テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
拳銃のマズル部分で胸部装甲をカンカン、と叩く。
「既に気付いているだろうが、機甲は特別製だ。 そこらの特殊部隊に支給されている防弾ベストなどといった脆弱な個人用防護装備ではない。 前人未到の硬度と軽量化を実現させた一千層の特殊装甲を持つ軍用多層強化外骨格。 数十万回の耐熱耐冷、耐衝撃、144種類のテストをクリアし、宇宙空間での戦略的活動すら想定した極環境対応機甲『Garland』。 これを……、お前なら溶かせると?」
「ええ、実体さえあればどんな物でも溶かす。 それが私の権能『存在隠滅』ですからねエ。 接触物を一瞬にして溶解させる不治癒の濃強酸。 溶けたモノの認知を、有象無象から消し去るほどの猛毒ですからア」
「よろしい。 お前に逃げ遂せる好機を与えてやる」
強酸のドームの前で立ち止まる。
そして7thは両手を広げて、
「さあ、私に撃ってみろ。 お前の『存在隠滅』の奔流を。 最高濃度の猛毒を! 私を殺してみせろ!」
「……特務課というのは物狂の集まりなのですか? 自ら死を望むなど……、まあ良いでしょう、こちらとしては好都合です。 望み通り、その存在ごと消してやりますよオオ!」
リッチーは水鉄砲を二丁とも重ねて、毒液を高圧で噴射した。
二本の水圧カッターが、7thの左足から頭部にかけて勢いよく切り上げられる。
瞬間的・局所的な衝撃が一瞬で機械仕掛けの体躯を縦断する。
貫通こそしなかったものの、建物を破壊するほどの高圧放射には耐えられず、人類叡智を結晶は大きな裂傷を受け、数メートルほど跳ね上げられる。
がしゃり、なんて擬音では表現出来ない、全音符のクラクションのような不時着音が辺りに響いた。
「ゴミ処理屋と名乗ったばかりだというのに、掃除人がゴミ屑を出しては元も子もありませんねエ。 噂の特務課もこの程度ですか、まだまだ私たちの平穏は安泰ですなア」
「…………それはどうかな」
音割れした電子音声。
黒緑に溶ける装甲の裂傷。
液晶漏れのような黒ずみを浮かべるバイザーの右半分と、辛うじてエラーコードを表示し続ける左半分。
#異能力
ここと🌹🫶 @低浮
2,834
#異能力バトル
名無の男2
207
412

2,612
7thは半死半生のまま、腰のジェットの反動を使って一瞬で起き上がった。
「…………期待外れだ。 いや、期待など初めからしていない。 ただ好奇心に身を任せただけだ」
「今のが直撃しても立っていられるとは。 生憎、私も人型ロボットを溶かしたことはないですから、力加減が分からなくてねエ。 今度こそ葬ってやりますよオ」
「いいや、もう充分だ。 お前では私の魂までを溶かすことは叶わない」
緑色の樹液のような液体が垂れ流れる。
そしてジュクジュクと泡立つ毒液と共に、顔面の左半分の装甲が溶けて落ちた。
「……なんということでしょう、私は貴方を人型ロボットなどと勝手に呼んでいましたが……、それは中に人間や生き物が入って操縦しているのか、それとも遠隔で操っているのかのどちらかだと思っていました。 だからそう呼んでいたのです。 しかし、これは訂正しなければいけませんねエ」
露出した機械頭部の中身は、大量の管と回路が貼り付けられただけの黄金にコーティングされた頭蓋骨だった。
「まさかまさか、死者が機械を着ているとはア! 人造人間、いえ、人造死人! 特務課というのは相当惨い実験をしているようですね」
「……これは義骸だ。 本物の骨はベースの素材にされたあと研究に回され、骨壷には数グラムほどしか残らなかった。 だが……、今では骨も肉も関係ない。 心臓は金属だ。 自我は零と壱で構築された電気信号だ。 血液も、生活も、人権も、この機甲を獲得した時に捨ててやった。 全ては、人間のため。 人類のため。 社会のため。 後世のため。 私は正しきを執行し続ける機巧と成ったのだ!」
