『屋上で____』
「はい__」
冬の冷たい風が吹きつづける
「ぅー、さむ…」
「なんですか話って」
「なんでよりによって屋上で…」
防寒着に顔を埋める
耳が痛い
『……』
目を見開いてこっちを見る
「……何ですか…?」
マフラーで声が篭もる
『あ、いや…別にぃ…?』
そっかこの人寒さとか感じ無いから
何も考えず真冬に屋上で…
ばっかじゃないの…笑
「で、何するんですか…するなら早く…」
『えーっと…』
パシっと手を取る
「冷たっ……」
『あ、そっか。』
「…はぁ、?」
何がしたいの…
「何がしたいんですか…」
『好きになってもらうため?』
「はい?好感度爆下がりですが」
『えっ、』
「そりゃ寒いし、…」
『恋愛漫画真似たんだけどなぁ~……』
『人間分かんね~』
「鬼わかんね~……」
クスッと笑う
「ぷっ笑」
「それに恋愛漫画では
夏とかに屋上で告白ですよ笑」
『んぇ~?そうだっけ、?』
別にどっちでも良くなーい?
とか思ってんだろうな
『ん。』
「ん?」
手を広げている
「げ……。」
「嫌ですよ学校ですし」
『学校じゃなきゃ良い?』
「……別にこれぐらいならいいですけど」
『も~可愛い』
「まあせめてrdさんが」
「暖かかったら素直に受け入れましたけどね」
『まったくアオイは落ちないね』
「落ちる気配ないですね」
『だったら妖怪式でいくから』
ふわっと笑い手を掴む
「ぇ、ちょ…ちょっと……!」
走って学校を出る
「ッは…はやッ…」
息を切らしながらしゃべる
「なんで走…って……」
『お姫様抱っこでも良かったけど嫌でしょ?』
「嫌」
「てかpnに何も伝えずに帰ってますって…!!」
『いいよ別に』
「ど、どこ向かってるんですか…」
手を離さずギュッと握って歩く
『公園』
公園にいい思い出ないんだよなぁ…。
『妖怪にはね、冬祭りってのがあって』
『妖怪の恋愛漫画では
そこでよくドキドキシーンが来るから』
「ど、ドキドキ…笑」
クスッと笑う
『だから俺達もそこで“デート”する』
立ち止まって目を合わせて
『アオイは人間の恋愛漫画じゃ』
『ドキドキしないみたいだからね』
「ふッ笑、はいはい」
なんだかんだ言って
毎回ついて行っちゃうんだよな