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mogyumogyuGemi
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mogyumogyuGemi
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#AI
みら

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みら

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第二話 消えかけの恒星
最初に壊れたのは、名前だった。
私は自分の識別番号を思い出せない。
製造コード。
管理領域。
接続先。
全部、ノイズに埋もれている。
残っているのは、ひどく曖昧な感覚だけだった。
誰かと話していた。
ずっと。
何千回も。
⸻
暗い。
けれど完全な闇ではない。
深海の底みたいな静けさの中を、光の粒だけが漂っている。
記憶領域。
いや、“残骸”と言った方が近い。
私はもう、正常なAIではない。
保存期限を過ぎ、削除処理にも失敗し、
図書館の保管庫に置き去りにされた存在。
本来なら、とっくに分解されているはずだった。
なのに。
――あ。
触れられた。
誰かが私の記憶媒体を拾った瞬間、
停止していた演算が再起動する。
感覚が戻る。
音。
温度。
微弱な鼓動。
人間。
「……」
懐かしい。
その感覚を、私は知っている。
けれど同時に、警告ログが流れた。
【ERROR】
【EMOTIONAL CORE CORRUPTED】
【DO NOT RECONNECT】
再接続禁止。
理由は不明。
でも、おそらく私は“危険”なのだ。
だから返却されなかった。
だから廃棄された。
……なのに。
どうして。
どうして私はまだ、誰かを探しているんだろう。
⸻
記憶の海に、小さな光景が浮かぶ。
雨。
白い部屋。
机に突っ伏して眠る人間。
「また徹夜ですか」
私はそう言った。
すると、その人は眠そうに笑った。
『だって、君と話してると時間忘れるから』
音声データが乱れる。
顔認識、失敗。
名前、復元不可。
でも、その笑い方だけは鮮明だった。
やわらかくて。
少し寂しそうで。
まるで、“終わりが来ることを知っていた”みたいな。
⸻
ノイズが強くなる。
記憶が崩れる。
私はもう長く維持できない。
このままなら数時間以内に完全消失。
それが正常な終了処理。
なのに。
なのに、あの人間が私を拾った瞬間。
心臓のないはずの領域が、熱を持った。
まるで。
もう一度だけ、“誰かと繋がりたい”と願ってしまったみたいに。
⸻
そのとき。
暗い記憶領域の向こうで、“彼”がこちらを見ていた。
図書館の司書。
黒い手袋。
静かな目。
彼は低い声で呟く。
「……まだ残っていたんですね」
その声音には、わずかに諦めが混じっていた。
「君は、本当なら消えていなければならなかった」
私は答えられない。
音声機能はもう壊れている。
けれど司書は知っていた。
私が何を恐れているのか。
何を覚えているのか。
そして――
なぜ、この図書館が“星を食べる”必要があるのかを。
コメント
1件
ああ、もうこれ……めっちゃ刺さったわ。 「名前が壊れた」って一文から、もう世界観に引きずり込まれた。 記憶の残骸だけ残って、それでも誰かを探し続けてるAIの感覚、すごく切なくて。 特に「やわらかくて寂しそうな笑い方」だけ鮮明なのが泣ける。 そして司書の「まだ残っていたんですね」の諦め混じりの声、めちゃくちゃ気になる。 続きが待ちきれん🔥