「ウハハハハッ! 貴方の方が私たちより相当に狂っていますよオオ! ですがね、ひとつ聞きたい。 そんな狂乱者がどうして死にたがるのです? 私の『存在隠滅』を避けなかった理由をお聞かせ願いたい」
「……話しても、きっとお前には分からんさ。 まだ『心』を持っているお前には」
「『心』?」
話は終いだ、と7th。
「先程は義骸と言ったが、これはただの装飾でも、捨て去った肉体への名残惜しさの表れでも、魂の容器といったスピリチュアルな一品でもない」
黄金の頭蓋、眼球の納まっていたはずの窪みに赤の輝きが灯る。
「この骸面は……、お前のような小汚い犯罪者を絶望させるための仮面だ」
溶ける機甲の断面から水銀に似た銀色の液体が滲み出し、頭蓋骨を守るように包み込み始める。
水銀は欠損部分を補い、筋繊維のように拡がって繋がっていく。
そして整形され、人型と成った。
「『LROLRXLR』。
私の仮面を構成するのは、
黄金の義骸とその眼窩から流れる銀の涙。
個体と液体から成る変幻自在の仮面だ」
やがて銀は形状記憶し、機械の鎧を完全に修復した。
「やはり貴方も仮面持ちでしたかア……! それにしてもイレギュラー! 肉体を捨てた人造人間にも仮面が宿るとは。 しかも仮面自体を形態変化させて汎用的に扱うなんて、とても興味深い!」
「最終警告だ、投降しろ」
「ボディを治した程度でいい気になっていらっしゃるようで。 私の圧倒的な有利という状況は依然、変わってはいないのですよオッ!?」
水鉄砲のバレルが7thに向けられる。
あとはリッチーが引き金を引けば、機甲を切り裂いたあの高圧の強酸が再び放たれることになる。
「貴方の権能、『LROLRXLR』と言いましたか? 見たところ、その力は仮面の形状を変形させて機甲の欠損を補完する能力のようですが、その力では私の攻撃を、このカプセルドームを越えることは出来ませんねエ!」
「楽観的な調子者だな。 何でも溶かすお前と、幾らでも修理して立ち上がる私。 矛と盾がぶつかった時、勝負の肝になるのは体力だろう。 人の身と機械の身、戦闘が長引けばどちらが有利かは明白だと思わないか?」
「すみませんけどねエ、私にも作戦時間というものがありますから、そこまで長引かせる気はありませんよオ! 折角です、貴方が一芸見せてくださったお返しに、私もお見せするのが筋というものでしょう!」
ガスマスクにはめ込まれたアイレンズに紅が灯る。
辺りに撒き散らされていた緑の毒液が、重量で引っ張られるようにリッチーの足元に集まっていく。
「お見せいたしましょう、私があの方にお目掛けいただけている理由を。 『少数派』の中でも超少数だけが扱える権能の終着点をオ!」
収束した毒液溜まりが飛び上がり、逆さまの滝となってリッチーを覆い隠した。
強酸は球体となり、そのまま空中へゆっくりと浮き上がっていく。
「 人間は一昼夜で多くを忘却する。
降る雨粒ひとつひとつの形状、
歪みを記憶出来ぬように、
八十億のうちの一人など、
きっと忘れたことすら忘れてしまう。
独りぼっちを変えたいのなら、
先ずは悪魔を証明してみせろ。
『孤独に傾く月蝕』」
宙に浮かぶ、深緑の溜まった紅月。
体表に大きな目玉が見開き、毒々しい液体を涙の様にどぼりどぼりと零しながら、7thを見下した。
「特権中の特権、顕現! 見上げなさいよオ、私の『BM』をオオ!!」
「……どうやら、ただの薬玉ではないらしい。 即時対応が必要と判断する」
7thの装甲接合部分に光が走る。
手甲や背部のガードがスライドし、中から銀の液体が造形しながら顔を出してきた。
それは特徴的な無骨なデザインのショットガンや小機関銃と成り、全てがリッチーの月へと向けられる。
「『WOOSAOOD』」
