら辺の知識はないからあんまり断言はできないけれど
一旦自分の部屋を見よう
改めて見渡すと
ほかの建物と同じように赤が基調とされた部屋になっている
なんで赤なんだほんとに
部屋自体はシンプルで真ん中に広いベッドが置かれていてあとは黒いクローゼットが置かれているのみ
一応花瓶らしきものはあるがそこには何も花が刺さっていない
、、、この部屋一貫して窓がないな
自分の個室には一応ひとつだけ大きいのあるけど
確か地下ではないから窓の一つぐらいあってもおかしくないだろうに
あとは、、、あいつの部屋か、、、
とりあえず部屋の前の扉の前に立つ
なんか開けるの怖いな
このただならぬ開けてはいけないかん
、、、
い、いや別にちょっと見るだけだからね
ってかそんなまだ得体のしれないやつなんて調べとかないと信用できないし
仮に横からバーンッて寝込み襲われても怖いし
部屋見たっていいよね
ワンちゃん死と隣り合わせな状況なのかもしれないし
3、2、1で扉を開けよう
3
2
「なぁ~にやってんの?ななっし~?」
昨日と同じやけに甘ったるい声が響く
「そんなことされちゃ凸さん困っちゃうなぁ?」
「ひえっ、、」
「そんなガチで引かないでくれる?凸さん傷つくよ?」
「知らねーよそんなこと、、、」
「えぇ~昨日のななっし~可愛かったのにぃ~?」
「ってかそんな気やすく呼ぶなって!?」
「考えとくね~ななっし~ちゃん」
「ごめんちゃん呼びするぐらいなら呼び捨てでいいわ。まじで無理」
「えっごめん」
そこはあっさり引くのかよ
ってかこいつ私と頭一個分以背が大きいからこうやって覆いかぶされると本当に身動きできなくなる
結構怖い
「じゃ昨日ななっし~が目覚めたところに行こうね」
ーー
そういって凸さんについていく
さっきからすれ違う組織の人たちからの目線が痛くて凸さんを見るのが手いっぱいだった
多分普通の新入りとかなら何もないのかもしれないけれど、新入りがボスといるって時点で注目を浴びてるんだと思う
地味にいやだな
あんまりこう注目されるの好きじゃないし、、
凸さんはこういうことが好きなのか慣れているのかわからないが楽しそうに堂々と歩いている
とりあえず息苦しい建物を抜けてやけに妖艶だと感じた建物の方へと向かう
何なんだろうこの建物は
とりあえずこの組織の支配下であることはわかる
昨日は少し騒がしいと感じたがいまはとっても静かである
元から人とはすれ違わなかったが昨日は声だけは聞こえていたのでそんなに不気味さはなかったが今日は薄暗いし、声もいないしで自分たちの足音だけが反響されていてとても怖い
昨日の部屋の近くまで行っても静かなままだった
凸さんが大きく扉を開ける
「やっほ~べるちゃん!さもさんは~?」
「まだ仕事。ってかこっちも帳面つけるので忙しいから。ここ凸さんのさぼり場じゃないし」
「えぇ~?でもべるちゃんこうやって俺がたまに見に来ないとさぼりはじめるでしょ?ってか帳面つけ終わってなかったの?」
「これは昨日の夜渡されたやつ!そんで凸さんの仕事はこっち!」
きてそうそう言い争いを聞かされる
まぁ昨日のことを考えるとこれが平常運転なのかもしれない
わかんないけど
「まぁまぁ。新人教育も俺らの仕事だろう?」
「、、、その子入れるの?凸さんに敵意丸出しだったけど。」
「うん。だって気に入ったし」
「ワンちゃん殺されるかもしれないのに?馬鹿なの?」
「まぁいいじゃん?仮に俺が死んでもだれか継いでくれんでしょ?それはそれで安心じゃん?」
「少しは若頭の自覚を持ちなさいよ、、、」
そういってべるさんはげんなりとした顔をしている
なんかここまで来るとなんとなくわかる
べるさんの性格がきついというより凸さんの性格がなんというか楽観的なんだろうな
なんというか同情する、、、
「で?名前何だっけ?」
べるさんはケロっと表情を変えてこっちに聞いてくる
「えっとななっし~です」
「でべるちゃんにはななっし~の普段の面倒見てほしいんだけど」
「はっ!?私!?」
そりゃ当然の反応っちゃ反応だよね
いきなりまかされてそうだし
「い、いや極力俺が面相は見るけど俺だって仕事あるからその間見ててほしくて、、、基本べるちゃん帳面だけでしょ?仕事」
「そ、そりゃそうなんだけど、ななっし~はそれでいいの?あんたの子じゃないんだから、、」
「わ、私は大丈夫ですよ」
なんというか申し訳なさが、、、
本当に大丈夫なのかな
「そう」
そう淡白な言葉が返ってくる
や、やっぱなんかまずかった、、?
