命日

愛してる

人生で初めて言われた

愛してる

という言葉は

とても優しいトーンだった、

それから愛してると言われると

あの声を思い出す、

あの子はあの日が命日だったらしい。

家に帰ると

体調が悪くなり

突然倒れてしまったんだとか、

自分が知ったのは後日

友達に伝えられた

すぐに病院に向かった、

自分が病室に付いたときには

その子の両親が居て

軽く挨拶したあとに出ていった、

その日から毎日病院に通った。

でも駄目だったみたい、、、

生まれつき体が弱かった

そのせいか、命日があった。

それはそう遠くは無かった、

でも死ねなかった、

理由があるから

自分には大切な人が居たから

その子よりも先に逝くなんて、

でもそんな簡単な話ではなかった、、

自分はただ、悪くなる一方、

だからあの子はくれたんだ

命に変えた人生を、

だから雨の降った病室で、

もう人生で

きっとあの子は聞けないであろう

言葉を、

愛してる