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俺は今、高3になった
今やもう誰もあの事件を覚えていない
……覚えているのは俺だけ、だろうか
あの日、なぜ死んだかを毎日、計算して考えている
何回も計算しても、式を解き直しても、式を組み直しても。
答えがいつも見つからない
いっそやめてしまおうかと、何度思ったことか……
俺:……あぁクソ!なにやってもうまくいかない……
母:ねぇ、ちょっと……大丈夫?w
母が苦笑いをしながら、ドアをコンコンと2回、叩いてきた
俺:今は黙ってて
母:……
出ていった
追い出すのは慣れた、簡単だ
俺:……1……6×8…8……
あー、もう
計算、式……式、=(イコール)……いつになっても答えが見つからない
そもそもこんなことする必要あるのか?
あの日彼女が死んだ事を今誰も覚えていないし、こんなことする必要なんてないよな
あーそうだ、俺はただ理系オタクになっただけか……はは……
……いや、本気で探そう……そうやった方が楽しい……
楽しい、か、もうそんな感情に変わってしまったのな
自分に呆れた。悲しいという感情は最早ないに等しい。
次の日、学校に行ってからわかった
皆があの事件を噂していた。
「ねぇ、あの子死んだんだって?かわいそ」
「なんか……笑えるね…ww」
……なんて酷い、まるで悪夢みたいだ
もし本当に悪夢だったら……俺も飛び降りようかな、ははは
はっ、と目が覚めた
どうやら悪夢だったらしい。
時間は7時24分
日にちは……7月24日
夏休み初日、か……
俺は外を見た
なんだか、全てがわかった気がする
”7月24日、彼女が 豁サ繧薙□ 日。その日は入道雲が出ていた”
その次の日、俺は飛び降りた
何よりも、誰よりも幸せだった