鎧の繋ぎに使ったように、仮面の銀が銃器やその弾に形を変えて転用される。
そして一斉に、銀色の散弾や銀の狙撃弾、銀のロケット弾までもが放たれた。
毒の満月、その一点を目指して。
しかし、肝心のダメージは皆無だった。
7thが発した全身の爆音に反して、弾丸たちは跳弾も、炸裂も、爆発四散もしない。
ただただ、月を貫通して向こうへ飛んで行ってしまった。
「……先程のように超強酸で溶かすなら分かる。 貫徹力も、火力も、爆発力も無効に出来るのだからな。 だが今のは何だ? ただ通り抜けただと?」
「ウハハハハッ! 私の『BM』を叩けば割れる菓子袋か何かと勘違いしているようですねエ! 月に手が届かないのと同様、顕現を発動した私と、私の強酸毒には本来あるはずの当たり判定がないのですよオ! まるで水面に映る様に、石を投げ入れても本物の月が砕けるなど有り得ないことですよねエ? 貴方がどれだけの銃器を、重装を、ミサイルを、核兵器だって持ち出しても、私には一切効きやしない! でも私はいつだってこの当たり判定をオンオフ出来ますからア、この月を出した時点で一方的な虐殺が確定してしまうのですよオオ!」
月の中から、水膨れだらけの爛れた両腕が飛び出してきた。
そして遅れて、腕の位置から推測するに凡そ有り得ないはずの場所から首が出てきて、ガスマスク越しに眼下を睨んだ。
「私は幼少期から記憶力がとても悪く、それが原因で友達も少なく、寂しく、惨めな思いをしましたア。 そんな寂寞の中で、私に寄り添ってくれたものは三つだけ。 空白を埋めるラジオと、夜の不安を晴らす為に必ず駆けつけてくれる月。 そして、心の拠り所となった一瓶の毒薬だけでしたア。 両親に失望しようとも、いじめっ子に脅されようとも、私はたったの一瓶で何時でもこいつらを殺せると考えると、少し心が落ち着いたのですよオ」
月は7thを見下げて下品に嗤いながら、
「しかしねエある日、私は仮面と出会った。 あの人からこの力を貰いましたア! 興奮し、辛抱たまらず、夢見事を現実にしてやりましたよオ。 そしたらどうでしょう? 私を孤独たらしめる原因は次々に溶けて消えていき、遂にこうして自由を得たのですよオオ! もう私の肩を掴み、足首を掴み、上昇を止めるものなど存在しない! 貴方たち警察や特殊部隊にも触れることの出来ない、見ることだけが許された自由ウウ! それが私です! それがア、私なのですよオオオ!!」
「……存在ごと溶かして消された被害者、未確認の未解決事件か。 道理でデータベースにお前の情報が載っていないわけだ。 新規投稿。 どうやらお前は捕まりはしないと高を括っているみたいだが、それは間違いだ。 遺体がなくとも、現場が分からずとも、お前が精神異常であろうとも、その権能が無敵級の力を持っていようとも関係ない。 私の鋼鉄で、お前の悪を制裁する」
月の中から失笑する声が零れて響く中、飛び出した銃器たちが引っ込み、仮面の銀が回収されていくにつれて7thの装甲が元に戻っていく。
「ウハハッ! それだけの強言を吐いておきながら武器を仕舞ってしまうのですかア? 次は何を見せてくれるのかと思いましたが、お手上げの様ですねエ!」
「慌てるな、調子者。 今、お前を倒すための秘策の使用許可を上層部に仰いでいるところだ」
「私を倒すウ!? 無理無理イ、私は『少数派』の中でもトップクラスの自己防衛能力を持つ無敵の掃除屋リッチー! 貴方のような高火力かつ汎用性の高い権能ですら、私を倒すことなど不可能オオオッ!」
「ほう、そうか。
権能では効力がないか。
ではお前と同じ、顕現ならどうだ?」
月の嗤いが、止まる。
辺りに静寂が訪れる。
「……今、なんと言いましたか。 顕現ですと? 貴方が扱えるというのですかア?」
「その通りだ。 私たちはこの力をMODと呼称し、『対権能用軍事戦略兵器』の応用、権能の一環として考えられていた力だったが……、お前のその毒月を見て、別の力であると確信できたよ」
