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私
自身について言えば、 あまり褒められた性質ではないようだ。
この性格のせいで、 色々と損をしているように思う。
しかし、それでも自分のスタイルを変える気はない。
私が望むのはただひとつだけなのだから。
自分が正しいと思ったことを貫く。
ただそれだけだ。
私は私なりのやり方で生きるだけだ。
だからといって、 他人の生き方を否定してまわっているわけではない。
むしろ私は他人を尊重するタイプだと思う。
私は私らしく生きているだけで、とても幸せなの。
だって、毎日ちゃんとお祈りをしていれば、きっと神様が助けてくれるもの! どんな時もお日様みたいにニコニコしてれば、みんな幸せになれるわ! だから私はいつも笑ってるのよ。
楽しい時は思いっきり笑うし、悲しいときは涙が出るまで泣くけどね。
今日みたいなお天気だと、本当に気持ちよくて嬉しくなっちゃう。
太陽さんも一緒に遊んでくれてるみたいだし! それにしても今日は何時になく調子が良いわね。さっきから良いことばかり続いてるわ。
ああもう幸せすぎてどうにかなりそうなくらいよ!! ああっ、こんなに素敵なことが続くなんて、きっと明日も明後日もずっとこのままよね!? ああ……やっぱり私には太陽の神様がついているのかもしれないわ。だって今日のお昼休みだってあんなことがあったんですもの。
「ねえ、ちょっと聞いてくれる?」
いつもどおり友達とお弁当を食べていた時だったかしら。突然クラスの女子の一人が言い出したの。
「あたしこの間見たんだけどさ、ほら、あのお化け屋敷みたいなところ……」
「ああ!あれね!なんか怖いよね!」
「うん、怖かったぁ~」
「あそこに入った人って必ず死ぬらしいよぉ?」
「えぇ!?ほんとうにぃ?」
「だってあそこの中の写真撮った人がいてさぁ」
「うわぁ~こわいねぇ」
「ねー、だからもう誰も入らないんだよ」
「入った人はみんな死んじゃったってことかな?」
「かもしんないねぇ」
「へぇ~そうなんだぁ」
「ねえねえ知ってるぅ?あそこのお店って幽霊が出るから『ゴーストハウス』っていう名前になったんだって」
「そうなの!?知らなかったぁ」
「あたしも最近知ったばっかだからさ~♪」
「うわーん! どうしてわたしだけこんな目に遭うんですかぁ!」
「…………お嬢様は?」
「あれ? いないよ?」
「えっ!?」
「どこ行ったんだろうね……」
「もしかして、またひとりで出かけちゃったんじゃあ……」
「ううん。そんなことなかったと思うけどなあ」
「じゃあ、どこに行っちゃたんでしょう……?」
「さっきまでここにいたはずなのにねえ……」
「あの子も気ままよねえ……」
「ちょっと探してこようかな。もうすぐ帰ってくるかもしれないし」
「あっ、はい! えっとですね、それは……」
「ちょっと待ったぁー!」
「!?」
「こら、そこの男どもぉ! さっきから何をコソコソしてんのよ?」
「い、いえ別にコソコソなんてしてませんけど……」
「ウソおっしゃい! あんたらの顔つきを見てればわかるわ。さてはこの子を狙ってるんでしょ?」
「狙うとかそういうことじゃなくて……」
「はいはい、言い訳なんか聞きたくないね。もう遅いよ、全部終わったことさ。それにあんたが何を言ったところで、結局それは単なる言い逃れにしか聞こえないしねぇ。だから、あたしゃそういうのが一番嫌いだし許せないんだよ! だいたいねぇ……」
「……」
「あーうるさいなぁ、黙っててくれないかい?」
「……」
「ったく、いちいちしつこいねえ!」
「……」
「ああわかったから! ちょっと待っとくれってば!!」
「……」
「ええい、わあったよ!! わかりましたよ!! こっちだって好きでこんなことやってんじゃないんですよ! はいはい、やりゃあいいんでしょう!? ちくしょうめ!」
「……」
「あぁ、なんということでしょう! この世の終わりよ!」
「それは大変ですね」
「あら、アナタはどうしてここに?」
「いえ、少しばかり用がありまして……」
「ふぅん……
まあいいわ。
それよりも大変なのよ。
お父様ったら、また新しい女の子を連れてきて……
もう、これで三人目なのよ!? しかもみんな違うタイプで……
今度はどんな子が来るのかしら……
ねぇ、あの子はどうだったかしら? ほら、この間まで一緒に住んでいたっていう……
そういえば最近、顔を見ていないわね」
「えぇ、彼女のことですか」
「そうよ。
とても可愛らしい子でね。
それに、とても聞き分けの良い娘さんで、 本当に助かったのよね~」
「彼女はどうなったんですか?」
「さぁ、知らないわ。
いつの間にかいなくなっていたから」
「そうなんですか」
「それより聞いてちょうだい。
お母さまったら、ひどいのよ。
わたしのことを疑っているみたいで……
ちょっと目を離すとすぐコレだからって……
こんなにも可愛い