西側から望む、真砂岳と立山の北端の富士ノ折立、中央下部に雷鳥沢キャンプ場、右下に山小屋の雷鳥荘。真砂岳山頂部直下西斜面(大走りの尾根の北側)で、2013年11月23日に大規模な表層雪崩が発生し、山スキーを行っていたとみられる7人が死亡する山岳遭難事故が発生した。
2013年(平成25年)11月23日午前10時55分頃に山頂部の西面(大走尾根の北側)で大規模な表層雪崩が発生し、山スキーを行っていたとみられる7人が死亡する[35]山岳遭難事故が発生した[36]。死因は全員窒息死であった[36]。雪崩が発生した以前の麓の気象観測点「上市」の気象データを下表に示す[37]。
麓の気象観測点「上市」の気象データ[37]
日付降水量
(mm)平均気温
(℃)最低気温
(℃)最高気温
(℃)日照時間
(h)11月16日07.22.213.78.211月17日010.61.717.76.711月18日4.56.51.810.20.611月19日0.55.41.39.51.611月20日69.03.72.06.2011月21日22.54.41.46.70.711月22日19.05.53.37.9011月23日0.55.80.811.86.0
上市の気象観測点は、真砂岳山頂の西北西20 kmの標高296 mに位置する[38]。高度換算で真砂岳山頂の気温は、上市の気温より15℃ほど低いものと推定できる。雪崩が発生した2 kmほど南西の室堂にあるホテル立山(標高2,420 m)一帯では4-5日前から悪天候が続き、23日午前9時の積雪量は220 cm、気温は-3 ℃、快晴で日中の気温が上昇し、大規模な表層雪崩(幅30 m、長さ600 m[39])が発生したものとみられている[36]。雪崩の瞬間の映像は動画投稿サイトのYouTubeなどに投稿され、稜線付近から一気に雪が崩れ10秒ほどで人々が次々に雪崩にのみ込まれた[40]。2組の遭難者一覧を下表に示す[36][39]。
真砂岳雪崩遭難者一覧
グループ年齢性別発見された場所10年ほど前から毎年春と秋に
室堂周辺の山域に
山スキーに訪れていたグループ72男3人はデブリ(雪崩の終着点の雪が堆積した場所)
4人はデブリの100 m上の地点59女58女55男46男山スキーを行っていたと見みられる夫婦44女36男
現場はこの時期一般客が踏み入らない場所で、バックカントリースキー、バックカントリースノーボードなどを行う上級者が入ることがある場所で、雪が吹き溜まり雪崩が発生し易い場所である[40]。23日午後3時半ごろには近隣の立山連峰最高峰大汝山(標高3,015 m)西面の山崎カールおよび真砂岳の西側下部にある雷鳥沢でも雪崩が発生した[36]。
2013年の真砂岳雪崩遭難事故を受けて石井隆一富山県知事は2014年3月下旬頃を目途に立山黒部アルペンルート周辺への入山届の義務化を内容とするガイドラインの制定を目指す方針を示した[41]。
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