テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
番外編47『鍛錬をサボる執事に私を捕まえたら何でもしてあげると言ったら鬼ごっこする事になった』前編
※タイトル長ぇな
春の暖かい日の事。
『お前達!今日こそ鍛錬してもらうからな!』
((またか……。))
食堂で朝食を妹と取っていたら、ハウレスの怒号が響いた。
『おやおや、またですか。』
『ハウレスも大変だね。』
庭にて。
『アモン、ボスキ、ラムリ、ハナマルさん。
春になって暖かくなってきたんだ。寒さは理由にならない。』
『ケッ。1番寒がりが何言ってんだ。』
『いや〜暖かい日こそこうして寝るのがいいんだよなぁ。』
『そーそー。ハウさんも寝っ転がりなよ、気持ちいいよ?』
『俺は言われてやるタイプじゃないんで気分が乗ったらやるっす。』
『お前らなぁ……。よし、分かった。お前達に鍛練する気がないのはな。』
俺は剣を抜く。
『強制的にその気にさせてやる。』
『え、ちょ、ハウレス?』
『は、ハウさん?』
『お、落ち着くっす!』
『ふん、だりぃ……。』
『逃げるなお前達ー!!』
『『『うわぁぁぁ!』』』
『全く…。あの4人は……。』
『お姉ちゃんどうしよっか。』
『ハウレスの為にも主として私達が止めなきゃね。とっておきの案があるわ。百合菜。行くわよ。』
『うん!』
私達は庭に向かう。
『そこまでよ。』
『あ、主様!?』
『4人ともそんなに鍛錬がしたくないの?』
『そりゃぁまぁ…。』
『じゃあやる気が出るようにしてあげるわ。』
『え?』
『私と百合菜。2人とも捕まえられたらご褒美に何でもしてあげる。』
『『『『ピシャー(‘ω’)ーン!!』』』』
4人はなにかのスイッチが入ったように固まる。
数時間後――。
『……あの、1ついいかしら。』
私と百合菜は動きやすい服に着替えてきた。
『私は4人に言ったつもりなのになんで他の執事も来てるの?』
『鬼ごっこも鍛練になると思いまして。』
『主様を追いかけるなんて執事として気が引けますが楽しそうですから。』
『ベリアン…貴方が1番止めてくれると思ってたわ。ルカス、貴方は汗をかくのが嫌なはずよ。』
『主様を追いかける機会なんてありませんからね。ふふ、楽しみです。』
『はぁ……。』
みんなはいつもの服に着替えてストレッチをしている。
『あくまでこれは鍛練を怠けてる執事の為なのよ。まぁ参加する分には構わないけど……。』
『これも鍛錬の一貫ですから。』
『それをいえば私が納得すると思わないことよ。』
『まぁまぁお姉ちゃん。楽しそうだしいいじゃん。』
百合菜は私の腕に絡む。
『百合菜…まぁ、貴方が楽しそうならそれで…。』
(チョロいな、主様は。)
(妹には頭が上がらないんすね。)
『じゃあルール説明からするわね。
敷地はこのデビルズパレス敷地内。裏山もありにするわ。隠れるのも逃げるのも私達の自由。百合菜と私を2人とも捕まえないとご褒美はなしよ。制限時間は60分。ちゃんとタッチしないと捕まえたことにならないわ。』
『なるほど、デビルズパレスの中も自由に走り回っていいんだな。』
『えぇ。』
『主様!僕はどっち側につけば…』
『うーん、ムーも一応執事だし…お姉ちゃんどうする?』
『ムーはもちろん私達側よ。ムーは私達のサポートをお願いするわ。』
『分かりました!』
『じゃあ、私達は逃げるわね。1分数えたら追いかけて来て。』
『かしこまりました。』
『百合菜、行くわよ。』
『うん!』
私達はその場から離れる。
1分後――。
『さて、主様達を追いかけに行きますか。』
『まずは作戦立てようぜ〜主様達は逃げてるか隠れてるかどっちかだな。』
『麻里衣様の方が体力はあります。つまり、百合菜様を逃がす為に百合菜様は隠れてて、麻里衣様は外にいる可能性があります。』
