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のろいおに rdpn
校門に立ち、元気に挨拶をしてくる子供たちに対して自身はいつものようやる気のない声で挨拶を返す。
今日は面倒なことに挨拶当番になり顔色は変わっていないながらも気分はいつもより落ちている。
相変わらずの調子で挨拶を続けていれば登校してきた桃瀬に挨拶ついでに
「今日も変わらず陰鬱な顔してはりますなぁ、先生」
なんて言われる始末である。うるせぇ
さて、そんな怠慢気味な教師が10分もその場に突っ立てって挨拶を続けていればそりゃあ飽きるもので、目線は既に子供たちではなく全く別のものへと向いている。
電線にとまる鳥、まばらに咲く低木の花、そうぱっと目に入ったものを見ていれば視界の端に見覚えのある黄色が映る。そちらを見てみればやはり想像していた人物、天乃がいた。 ちょうど見つけたタイミングで相手もこちらを向きバチッと目が合う。ボーッとしたまま其方を見ていれば、ぱあっと効果音がつきそうな程の満面の笑みを浮かべブンブンと手を振る。大人になったくせにまるで子供の様な仕草につい、口角を上げる。軽く手を振り返してやれば先程よりも笑みを深める。恐らく職場に向かっていただろう天乃は手を振りながら進行方向へ消えてしまった。緩みきってしまった頬を隠す為に天乃に降っていた手をそのまま手元に運ぶ。完全に浮かれきってしまったからか鳥井にうわっ、猿がめっちゃニヤニヤしとる、キモー。と言われても全く気にならなかった。それほどに今の情景を噛み締めていた。あー、かわい