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『言葉で紡ぐ恋のライム』
〜マイクで紡ぐ恋の予感?〜
第8話 好きな人の過去の話
『すぅ、すぅ…。』
お姉ちゃんはソファの上でぐっすりと寝ている。
『お嬢様…麻里衣様は姫神家長女として生まれてからずっとこの家を継ぐことを強いられてきました。強いられたと言っても麻里衣様も幼いながらに理解はしていました。この家に長女として生まれたからには探偵を継ぐと。そして、ご両親から姫神家の跡取りとして教育を施されて来ました。』
『教育……。』
『はい。勉学に語学、礼儀作法や護身術、社交の場に出ても恥ずかしいことのないように。』
『雁字搦めだね…ボクなら嫌かも…』
『麻里衣は嫌がらなかったのかよ。』
『…分かりません。お嬢様は顔に出さない性格でしたから。嫌でも…長女としてと言い聞かせてきたんだと思います。』
『まぁ、今の麻里衣さんを見てれば分かりますね。正義感が強くて、誰よりも優しく、そして、妹思いの……素敵な女性です。』
『お嬢様は仕事柄…誰かを簡単に信用することは絶対にしません。常に探偵として疑ってかかります。それがお嬢様にとっては……苦痛だったのかもしれませんね。』
お嬢様のことを見つめる。
『でも、お嬢様はご両親を恨むことはありませんでした。必要なことだと割り切って今まで過ごしていたのでしょうから。』
『っ…。』
『僕何も知りませんでした。麻里姉のこと好きなのに…。』
『お嬢様はそれでも、挫けることはありませんでしたよ。お嬢様には妹の百合菜様がいましたから。』
『わ、私?』
『はい。お嬢様は百合菜様のことを1番気にかけて大切にしてくださってます。それは長女だからとか関係なく……世界に一人の双子の妹として。』
『……!』
(お姉ちゃんは……いつも私の事一番に考えてくれてる。そんなお姉ちゃんだからこそ私は大好きだし、ずっと一緒にいたい……。)
『お姉ちゃん…いつもありがとう。』
『ん…ふわぁ…あれ…私寝てたの?』
『あ、起きた?俺の家で寝てたからお姫様抱っこで連れてきた。』
『えっ!す、すみません……私としたことが…。』
私は顔を赤く染める。
『恥ずかしい…。』
『可愛い寝顔でしたよ。』
『み、見ないでください……っ。』
『お嬢様。明日は四十物さんとお出かけの日ですね。』
『うん、分かったわ。よろしくね、十四君。』
『は、はいっす!』
(うぅ、緊張するっす〜。)
『十四〜ちゃんと男としてエスコートしてやれよ?』
『わ、分かってるっす!麻里衣さん!明日はちゃんと自分がエスコートするっす!』
十四君が私の手を握る。
『えぇ。楽しみにしてるわ。』
翌朝。
『ライブのチケット?』
『はい、今日自分ライブがあるんす。良ければ見に来て欲しいなって。』
『もちろん、行きたい。』
『本当っすか!?やったっすー!じゃあ早速行きましょうっす!』
ライブ会場
『凄い人……人気なんだな。十四君って。』
いい席を取ってくれたのかよく見える。
(凄いな…いつもの十四君からは想像出来ないくらい……かっこいい…。)
パチッ。
十四君と視線が合い私に向かって手を振る。
『…っ!』
『今私にファンサした!?』
『違うよ私だよー!』
(……ギャップ萌えだ。ずるいな…。)
ライブが終わり、十四君と待ち合わせする。
『お待たせしましたっす!』
『お疲れ様、十四君。』
『ありがとうございますっす!あ、あの、気付いてくれたっすか?』
『もちろん。気付いたよ。ありがとね。』
『良かったっす!あ、あの、麻里衣さんの今日の服可愛いっす。』
『ほんと?ふふ、ありがとう。じゃあ行こっか、まずはご飯かな?』
『そ、そうっすね。』
(はっ!だ、ダメっす自分!エスコートするって決めたんすから…!)