『そうっすね、そう考えるのが妥当っす。それじゃあ中と外で別れるっすか。』
『早く捕まえてご褒美貰おうぜ〜。』
一方その頃――。
『……足音が聞こえてきた。でもこの作戦ならいけるわ。あの子には屋敷で隠れてもらって私が仮に捕まっても百合菜が見つからなければ私達の勝ちね。』
私は裏山を散策していた。
『まさかこんな総力戦になるとは思わなかったけど…。それにしても…ご褒美として何でもしてあげるって言ったけどもし負けたらって想像したら……恐ろしいわ。何をされるか……。』
と、その時だった。
『やっぱり外にいましたか。』
『っ!』
後ろからルカスの声が聞こえた。
後ろを振り返るとみんなが私を見つめている。
『私達の作戦を見抜いたのね。百合菜は隠れてて私が逃げてるって。流石ね。ルカス。』
『流石に多勢に無勢で気が引けますがこれも勝負のうちです。観念してください、主様。』
ジリジリと迫ってくる。
『っ…。』
私は近くの気に飛び乗る。
『なっ!』
『私が運動神経いい事忘れたかしら。これくらいの木なら登れるわ。さぁ、追いかけて来なさい。』
私は木と木を伝って逃げた。
『主様はあんなことまで出来んのかよ……。』
『流石ですね…簡単には捕まらないと。いいでしょう。私達も本気を出しますか。』
一方その頃――。
『お姉ちゃんは無事逃げてるかな…。私が隠れてればお姉ちゃんは捕まらないって言ってたけど……。いくらお姉ちゃんでもあの人数に追われたら…。』
私は別邸の倉庫に隠れていた。
『それにしてもご褒美か…。何でもしてあげるって言った手前もし捕まったらと想像したら……怖いな。』
※流石姉妹。
『でも、楽しいかも…。お姉ちゃんとこうして一緒に遊べるの。ふふっ。』
と、その時――。
コツコツと足音が聞こえた。
『!誰か来た……どうしよう。』
コツコツ……。
『別邸1階にはいなかったな…となると、別邸2階の部屋か……この倉庫。どちらかだな。』
『主様〜もう逃げられねぇんじゃないのか?大人しく出てこいよ。』
※脅してる?w
『この声はバスティンとボスキ…。』
バタンッ。
『別邸2階の部屋に入った…今なら出てもすぐに外に出れば間に合う…。よし。』
私は音を立てずに倉庫から出る。
ガチャっ!
別邸2階の扉が開く。
『おっと。主様、倉庫にいたのか。』
『ぼ、ボスキ…っ。』
『2分の1だったな。まぁもう逃げられねえけど。』
『っ……。』
私は一か八か階段を降りる。
『ふっ。追うぞ、バスティン。』
『あぁ。』
『はぁ、はぁ…っ。』
(危なかった…。あれ、でも追ってこない。
ボスキ達ならすぐに私に追いつくと思ったのに…。)
私は後ろを振り返る。
『もしかして、巻いた?』
と、その時――。
バサッ!
ガシッ!×2
『えっ?』
木の上から2人の手が出てきた。
『主様、見つけました。』
『油断しましたね?( *¯ ꒳¯*)フフン』
『ら、ラムリ!ラト!』
庭に生えていた木の上にラトとラムリが潜んでいたようだ。
『お、捕まえたか。ラムリ。ラト。』
『えぇ。ふふ、これで麻里衣様を捕まえれば私達の勝ちです。』
『ボスキは私が2人に捕まると分かってて追わなかったのか……。』
『俺は無駄な体力は使わない主義なんだ。効率よく捕まえた方がいいだろ?』
ボスキはニヤリと笑う。
『っ…。』
『制限時間は残り30分…半分も残したな。
後は麻里衣が捕まれば俺達の完全勝利だ。』
『ふむ…いくら麻里衣様でもこの人数に追われたら逃げられないだろう。』
『まぁ、俺達は百合菜を見つけたことだし休憩しようぜ。殆どご褒美は確定したしな。』
(ごめんお姉ちゃん、後は頑張って…っ。)
後編へ続く!
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!