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上野文
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#異類婚姻譚
和泉
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#聖女
桜井正宗@オートスキル1巻発売
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#えっち要素有
y𓂂𓏸 @🍓🫧
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483
額に十字傷を刻まれた少年、出雲桃太は、担任教師の矢上遥花をみっちりと包囲して口説く三〇名のふんどし男のうち、最前列で胸に触れようとした不届き者に背後から組みつき、米俵をかつぐように持ち上げて川の中へドボンと投げ入れた。
「あ、あいつ空を飛んで、ここまできやがった?」
「着地と同時に投げ技を決めるとか、いったいどんな足腰しているんだ?」
「詠様ならともかく、男がとんでも嬉しくない」
元勇者パーティ〝K・A・N〟の中年男達はどよめきつつも、自らの恋路を邪魔する憎らしい小僧を睨みつけた。
「出雲桃太か。冒険者パーティ〝W・A〟代表といえど、子供が大人の恋愛に口を挟むな」
「俺は子供だが生徒だ。だから、遥花先生を大切に思っている!」
「え、はうっ!?」
桃太は、相対した元勇者パーティ〝K・A・N〟の中年男達に罵声を浴びせられつつも、栗色の髪に隠れた顔を真っ赤に染めた遥花ををかばうように抱き寄せた。
「矢上さんは社会人だ。青二才は、ふさわしくない!」
「鬼神具もない半人前の冒険者が、イキがるんじゃない」
「布団投げでボコボコにされた程度のガキが!」
桃太は自らを囲んだ男達が制圧しようと四方八方から押し寄せ、六〇に及ぶ拳や平手でかわるがわる打ち据えられたものの、白黒のビキニを着た無防備な遥花を庇い、巌《いわお》のごとく泰然と受け止めた。
「やられるばかりじゃないぞ。吸血竜ドラゴンヴァンプとの戦いのあと、多数戦を想定して編み出した技を見せてやる。我流・剣鈴」
桃太は叫ぶや否や、川原の砂利を裸足で蹴飛ばしながら踏み込み、男達の眼前へ両手を伸ばして柏手をうった。
「「相撲のねこだましだと、そんなものでっ。うわああ!?」」
桃太が放った技、〝我流・剣鈴〟は、当然ながらただのねこだましではない。
桃太は得意の衝撃波を音に乗せて鼻先で浴びせることで、包囲網を構成するふんどし男達の三半規管をおおいに揺らした。
「「くっそ、数はこっちが多いんだ。〝影の使役術〟でたんじまえ」」
「「〝傲慢の剣〟よ、血をくらえ!」」
「「〝強欲の槍〟よ。血をすすれ!」
遥花の水に濡れた肢体があまりに魅力的だったからか、逮捕されたテロリスト達は諦めることなく、影の剣や槍を召喚して、桃太と彼が背後に庇う遥花に向けて再び手を伸ばす。
「「ガキが大人と恋愛しようなんて早いわっ!」」
「愛があれば年齢など関係ないだろう? 撃たれる拳が多いなら、こちらも受け止める数を増やすまでっ。鬼術・水分身」
桃太は自身に向かって船幽霊のごとく伸びる手と影の武器に対し、砂利が爆ぜて足元を流れこんできた川の湯水を使い、数十体もの分身を囮として呼び出した。
「くらえ、紗雨ちゃん直伝の投げ技だっ!」
「「うわああ、こいつ強ええ」」
そうしてベテラン冒険者達が分身術に戸惑い、どれが本物か迷った瞬間。桃太は彼らの腕をからめとり、肩を掴み、脇に肩を入れて、水柱を伴う一本背負いや四方投げで川の中へと投げ入れた。
コメント
1件
ああ、第483話、読了しました。「痴漢退治」というタイトルからして、もう最初から熱い展開でしたね。遥花先生を守る桃太の覚悟、ふんどし男たちへの投げ技の数々…特に「我流・剣鈴」で三半規管を揺らす発想が面白かったです。しれっと出てくる鬼術・水分身も、設定の積み重ねを感じさせて良い。長編ならではの、過去の戦いの蓄積が技になって現れる感じが好きです。紗雨ちゃん直伝の投げ技にもニヤリとしました。