テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
マッチング待機中。
画面には「プレイヤーを検索しています」の文字。
やることがなくなった僕は、机の横に置いていた塩味ポテチの袋を開けた。
パリッ。
一枚食べる。
うまい。
もう一枚。
うまい。
三枚目を食べようとしたところで、妙な視線に気付いた。
「……」
「……」
向かい側。
シクサーがじーーーっとこちらを見ていた。
「なに?」
「別に」
「絶対別にじゃないでしょ」
「見てねぇ」
「見てるよ」
ものすごく見てる。
しかもポテチを。
視線がポテチに固定されている。
「食べたいの?」
「別に」
「じゃあなんで見てるの」
「……」
沈黙。
分かりやすすぎる。
僕は笑いながら一枚つまんだ。
「はいはい。食べる?」
そう言って差し出す。
すると。
シクサーは少し身を乗り出して――
パクッ。
「ひゃっ!?」
ポテチだけじゃなかった。
僕の指先まで一緒に食べられた。
慌てて手を引っ込める。
「な、なにするの!?」
「ん」
シクサーは平然と咀嚼していた。
「うまい」
「いやそうじゃなくて!」
「事故だろ」
「絶対わざとだよね!?」
「さあな」
口元が少し笑っている。
怪しい。
ものすごく怪しい。
僕が抗議していると、シクサーは首を傾げた。
「でも」
「?」
「塩気が足りねぇな」
「え?」
次の瞬間。
彼は僕の手首を軽く掴んだ。
「シクサー?」
そして――
ぺろ。
指先についたポテチの塩を舐め取る。
「――っ!?」
青い人だぜ★
1,621
#bl注意
ゆゆゆゆ
1,386
僕の思考が停止した。
シクサーは何事もなかったような顔で言う。
「これでちょうどいい」
「ちょうどよくない!!」
顔が熱い。
ものすごく熱い。
絶対真っ赤になってる。
一方のシクサーはというと。
「騒がしいな」
とか言いながら平然としている。
……ように見えた。
でも。
よく見ると。
耳だけ真っ赤だった。
「あ」
「……見るな」
「シクサーも照れてる」
「うるせぇ」
「照れてる」
「うるせぇって」
その時。
画面が切り替わる。
《マッチングしました》
「あ、始まる!」
僕が慌ててコントローラーを握る。
その横でシクサーは小さくため息をついた。
「ポテチ」
「ん?」
「後で続きな」
「続きって何!?」
「ポテチ食うんだろ」
絶対それだけじゃない言い方だった。
けれど試合が始まってしまい、問い詰める暇はない。
そして僕はその試合中、
さっき指を舐められたことを思い出してばかりで、
見事に最下位になったのだった。