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新しい週が始まり、ネクストリンクのオフィスはまた慌ただしさを取り戻していた。風滝涼は営業のリーダーとしての責任を感じつつ、山下葵との関係にも少しずつ変化を感じていた。
ある朝、葵が出社すると、風滝がいつもより少しリラックスした笑顔で声をかけてきた。
「おはよう、山下さん。今日もよろしくね。」
葵は思わず微笑み返した。
「おはようございます、風滝さん。よろしくお願いします。」
二人は同じエレベーターに乗り込み、偶然にも隣り合った。その短い時間に、風間がふと話し出した。
「そういえば、今度の金曜日に社内イベントがあるんだ。みんなでリラックスするいい機会だから、山下さんも参加しない?」
葵は少し驚いたが、内心嬉しく思った。
「イベントですか……そうですね、行ってみようかな。」
昼休み、葵はデスクで仕事をしながらも、イベントのことを考えていた。普段とは違う風滝の顔を見られるかもしれないと思うと、心が少し高鳴った。
金曜日の夜、会場となるビルの屋上に社員たちが集まった。和やかな雰囲気の中、風滝は葵のそばに寄り、軽く話しかける。
「緊張してる?」
「ちょっとだけ。でも、こういう機会は大事ですよね。」
二人は笑い合い、自然と距離が近づいた。その時、風滝の手がそっと葵の手に触れた。
「無理しないで、リラックスして。」
その瞬間、葵の心臓が大きく跳ねた。普段の冷静な彼とは違う一面を感じて、胸の奥が熱くなった。
夜が深まるにつれて、二人はお互いの趣味や夢、そして少しだけ過去の話を語り合った。風間の真摯な姿勢に、葵はますます惹かれていった。
帰り道、風滝はふと提案した。
「また、今度ゆっくり話そうか。仕事以外の時間で。」
葵は自然と笑顔になった。
「ええ、楽しみにしています。」
二人の間に、確かな何かが芽生え始めていた。