わたしなにかやらかしたかな?
「べるちゃんこう見えて対応冷たいけどいいやつなんだぜ」
「そ、そんなこと言わなくたっていいでしょ!?」
「こいつただのツンデレだからね。俺らみたいな人には」
結構むすっとしてるけどそれでいいのか、、、
ってか一応凸さんは凸さんでボスなんだよね?
べるさんも昨日言ってたし、、、
「ってか俺がべるちゃんべるちゃんいってるから名前は知ってるだろうけど改めて自己紹介よろしく」
「はっ!?急にそういうこというのやめてって言ってるじゃん!?なんで毎回いきなり言うわけ!?」
もしかしてツンデレというより話すのが苦手だったり、、、
コミュ障ってこと?
本当にべるさんは困っているのかう~んっと頭を悩ましている
それを見て入る凸さんはすごいにこにこだが
本当に私どうしたらいいの?
そんなことを考えていたとときだった沈黙を破るようにドアが開いた
昨日みたいにあれかな使用人さんかな
ほんとにこの組織大きいな
「お疲れ~」
ん?えっと確かさも、、、さんだったよね
昨日とつさんと話してた
ってかこんなにマフィアに囲まれててちょっと気持ち悪い
なんで私こんなことに
「凸さんまたべるに何やらせてるわけ?めっちゃ困ってるじゃん」
「いや俺自己紹介頼んだだけなんだけど、、、」
「自己紹介って、、、その子に?そういや昨日から凸さんの後ろにいるね。新しい子なんだ。なんかの情報源だったりするの?それとも身代わり?」
!?
昨日はすごいさわやかな人とか思ったけど案外そんなことなかったりする?
結構えぐいこと言ってるよね
身代わりとか情報源とかなかなか普通じゃすぐ出てこないよ?
いやここマフィア組織だったわ
そういえば
「ほらななっし~」
この状態で自己紹介するの!?
まじで!?
「えっとななっし~です。なんか目が覚めたらここにいて、引き取られることになりました、、、」
とりあえずなにを言えばいいのかもわからずあったことを話した
そんなお父さんとお母さんのこと言ってもしょうがないだろうし
「そうなんだななっし~っていうんだよろしくね。俺はさぁーもん。みんなさもさんとかさもくんとかよんでるから適当にそうやって読んでくれればいいよ」
「わ、わかった」
「で、こっちが、、、べる出ておいで」
気づくとしれっとさもさんの後ろにべるさんが隠れていた
、、、もしかして結構子供っぽいのかもしれない
「改めて、、こっちがべる。ここ、、紅楼館の管理を任されてる凄い子で俺の許嫁ね」
「も、もう!そこまで言わなくてもいいじゃん!なんでいっちゃうの!」
、、、なんか不憫な子だな、、、
けど半泣きでも美人なのいいなぁ、、
「べるちゃんにちゃんと自己紹介してもらおうとしたけどさもさんが一緒にやっちゃったか、、残念」
「だってべるがかわいそうだもん。嫌だもんね~べる~」
なんか扱いが猫みたいだな、、、
性格はちょっと子供っぽいというか、扱いが猫を飼ってる飼い主みたいな感じの関係性になってるけど
でもまぁ、、こうやって見てる分には二人とも美男美女だし絵になるな
羨ましい
「それで?とつさん俺らのこと呼び出してなんの用事?」
「そうそうべるちゃんにはいったんだけど、二人にななっし~の面倒みてもらいたくて」
「てっきりとつさんが面倒見るのかと思ってたんだけど、、ってか凸さんが面倒見ないにしろほかの人に任せればよくない?俺ら普通に仕事フルで入ってるんだけど、、、俺も営業回り忙しいし、、、」
「せっかくだしな。俺はお前らの人事育成頑張ったし次に引き継ぐことになるお前らに任せるのは妥当じゃないか?」
「もちろんやるにはやるけども、私たちここの管理をするのであって若頭とは話が違うって話したよね?」
「わ、分かってるって!べ、別に忘れてたわけじゃねーし!!!」
