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いいお話だぁ(つд;) だが、あの化け物達は許せぬな……
私の世界は、真っ黒。
深い、深い深海の底に沈んでいるような
そんな暗闇。
一筋の光さえ、途絶えてしまいそうな
深い、深い海の奥。
誰も居ないから、私は云う。
「辛い」「死にたい」「消えたい」
そう叫ぶ。
この声に応答はない。
故、真空。
現実には飽きてしまった。
学校に行っても、机に書かれた落書きと無造作に飾られた花。
誰かが云う。
「嫌い」「死んで」「ねぇ、なんで」
「「「「「「生きてるの?」」」」」」
煩わしいその声に、私は只
「ごめん」「ごめんね」「早く、」
「早く死ねるように、努力するよ」
そう云う。
人の気持ちさえ分からない化け物達。
きっと、彼奴らから見れば私は邪魔なゴミ。
そんなゴミに構ってないで。
出来れば、構わないで。
そっとしていて。
でも、寂しい。
それが私の日常、私の現実。
だから、この世界に閉じこもる。
そういえば、この世界に来る前、私に優しくしてくれた彼は元気だろうか。
屋上のフェンス越しに彼はいつも、話し掛けてくれた優しい彼。
とても優しくて、聞いていて心地のよい、そんな声。
会いたい。
…なんて、今更言ったって。
もう、会えないことくらいわかってるのに。
この瞬間、私は心の底から願った。
「生きたい」
こんなところで死んでたまるか。
彼に会いたい、ただその一心で私は
強く、強く願った。
刹那_____暗闇だった世界に光が差し込み、黒の世界が色付いた。
「〜〜〜」
彼が呼んでる。
行かなければ。
そして私は
彼女が、屋上から飛び降りた。
なんとか一命を取り留めたものの、彼女は一向に目を覚さない。
….彼女が虐められていることを、僕は
知っていた。
誰とも関わろうとせず、独り孤独に生きる彼女がどうしても不憫だった。
彼女は覚えていないだろう。
昔、まだ小さかった頃
僕達はよく遊んでいた仲だった。
家も近く、よく一緒に居た。
けれど、親の都合で引っ越してしまい、それっきり。
僕は、彼女が好きだった。
だけれど、その想いは伝えられないまま。
だからこそ、生きていて欲しかった。
だから、あの日
屋上のフェンス越しの君に僕は云った
「好きだよ」
と。
君は黙ったまま、此方を見つめる。
ただ、その瞳には戸惑いがあった。
それから僕は、彼女に話しかけに行った。
そして、ある日僕は言った
「死に急ぐには早すぎる」
って。
君は、何か心残りがあるかのような顔を一瞬だけしたが、直ぐにいつもの顔に戻った。
「生きて」
そう言った途端、君は、困ったように
僕を見て笑った。
でも、君は飛び降りた。
病院に搬送された君を見て強く願った。
「生きて」
「死なないで」
心の底から願った。
そして、彼女が飛び降りてから半年。
君は未だに目を覚さない。
目を開けてよ。
僕はまだ、君に伝えきれていないのに。
君の名前を今日も呼ぶ。
そして、また、僕は云う。
「愛してる」
と。
そう言った後、君の手が微かに動いた。
そして、君は目を開け、こう言った。
「私もだよ」
happy end