「最初で最後の恋をしよう」
私の名前は明石果穂。春から高校1年生。
私には小学校からの幼馴染がいる。
名前は坂出晴。
彼は中学も同じで家が近く、学校も一緒に登校することが多い。野球部に所属していて、中でもエースだったらしい。誰にでも平等で私のくしゃっと笑う、屈託のない性格だった。小学校からの初恋の相手だ。
そんなある日……
今日は4月1日。もう4月で学校が始まるのかって思うと気分が沈む。でもなんだかワクワクしている自分も確かにいた。ベットに横になって天井をじっと眺める。今頃彼は何をしているのだろうか。気づいたら彼のことを考えている。どんだけ好きなんだよと苦笑する。ピロリンとスマホ連絡音が部屋に響いた。スマホを手に取りロック画面に浮かぶ字を見ると、彼の名前が書かれていた。そっと画面を押す。
ドキドキしながらディスプレイを見ると、そこに書かれてある事に驚いた。
「俺、彼女ができた」
するりと手からすり抜けたスマホはガシャンと音を立てて床に落ちる。
信じられない。スマホを拾おうと思っても手に力が入らない。オドオドしながらやっとのことでスマホを拾うと、私は彼に電話をかけた。着信音が鳴り、やがて止まって、大好きな彼の声が聞こえた。
「もしもし、晴だけど」
涙が溢れる。
「…さっきの、本当なのかって」
声が震えている。
「あぁ、本当だ」
パリンと何かが割れる音がした。私の恋は、終了した。
「…って嘘だよ。俺彼女いない。今日エイプリルフールだろ」
「えっ」
言葉が出ない。
「ずっと言いたかった。俺、果穂が好きだ」
どうせエイプリルフールでしょ。わかってるよ、そんなこと。
「エイプリルフールだよ。今日は」
「時計見ろ、日付変わってる」
素早く壁にかかっている時計を見る。ほんとだ、0時過ぎてる…てことは
「なぁ、果穂。俺とーーーーーー」
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