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或る日、学校の帰り道。
「—でね〜!可愛い野良猫がこの前〜」
「うんうん。」
——その話、もう3回目。——
私はいつも横にいる女が嫌いだった。頭が良くて、スポーツができて、友達も沢山いて、可愛くて、、、きっと悩みなんて何も無い、私とは正反対なアイツ。私はアイツが嫌い、いや、大嫌いだった。
或る日、
「それでぇ〜、、、」
「うんうん、それで?」
——この話は2回目。さっきの話は…確か4回目か、——
「……っていうホラー小説を見つけたの!気が向いたら貸すよ!」
——ホラー小説なんかいらない——
——今はそんな気分じゃない——
——アンタの隣を歩きたくないの——
——早くどっかに行って。——
——今直ぐに、——
——行かないなら私が消えるよ。——
某月某日。
「ねぇ、今日のニュース見た?高校生男女が心中自殺だって!」
「うん。さっき見たよ。びっくりしたよね。」
私は徐ろに返事を返した。
「……なんだか、今日元気無いね、」
「そんな事ないから。」
——アンタのせいだよ——
「そう?なら良いけど、、」
——そう、そのまま、私の事を放っておいて。——
毎日こんな劣等感に潰されるのなら、いっそ私を殺すか、アンタが死んで頂戴。今、すぐに。 話す度に、歩く度に、胸が締め付けられる。その度に私は死にたくなる。
「あのね!昨日実は〜、、」
——死にたい。——
「聞いてよっ!今日酷いことがさぁ、、」
——死にたい。——
「明日私の先輩がねっ!」」
——死にたい。——
「そうだ!良い事考えた〜っ!」
——死にたい。——
「そーいえば前のテスト前より点数下がってたの!、」
——……煩い。死んで。——
———いっそアイツを殺してしまおうか———
そう思う時もある。けど、やっぱり殺したいというか、死にたいのは自分で、このアイツを殺したいって気持ちは、自分の本心のお零れってことに気付く。そして私はボイドの呼び声にそっと耳を傾ける。何もせずに先の尖ったもので自分を刺すのはちょっとやだから、死ぬのなら遺書を何枚か書いて、高い所から飛び降りて、ぐしゃりと潰れてすぐ死にたい。死にたい私にもそんな望みはある。
自殺行為・事件の件数が多くなった時期。私もそれに便乗して死のうかと思った。
——死、死、死、死。——
死ぬ時はやっぱりちょっと痛いのかな。でも私はずっと死にたいと心の奥底から必死に叫んだ。大嫌いなアイツと一緒に帰る毎日の帰路でも。死にたい、死にたい、死にたい。と。 大嫌いなアイツと帰っている時、そんな心の声を心の中でずっと静かに復唱していた。死にたいのに実行できない自分の弱い所をただひた隠すように、死にたい。死にたい。と。その時、私の心情を察する様に大嫌いなアイツは自分の話をやめて、こんなことを言ってきた。
「ねぇ、死なないでね。ゆかり。」
私は数秒言葉を失った。後にたった一言。
「死なないよ。」
私の心の内を急に察して来る。いつもそうだ。
やっぱり、
そんな姉のあかりが大嫌い。