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茜音
734
#sxxn
ふ み ん し ょ ー .
5,000
k
1,760
#すちみこ
「ただいま」
玄関を開けても、返事はなかった。
なつは靴を脱いで、いつものようにランドセルを置く。
リビングでは、みことがソファに座っていた。
みこと「なっちゃん、おかえり」
「……ただいま、みこと」
その横では、らんがスマホを見ながら仕事をしている。
「らん兄」
らん「ん?」
「……なんでもない」
らん「そっか」
それだけ。
なつは自分の部屋へ向かった。
昔は、らんもいるまも、もっと自分を見てくれていた。
頭を撫でてくれたり、一緒にゲームをしたり。
でも、弟たちが大きくなるにつれて、全部変わった。
みことが体調を崩せば、みこと。
こさめが困れば、こさめ。
なつが何か言おうとしても、
「なつはお兄ちゃんだから大丈夫だよ」
いつも、それで終わる。
「……大丈夫じゃないのに」
誰にも聞こえない声で呟いた。
学校でも、家でも。
なつは笑っていた。
笑っていれば、誰も心配しない。
心配されなければ、迷惑をかけなくて済む。
そう思っていた。
その日の夜。
なつは布団の中で胸元を押さえた。
「……また、痛い」
しばらくすると落ち着いた。
だから、誰にも言わなかった。
言ってもきっと、
「大丈夫?」
その一言で終わる。
なつは目を閉じた。
「……俺、お兄ちゃんだから」
そう言い聞かせるように呟いた。
でも、その声は少し震えていた。
コメント
3件
「お兄ちゃんだから大丈夫」って自分に言い聞かせるなつの姿が切なすぎる…😭 昔はちゃんと見てくれてたのに、っていう回想が胸に刺さるよ。胸の痛みも誰にも言えなくて、震えた声で自分を奮い立たせてるのがもう…。大丈夫じゃないのに大丈夫って言い続けるの、すごく苦しいよね。この先なつが誰かに気づいてもらえますようにって祈る気持ちでいっぱいになったよ…!