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リビングの明かりの下で、亮は〇〇の手をぎゅっと握りしめた。
さっきまでの冷たい態度が嘘のように、その瞳は必死だった。
「今日の俺……ほんと最低だった。〇〇が楽しそうにしてるの、嬉しいはずなのに……俺、自分でも分かんないくらい嫉妬してた」
〇〇は静かに首を横に振る。
「……私ね、亮さんがそう思っちゃうくらい大事にされてるんだなって……ちょっと嬉しかったよ」
その言葉に、亮の胸の奥が熱くなる。
気づけば強く抱きしめていた。
「……もう、手放せない。お前が笑ってるの、全部俺の隣で見たい」
〇〇の頬に触れて、そのまま唇を重ねる。
最初は優しく。けれど抑えきれずに深く求めるように変わっていく。
「……亮さん……」
亮は名前を呼ばれるたび、理性が揺らいでいく。
亮に抱きしめられて、〇〇の背中がソファに沈む。
頭上から見下ろす彼の顔は赤くて、でも瞳は真っ直ぐ。
「……俺、ほんとにお前が大事なんだ」
低い声で囁かれて、心臓が跳ねる。
唇が重なるたびに熱が増して、ぎこちなく互いの呼吸が混ざる。
亮は頬をなぞる指を震わせながら、何度も口づけを落とした。
「……大丈夫?」
「……うん。亮さんとなら……」
答えると、彼の目がほんの一瞬潤んで、次の瞬間、強く抱きしめられた。
胸に耳を押し当てると、ドクドクと早鐘のように鳴っている心臓。
「……俺ばっか緊張してるみたいだな」なんて照れ笑いをするけれど、〇〇の鼓動も同じくらい速かった。
彼の手が背中を撫で、やがて服の裾を少しだけ持ち上げる。
その指先の温度に、身体がびくりと反応してしまう。
「……ごめん、怖い?」
「……ううん。……亮さんだから」
そう言うと、彼は安心したように微笑み、額を合わせて深く息を吐いた。
「……〇〇……愛してる」
その言葉と同時に、二人は一線を越えた。
ぎこちない動作に何度も笑ってしまったり、恥ずかしさに顔を隠したり。
それでも、彼の手も声も全部が優しくて、安心できて、気づけば涙がにじんでいた。
「……痛かった?」と慌てる亮の顔を見て、首を横に振る。
「……違うの、嬉しくて……幸せすぎて」
その言葉に、彼もまた泣きそうなほど優しい笑みを浮かべ、何度も何度もキスを重ねた。
――夜が明ける頃には、二人はソファで寄り添い合い、温もりに包まれて眠っていた。
第8話
〜完〜