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いつの間にか寝てしまい、朝を迎えた。

そういえば昨晩はスコルと一緒に寝ていたような気が……。うん、夢じゃないね。俺の隣にはスコルがいた。既に起きていたようで、俺をじっと見つめていた。


「お、おはよう。スコル」

「おはようございます、ラスティさん」

「ずっと俺を見ていたのか」

「は、はい……。だって、ラスティさんの寝顔可愛いんですもん」


そんな事、初めて言われた。

なんか照れ臭いな。

いかんいかん、頭がポワポワして処理が追い付かん。このままではダメ人間になってしまいそうだ。



「とりあえず朝食にしよう。それから……む」

「怖い顔をされてどうしたんですか?」

「いや、その違和感を感じたんだ。これは侵入者の気配だ」


「え……」



前にもあった。

あれはヨハネスがこの島にやって来た時だ。ハヴァマール曰く、俺にはそういう感知能力が備わっているらしい。これは確かだ。



急いで部屋を出ると、アルフレッドが険しい表情で立っていた。



「おはようございます、ラスティ様。さっそくですが、不穏な気配が漂っております。恐らくは侵入者でしょう」



アルフレッドの聖騎士としての勘だろう。なら、それは正しい。



「アルフレッド、いざとなったらスコルを頼む」

「うけたまわりです。しかし、ラスティ様を守護するのが、私の使命でもあります。その事は、どうか心の隅に留めておいて下さい」


分かっている。

もう付き合いも十年以上と長いし、アルフレッドが言いたい事も分かる。だが、常に不測の事態に備えねばならない。島の主としてな。



一階へ降り、ハヴァマールに遭遇。

俺は小脇に抱えた。


「にゃ!? 兄上、いきなり、なにををを……!」

「ここは危険かもしれん」

「あー…侵入者か。どうせ、前の聖騎士であろう。ちょくちょく戻って来ているようだし、ていうか、昨晩も兄上が撃退していたではないか」


「はぁ? 俺が撃退?」



なんの事だ。昨晩といえば『サンダーブレイク』と『黄金の箒』の試し打ちくらいだ。まるで覚えがない。



「まあええ。で、浜辺に向かうのだな」

「ああ、全員で向かう。……あ、ストレルカは船だから大丈夫かな」

「心配なら余が見に行こうか」


どうするべきか悩んでいると、玄関が開いた。


「失礼をお詫びして入りますわ!」

「ス、ストレルカ! どうした」

「大変です! この島に『ドヴォルザーク帝国』の戦艦が攻めて来ました……あれは、恐らく『レオポルト騎士団』かと思われます」



ついに来たか、レオポルト騎士団。恐らく、船にいるのは騎士団長だ。それとも副団長か。どちらにせよ、脅威でしかない。


このまま何もせずにいれば、俺たちはやられる。……下手すりゃ、無人島生活もこれまでか。なら、腹を決めないとな。



「ストレルカ、頼みがある」

「は、はい、なんでしょう」


「スコルとハヴァマールを頼む。俺とアルフレッドで迎え撃つから」



そう言うと、二人とも拒否した。



「嫌です。わたしも戦います」

「余もスコルに賛成だ。敵に背を向けるなど、敗北と同義。この島をみんなの力を合わせて守らねば」



真剣な眼差しに俺は、弱気になっていた気持ちが一転した。そうだな、そうだった。今こそ力を合わせる時じゃないか。


無人島開発スキルを、仲間を信じろ――。

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