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【Sっ気亮くん】
「……なにその顔」
低く笑いながら、亮はソファの背もたれに腕をかけて私を見下ろす。
距離は近いのに、なかなか触れない。
わざと視線だけで心をかき乱すように。
「……別に」
「別に、ね。じゃあ、俺が触らなくてもいいんだ?」
その言葉と同時に、頬を指先でかすめる。
触れたか触れないか分からないくらいの距離で、視線だけが絡みついてくる。
「……もう、意地悪」
「意地悪じゃないよ。〇〇が可愛すぎて、すぐ抱きしめたくなるの我慢してるだけ」
亮はソファから立ち上がると、ゆっくり私の前にしゃがみ込む。
視線が真っ直ぐに絡みつき、逃げ場を失う。
「……そんなに俺のこと見つめて、どうしたいの?」
わざと低く抑えた声が耳に届くたび、心臓が早くなる。
返事をしようとした瞬間、亮は私の膝に手を置いた。
ほんの軽いタッチなのに、その存在感は圧倒的で。
「言えないの?」
口角をわずかに上げ、まるで答えを分かっているかのように微笑む。
「……亮、ずるい」
「ずるくしてるんだよ。〇〇が、もっと俺を欲しくなるまで」
そのまま頬に指先が滑り、顎を持ち上げられる。
唇が触れそうで触れない距離。
息が混ざり合うのに、まだ彼は動かない。
「……キスしてほしいなら、ちゃんと言って」
挑発的な瞳に見つめられ、もう逃げられなかった。
腰に回された腕の力が、さっきよりもずっと強い。
そのままソファに押し倒され、視界いっぱいに亮の顔が近づく。
「……もう止めないから」
低い声と同時に、唇が深く重なり、吐息まで奪われる。
指先が背中をなぞり、服の隙間から熱が入り込む。
その感触に、呼吸が勝手に乱れていく。
「声、我慢しないで」
首筋に触れる唇が、甘くも容赦なく痺れを走らせる。
逃げるように肩を震わせても、亮の手がそれを押さえ込む。
「……全部、俺に委ねろ」
その言葉の響きが、頭の奥まで熱く染めていく。
絡まる熱と息遣いが、部屋の静けさを溶かし、夜が一気に深く沈んでいった。
亮の動きが、容赦なく深く速くなる。
呼吸を奪われ、声が漏れそうになると、耳元で低く囁かれた。
「……声、我慢するな。もっと聞かせろ」
腰をがっちりと掴まれ、逃げ場を完全に塞がれる。
その力強さに背筋が震える。
視線を逸らそうとすると、顎を掴まれ強引に顔を上げさせられる。
「俺を見ろ。お前がどんな顔してるのか、全部見たい」
熱を帯びた瞳に射抜かれ、息が詰まりそうになる。
反応するたびに、さらに激しく求められ、思考が追いつかない。
「まだ終わらせない……俺が満足するまで」
その言葉と同時に、身体の奥まで攻め込まれ、全身が痺れる。
「……〇〇、お前は俺のものだろ」
掠れた声と支配的な視線に、抗うことはもうできなかった。
荒い呼吸の中、亮はまだ私を抱き込んだまま離さなかった。
額同士を押し付け、掠れた声で囁く。
「……俺から逃げられるなんて思うなよ」
背中に回された腕は力強く、まるで縄のように私を固定している。
動こうとすれば、そのたびに腕の力が強まり、息を詰まらせる。
「そんな顔……外では絶対見せるな」
低い声と共に、唇が首筋に押し当てられる。
軽く噛まれ、その跡を指先でなぞられる感触に、背中が震えた。
「……いい印になる」
満足げに笑うその表情に、胸の奥がざわめく。
「〇〇は俺のもの。それを忘れないように」
そう言って、再び強く抱き寄せられる。
彼の体温と匂いに包まれ、逃げるという選択肢はどこにもなかった。