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僕はヴュンシェン。絶賛今僕はこの辺りで1番高い山、トラオム高山の頂上であと一歩足を踏み出せば8,848mへ真っ逆さま、 血に潜るところだ。
「さあ、逝こう。こんどこそ。」
慣れたように頭からヒョイっと身を投げると細い槍が風の影響を受けず真っ直ぐ素早く落ちるようなヒューッっと音をたてながら雲を駆け抜け、まるでアニメ級のどデカイハンマーで地盤を真っ二つにするかのような音で身は地面に叩きつけられた。
「あぁっッ、、」
全身が暑いが冷っとしているこれはいつもの事だ。
「はぁーい、今日はどこが吹っ飛んでったんでしょう問題の時間でーすさあどこでしょー?」
硬い砂利の上でステップを踏みながら愉快な声で歩いてくる音がきこえる。
目を開けなくてもわかる、頭の上の部分が砕け脳が飛び出し、今日は右腕がないと思う。
「すっ飛んでったのは右腕かな。 」
顎も砕けているのにスラスラ喋れているのが不思議に思う。
「おぉっ!正解ッ!じゃあじゃあ下の方はどうなってるのでしょうかああ! 」
「下は全滅だ。バンジージャンプかのように飛んだのにミスって足から落ちたみたいだ。」
「見てたよお~じゃあちゃっちゃとやっちゃうね、」
僕のすぐ横に多分しゃがみ込んだ彼は呪文を唱えると直ぐに散らばった肉片や血液や骨が体に戻り飛び降りる前に戻った。
「はいっもういいよ。」
「はあ、ありがとう、ゼンティ。」
しゃがんでるゼンティの肩を借りてゆっくり立ち上がり落ちてきた山の見えない頂上の方を見上げた。
「そんな落ち込むなよ、今日がだめでもまた明日死ねるかもじゃん?元気だしてこーよ?」
「今日がだめでもまた明日、明日は昨日の自分よりももっといい、変わりもしない出来事を無理矢理ポジティブ変換するみたいなの好きじゃない。」
「あっはー、表面上だよ表面上。ほら慰めの言葉ってさ本心からというより、いかに気を使って悪く言わないようにするかが重要じゃん?」
ゼンティは硬い砂利の上にも関わらず、体を大の字にして寝転んでいる。
「…僕に表面上でしか思ってはくれないのか?」
ずっと上を向いていたせいか、寝転んでいるゼンティに顔向けるの血がめぐり真っ赤に染まった。
「わっそんな事ないよぅ、シェンがポジティブ変換とか言うからじゃんん、なに?悲しかった?」
にやりと向けられた顔は徐々にヴュンシェンの顔に近づき唇を重ね合った。
「んグッつッ…なんだこれは」
何かを加えた声をしながらゼンティに問う。
キスをしてきたかと思えば何やらヌルッと生肉が軟骨にまとわりついているような小さい肉片棒を口に挿入してきた。
「そーれはねええ、、シェンのペニスちゃんさ‼️」
わーにっげろー、と叫びながら走り去って行くゼンティを追いかける気力はなかった。
下半身からさらに仰向けで地面に叩き落ちたのでは当然ペニスも生肉へ変わる。
自分のペニスだろうともうどうでもよいのでペッと吹き捨てゼンティと同じ大の字に寝転び目を閉じ呟いた。
「明日には死ねるかも、ね、」
そう、お気づきかもしれないがいやお気づきになられないとおかしいが僕は死ねない。
理由は現時点で分かっておらずひたすら死ねないのだ。ただ痛感や体の破損は可能で、不老ではなくしっかり歳をとるが寿命でも死ねないのだ。ぶっちゃけ見た目が年寄りなのに死ねず周りに置いてかれるばかりじゃ地獄だ。そう僕はそうなる前に死にたくて日々チャレンジしている。