テラーノベル
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楽屋/朝
(メンバー到着前)
楽屋の空気は、暖房で空気が暖まっていた。
まだ2人しか来ていない。
ソファに座るリョウガと、その少し離れた椅子に座る俺。
普段なら、こんな沈黙も落ち着くのに。
なのに今日は、胸が苦しい。
「……リョウガ」
「ん?」
声を出した瞬間、逃げ場がなくなる気がして。
それでも、言葉は止まらなかった。
「俺…さ……あの…」
リョウガが顔を上げる。
いつも通りの、穏やかな目。
──あ、無理だ。
こいつ、俺のこと、そういう目で見てるわけない。
それでも、もう止まれなかった。
「……好き、なんだよ」
一瞬、時間が止まった。
「恋愛的に。……男として、リョウガのこと」
言った。
言ってしまった。
俺はすぐに視線を逸らし誤魔化し始めた。
「……てのは、冗談だから…笑」
自分でも驚くほど、声は軽かった。
「そんな顔して…冗談真に受けてんじゃねぇよ…、笑」
そう言って、椅子から立ち上がりわざと喋り続ける。
「今日さ、収録長いよな?カフェイン摂っとくかな─」
「……タクヤ」
「あとでストレッチもしとこ。久々に体動かす系だから…いや、今やっとくべき?─」
「タクヤ」
「あ、やば。ちょっと野暮用思い出した」
ドアノブに手を伸ばしかけた、その瞬間。
ぐい、と引き寄せられるように手首を掴まれた。
「……っ」
リョウガが立ち上がっていた。
掴まれた手は――
自分でも気づいてなかったぐらい震えている。
「離せよっ……」
涙が頬を静かに流れる。
「……なんで逃げんだよ」
低く、でも優しい声。
「…俺も好きだよ」
息が止まる。
「大好きだよ。タクヤのこと」
「……なんで……」
涙が、止まらなかった。
「なんで、そんな……」
「なんでってw」
リョウガは少し困ったように笑いながら、
「そりゃ……前から好きだったからに決まってんじゃんw」
笑って誤魔化してるのが、わかる。
それでも、その手は離さなかった。
リョウガが、タクヤの頬に触れて、涙を拭った。
「告白してくるなんて思わなかったんだよ。だから、驚いて」
「……っ、ばか…!」
「ごめん」
そう言って、腕を伸ばす。
次の瞬間、タクヤは思いきり抱きついていた。
遠慮もなく、強く。
「……怖かったんだから…っ…!」
「うん」
「嫌われるかと思った……」
「ならねーよw」
背中を撫でる手に温もりを感じた。
「付き合ってほしい」
耳元で、はっきりと。
「俺と」
タクヤは、ぐちゃぐちゃの顔のまま、何度も頷いた。
「……うん…お願い…しますっ…!」
数分後
タクヤは、リョウガの肩に顔を埋めたまま、対面で座っていた。
涙でぐちゃぐちゃな顔を、誰にも見せたくなかった。
そのまま、楽屋のドアが開く。
「おはよーござ──」
空気が静まり返る。
抱き合う二人。
察する人、目を逸らす人、ニヤッとする人。
でも――
「静かにして」
リョウガが、すっと言った。
「タクヤ、寝ちゃってるから」
「……あ、はい」
一瞬で察した数人は、何も言わず、そっと準備を始める。
タクヤは小さく息を吐いて、安心したように、さらに顔を埋めた。
「……ありがとう……」
「どういたしまして」
リョウガの体温が心地よくて。
気づいたら、本当に眠っていた。
赤ちゃんすぎるくらい、無防備に。
収録前
「タクヤ」
優しく揺らされて、目を開ける。
「……行こっか」
「……ん……」
まだ少しだけ、袖を掴んだまま。
その様子を見て、誰も何も言わない。
ただ、静かに笑っていた。
こうして二人は、並んで楽屋を出ていった。
以前より、距離が縮まったまま。
𝐹𝑖𝑛.
#ご本人様とは一切関係ありません
コメント
1件
もっともっと下さいそういうのお願いしますリョガタクを探してました!