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青桃作品
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桃side
眩しい朝日に起こされ、目を開ける。いつの間にか眠っていたみたいだ。
今は……7時ってところかな。もうそろそろ朝食が運ばれてくる頃だろう。
しかし、昨日のは一体なんだったのだろうか。夢だと思いたいが、確かに昨日ここに来たという形跡がある。あのあと、アイツ……死神は、忘れ物をしていった。それが今枕元に置いてある本なのだけれど。他の人が見たらただの絵本かもしれない。
でも、俺はこれにある思い出がある、、、『ずぅぅっと いっしょ』という本に
─────12年前、桃6歳頃
桃)俺らってさ、いつになったら退院できるのかなぁ?
?)はぁ?知らんわそんなん、でも、お前点滴繋いでなあかんのやろ?
無理ちゃう?
そう、俺はのうしゅよう?ってやつであまり動けない。これが俺の場合、心臓にも影響してきてしまっている。他にも記憶障害だのなんだの、、、治らないわけではないけど、俺は特殊らしい。
桃)むぅー…。もしかしたらだよ そんなんわかんないじゃん
?)じゃあ逆に退院したら何したいん?
桃)えっ?ウーン…旅したい…とか?
?)なんで疑問形なんよ笑 もっとあるやろ
美味しい物食べたいっ✨とかさ
桃)あぁ〜なるほどね
じゃあね、こどもコーナーの本ほとんど読んじゃったから、新しい本が欲しいなぁ。
正確にはよみきかせてもらったんだけど
?)たとえば?
桃)胸がほっこりするようなやつとかかな わくわくするもん(っ ॑꒳ ॑c)
?)へぇーじゃあこれあげる
桃)???
そう言ってくれたのは、夕焼けに染る湖のそばでくっ付き合いながら背中を向けている、いぬとねこの表紙の絵本だった。
桃)これ、なんてよむの?
?)『ずぅぅっと いっしょ』だよ
桃)へぇー✨かわいい!おもしろそー!!くれるの?
?)おん、別にええけど。よんであげようか?
桃)うん!
回想終わり
あのあと、結局親が申し訳ないからということで同じ本を買ってもらったのだけど。今も引き出しの中に入っているはずだ。顔も名前さえも病気のせいで覚えて居ないけど、思い出はずっと残っている─────。