「忘れてたんだ、、、」
なんかにぎやかだな、、、
よくわかんないけど
「まぁいいやよろしくねななっし~」
「は、はい!」
「こいつ面倒くさくなったらいうんだよ?いつでもしめてあげるからね」
「も~べるちゃんは怖いな~」
「あんたのせいでしょーよ」
結構凸さんとべるさんばちばちしてるんだな、、
「俺からの話はそんだけ!逆に二人なにかあったりする?」
二人は一度顔を見合わせている
「特にないよ。けどその都度ちゃんと指示は頂戴ね。」
「はいよ!わかってるって!」
こうしてこの場はお開きになった
ーーー
時間はあっという間で夕飯の時間になった。
結構あそこにいたんだな、、、
とつさんは結構手際がいいのかさっと料理を出してくる
普通にすごいな
ってか私はこう凸さんに養われてるみたいになってるけどべるさんたちはご飯どうしてるんだろう
許嫁とか言ってたしデートとかいう名目でご飯食べに行ってたりするのかな
あんまよくわかんないけど
「はいななっし~食べようぜ」
「うん」
「それで、、昨日聞こうと思って聞き逃したけどなんか疑問とかある?」
「地味に気になってるんだけど、凸さんとべるさんって仲悪いの?」
「ああべるちゃん?普通に仲良しだよ?あいつ基本さもさん以外ああいう態度が標準だから。むしろ最初っからニコニコしてる方が営業スマイルだから警戒したほうがいいぞ」
「そ、そうなんだ、、」
「あとべるさんとさもさんって許嫁って言ってるけどがちなの?」
「うん。そうだよ。ってか許嫁で絶対結婚する運命にあるのに付き合ってるからな。ほんとすげーよあいつら」
「そうなんだ、、」
「あと一応凸さんがボスなんだよね?」
「うん。ここのボスだよ?」
「け、けど明らかにべるさんたちのほうが立場うえっぽそうな感じがして、、」
凸さんがはっとした表情に変わった
もしかしてなめられてるのを今私が行って初めて気づいたとか、、?
だとしたらやばくね?
いろんな意味で、、、
「そっかななっし~にはいってなかったっけ?」
「な、なにが?」
「ここって支部だから俺が最高権力者じゃないんだよな」
「け、けどここにいるならべるさんたちは凸さんの下なんじゃないの?」
「あ~あいつらは例外だな」
「例外?」
「そそ。そもそも許嫁って時点でおかしいと思わない?」
「い、言われてみれば、、、?」
いや許嫁ってだけで怪しまなきゃ言えない世界なの?ここ
初見で見抜けるわけないやろ
「あいつらは本部からの派遣。一応ここではあいつらは幹部だけど実際は本部役員だから俺よりもっと地位高いぞ」
「そうなんだ。でなんで許嫁なの?」
「本部の上層部の中でも有力候補の御四家ってのがあってな、二人はそこの御令息とご令嬢なんよ」
「ふーん。じゃあ時期最高権力者ってこと?」
「まぁガチのボスはもう片方のペアがなったらしいんだけどここ、チャイナタウンが統括だからこっちの最高権力者だな。ちなみにそれでも俺より立場は上だぞ」
「だからべるさん凸さんの扱い雑なんだね。」
「まぁ雑ってよりは信頼だろうけどな。「お前ならやれるだろ」っていう」
「そんなもん?」
「そんなもんだよあいつは」
あらためて昨日見つけた六人で写っている写真を見る
ってことは知らない残りの三人のうち二人が残りの二家なのだろう
、、、えっじゃもう一人は誰なの?
やっぱ使用人?
「ちなみに、ボスになったペアは赤髪と黒髪のやつな。」
「じゃあこの白いひと誰?」
「ああそいつ?なら明日会いに行くか。」
「へ?」
「じゃそれがお前の初仕事だ。ちょうど用事もあったしな。一緒に行くぞ」
「わ、わかった」
ーーー
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