麻里衣さんの手を握る。
『十四…君?』
『今は……自分とのデートっすから……少しは…意識して欲しいので…』
ドキンっ。
『う、うん……。』
(年下にドキドキさせられるなんて…私もまだまだね…。でも、私はギャップ萌えに弱いんだよな…普段の可愛い十四君からは想像できないくらいのかっこよさだもんな…。)
カフェ
『頂きますっす!』
(美味しそうに食べるなぁ…ナポリタン大好きなんだ。覚えておこう。)
『あ、十四君、口元にケチャップ…。』
スっとティッシュで口元を拭く。
『(⁄ ⁄•⁄ω⁄•⁄ ⁄)』
『……え?あ、ご、ごめん!妹にやるくせで…。』
『い、いえ、いいんすよ…///』
『『(⁄ ⁄•⁄ω⁄•⁄ ⁄)』』
(今日はドキドキさせられてばっかっす…もっと自分にもドキドキして欲しいっす。)
夜、帰り道で―――。
『今日は楽しかったね。』
『そうっすね!』
『今日の夜ご飯なんだろう。蘭に聞いてみよむと。』
『……。』
(まだ…帰りたくないっす。このままずっとふたりきりいい。なんて言ったら…困らせちゃうっすかね。)
『十四君?』
『え?』
『今日の夜ご飯はオムライスだって!一二三さんが作ってくれたみたい。』
『は、はいっす!楽しみっす!』
『ふふ、どうしたの?ぼーっとしてたけど…』
『えっと、その…自分は…麻里衣さんのことが本気で好きだから…今日誘ったんす。』
『十四君……。』
『自分、頼りないと思うっすけど……それでも…麻里衣さんの隣にいたいんっす。』
握られたその手は強く、普段の彼からは想像がつかない。
『ありがとう。十四君。私も今日楽しかったよ。』
(あしらわれたっす…流石大人の麻里衣さんっす…でも…!)
グイッ!ダンッ!
『っ…!』
壁に手をつかれ壁ドンされ、顔が近くなる。
『十四…君…?』
『自分は…本気で好きなんす。他の誰にも渡したくない…。』
『ん…っ。』
吐息が耳にかかる。
『ちゃんと…意識してくださいね。』
『う、うん…。』
(えへへっ。ちゃんとドキドキしてくれたみたいっすね。)
『ただいま。』
『お姉ちゃんおかえりー!』
『いい匂い…。』
『俺っち特製オムライスだよ〜オカワリもあるからね!』
『はい、ありがとうございます。』
『十四、ちゃんとエスコートしたか?』
『ひ、秘密っす!』
『んだよもったいぶりやがって。』
『麻里姉。おかえりなさい。隣失礼しますね。』
『三郎君、うん。いいよ。』
『あの、明日は…僕の家で過ごしたいんですけど…いいですか?』
『三郎君の家で?』
『麻里姉とボードゲームがしたいんです。』
『!もちろん!楽しみにしてるわね。』
『はい! 』
(明日は三郎と麻里衣さんがデートか…。
しかも家でとか…気になるな…でも、他の人のデートの内容を聞くのはあれだし…うーん…。)
モヤモヤを抱える一郎と、明日を楽しみにする三郎。そして、ドキドキを隠す麻里衣。
明日のデートはどうなるのやら……♡♡
次回
第9話 勝ったらご褒美負けたら罰ゲーム
ぷち
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#ヒ腐マイ
くまりぼん@🧸🎀
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ヒプマイ好き
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コメント
1件
読み終わりました。第8話、十四君の不器用だけど真っ直ぐな想いにじんわりきましたね。麻里衣さんの過去——姫神家の長女として雁字搦めの教育を受けてきたけど、妹思いで正義感の強い今の彼女がいるのは、その厳しさを自分の中で噛みしめてきたからなんだなと感じました。十四君が壁ドンで「ちゃんと意識してください」って言うシーン、普段の可愛いギャップが効いててドキドキしました。最後の三郎君の申し出で一郎がモヤモヤしてるのも気になるし、続きが楽しみです!