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「こんこよ、沙花叉のこと好きすぎw」
「いや、クロたんがこよのこと好きなんでしょ！！」
2人とも認めない。
自分より相手の方が自分のことがすき。
そんな言い合いは珍しいものじゃなくて、不快感をおぼえるどころか心嬉しい気持ちで溢れてしまう。
それは2人の会話の”当たり前”となっていた。
では、ここでひとつ疑問を。
_____その当たり前を壊してみたら、彼女はどんな顔になるだろうか？
疑問をもったら実験したくなるのが研究者。興味をもつとなんでも行動に移すのが好奇心旺盛なボク。
そして、好きな人へ気持ちを伝えるチャンス。素直になれるチャンスだ。……関係を今よりその先へ動かせてしまうかもしれない。
（クロたんはどんな顔するかな〜〜♪）
「あ、いた！クロたん〜！！」
「ん？お、こんこよ。どしたの？」
ソファに横になって、スマホをいじっているクロたんを発見。
そういえば、別件でもホロックスのみんなに聞きたいことあったし…。まあその犯人は見るに目の前のクロたんみたいだけど。その話題から話しかけよう。
「えっとね、クロたんに聞きたいことがあって」
「うん？」
話を聞いてくれるらしいクロたんは上半身を起こしてくれて、その動きでバッチリ犯人は確定したみたい。
「クロたん、こよの服知らない？って聞きたかったんだけど、やっぱクロたんだったんだ？」
「んえ？あ、これ？こんこよのだったんだ。お風呂入った時に間違えて持ってちゃったみたいでさ〜。借りるね〜」
「それ、借りる前に言うセリフね？まあいいけど。というか…………」
服に関しては、まあいい。クロたんは意外と人のモノを汚したり無くしたりしないし、きちんと綺麗に返してくるから。
そこじゃない。クロたんはこよの服を着てる。それは…………実験の話題に持っていくには好都合すