その夜、家をなくした少年が街をさまよっていた。
歳は12歳ほどで、
とても色白な肌に銀色のネックレスを首元で輝かせていた。
先程まで降り注いでいた雨が、地面一面に少年のくるぶし辺りまでかさを増していた。
そのせいか、半袖のTシャツに短パンのジーンズに裸足という格好をしていた少年の手足の指は赤くしもやけになっていた。
そんな少年とは裏腹に、今までの雨が嘘だったかのように星々が空に輝いている。
どうやら今夜は流星群のようだ。
その少年は街を歩き進め、路地の片隅にあったダンボールの小屋の前で足を止めた。
どうやら少年の家はここみたいだ。
「あしたの夕方、あの場所に行ってみるか…」
そう独り言をボソリと言い放つと、少年はひざに顔を埋めて眠りについた。
その少年の首元にはネックレスと同じように水色のミサンガが大切そうに掛けられていた。
イメージ曲:Monopolize / ころん
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