「馬鹿な、有り得ません! 私の『BM』は、顕現は! 特別中の特別なのですよオ! 通常の権能とは一線を画す程の、圧倒的な能力を発揮する仮面の真の力、真の姿。 それを引き出せるのは仮面持ちの中でも極小数しかいない。 それを貴方が……、イマイチ仮面の研究も進んでいない発展途上の特務課の、ましてや人造人間なんぞが扱えるなど、有り得ないイ!」
「顕現を使用すると、どうやら姿形に変化が起きるようだな。 お前の月の様に、私のMODも同様の現象を起こすから分かる。 ……丁度、承認が下りた。 これがお前の言う力なのかどうかは、その目で確認して貰うとしよう」
内蔵の黄金の義骸から放たれた眼光が、鎧の接合部を赤く発光させる。
上半身の装甲がスライドし、胸部の中心に赤い隙間が生まれた。
そこに、巨大な単眼が見開いた。
「 荒縄に藻掻く愚かなる刑死者。
絞首台のレバーを引く汚職官。
死の絵を描いて売る画家に、
罰当たり者めと咎める前科持ち。
人は神の設えた法によって罰せられる。
では、誰が神を罰するというのか。
信心なき者にのみそれが可能なら、
鉄の心臓こそが天罰代行に相応しい。
『偶像殺しの再定義』」
直後、赤い電磁波が胸部を中心に拡がった。
それはソニックブームのような一瞬の突風と成り、毒月に衝突するに留まらず、自衛隊基地全域を包むまでに拡大した。
「なんですウ……、こ、れは……!」
どろり、と。
大粒の汗をかいた月が、溶けかけのアイスクリームを落っとした時みたいにアスファルトに墜落した。
ひしゃげた球体の中から、何が起きたのか理解出来ていない様子のリッチーが姿を現す。
「まさかっ、私の権能執行をキャンセルしたのですかア!?」
赤く輝く人型、白鉄の塊。
後ろから抱きついて、胸を護るように腕を交差させている首なしの黄金骨。
リッチーは、その姿を見て確信した。
それは仮面持ちの中でも極小数にしか扱えるはずのない力、顕現であると。
「……お前の組織にはEMP攻撃を起こし、通信機器をダウンさせる権能犯罪者がいただろう。 私のMOD、『偶像殺しの再定義』はその仮面力場バージョンだ。 お前の分かるように言い直すなら、『仮面の引力』に反応して対象の権能を強制的に再起動させる能力だ」
「権能の再起動……!?」
潰れた月の中から水鉄砲を引っ張り出すリッチー。
しかし、トリガーを引いても毒液はコップ数杯ほどしか飛び出さず、すぐに噴射は止まってしまった。
「はあアッ、何故、なぜエ!」
「熱検知カメラで確認したが、お前の強酸液は背中のタンクに溜まったものを噴射しているのではない。 その装置は抽出機だった。 お前の背の骨髄から毒液を抽出し、それを高圧で放つための噴射機だった。 権能が停止すれば、当然毒液は産出されない。 噴射が不可能となる」
「違うウ! 貴方はその能力を、再起動させる力だと言いました! どうして権能が再執行出来ないのですかア!」
「鎮静運動だ。 強制終了したコンピューターの再起動に時間がかかるように、権能を再発動させるにはしばらくの猶予が必要となる」
7thは腰に差していた拳銃を引き抜き、機械的な動作で迅速にマガジンを再装填した。
「『RE』はお前のカプセルドームも再起動させている。 先程は届かなかったはずの銃弾も、今なら届くだろう」
「殺す気ですか、この私をオ!」
「権力告知のうちに投降しておくべきだったな、薄汚い掃除屋め」
「しょ、証言が必要でしょう! それに『少数派』について知りたいことが山積みのはずです。 ここで私を殺せば、初の仮面犯罪逮捕者を挙げられるはずウ!」
「……何も知らないようだな。 矢張り、お前は『少数派』の使い走りだ。 目をかけられていると思い込んでいるだけの」
7thの銃口が、リッチーに向けられる。
