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翌朝。 僕はキッチンで、フライパンの火加減と格闘していた。
「火加減は弱火。表面が白くなってきたら、ほんの少しだけ水を差して蒸らす。……これで完璧な半熟が――」
スマホを片手に真剣に手順を確認していた僕の背中に、柔らかな重みが重なった。
寝起き特有の少し掠れた、甘えるような声。 首筋に唇が触れ、吐息が直接肌に吹きかけられる。
「……陽一さん、充電させて……」
「し、白石さん。今火を使ってて危ないから……っ……あ」
「ふふっ、隙あり♡」
僕の制止も聞かず、彼女の細い腕が腰に回る。 そのまま指先がパジャマの裾からするりと滑り込み、僕の肌をなぞるように、ゆっくりと這い上がってきた。
「やめっ……」
抗おうとする言葉とは裏腹に、彼女の指先が、いたずらに触れる。触れられた場所が途端に熱を帯びていった。
「ちょっ、白石さん、そこは……っ!」
「あ、すごい。……ふふっ、朝から元気♡」
彼女は僕の反応を手のひらで確かめ、さらに追い打ちをかけて耳たぶを甘噛みした。
篠原愛紀
#独占欲