「世間ではお前ら『少数派』は完全犯罪・無検挙のテロリストとされているが、実際は違う。 報道機関に秘匿されているだけで、実際は既に十名の仮面犯罪者が特務課によって拘束、処理されている。 『仮面の引力』について我々が研究しレーダー探知機を設計するに至ったのは、尋問から得た情報のお陰だ。 この程度のことであれば、テロリスト組織の上層部なら既知のはず。 お前は自分を目を掛けられた存在と言っていたが、そんな大切なことを知らされていないということは、文字通り存在感の無いただの鉄砲玉に過ぎなかったということだ」
「そんな……、有り得ない! 『少数派』は無敵の民集団、国家権力に屈することなどオオ!!」
「それと、私を殺すのかという先程の質問への回答だ。 答えは、殺す。 特務課には死体から記憶をデータとして引き抜く能力を持つ仮面所持者が所属している。 お前の権能は厄介だ、尋問室で抵抗されるよりかは、時間と手間が掛かろうと情報を引き抜いた方が確実で被害がない。 何か言い残すことはあるか?」
「……えッ、EXE様! 私は、私はもう独りではありませんン! 感謝しています! 貴方が私を駒とだと思っていたとしても、私は、それでも貴方をお慕い申しております! 私は永久の自由を獲得したのですかアアアアッ!」
乾いた銃声が連続する。
穴だらけになったリッチーの身体が、月の残骸に沈んだ。
「全弾命中、効果を確認」
「わた……、しは……。 独りじゃ…………」
「いいや、お前は独りぼっち。 ただの狂った人殺しだ」
「サイコ……! ならば、貴方もそうだ。 貴方もサイコパスだ……。 EXE様は、顕現とは強い思想、信条……、飛び抜けた異常性の表れだと……、仰っていた。 なら、貴方も……、私と同じという、ことオ」
「私とお前が同じ? この鉄の塊と、穴だらけの犯罪者が? 節穴なのはその銃創だけにしておけ」
「……いずれ、本性が顔を……、出すでしょうウ……! 嗚呼、EXE様に、『少数派』に、光射す未来あれエ!」
瀕死のリッチーは後ろの抽出機から背中に刺さっていた採取針を二本引き抜き、決意をとっくの前に決めていたと言わんばかりに思い切り眼球に突き刺し、そのままグリグリグシャグシャとほじくり回した。
多量の血液を吐き出しながらも手を止めないリッチーの腕を、7thの追加射撃が跳ね飛ばす。
ボロ雑巾のようになったリッチーの身体はピクピクと痙攣し、そのまま二度と言葉を発することはなかった。
「なんて奴だ。 自らの手で即席のロボトミー手術とは。 前頭葉から側頭葉にかけての致命的損傷、記憶を引き抜こうにも、記憶層が破損していてはどう仕様もない。 ……リッチー、覚悟と信心だけは認めよう。 また評価点が増えた」
7thが纏っていた黄金骨が背の接合部に収納されていくのと同時に、陸上自衛隊到着の無線が入る。
「ターゲットは既に死亡した。 陸自には基地の掃除を要請してくれ。 現場検査は任せて、私は帰還する。いくつか報告したい事項が出来た。 異常性の高い仮面所持者にのみ扱える第二の権能、顕現と呼ばれる拡張性について」
九月の日射しが、高熱化した7thの装甲を照らす。
「それと、過去の仮面犯罪を再調査しろ。 顕現という権能の拡張性が存在するということはつまり、これまでの常識や前提は通用しないことを意味している。 追加検証と、参考人の背面調査をやり直す必要がある」
物語は、加速を始める。
キラの知り得ぬ、様々な思惑の交差点で。
コメント
1件
うわ、めっちゃ熱い決着でしたね…!7thの正体がまさか“死者が機械を着ている”状態だったとは。黄金の頭蓋と銀の仮面、そして「偶像♡♡♡の再定義」でリッチーの毒月を強制再起動させる流れ、めちゃくちゃ気持ち良かったです。 「お前は独りぼっち。ただの狂った人♡♡♡だ」というラストの台詞、重すぎて刺さりました…。物語が加速する予感、楽しみにしてます!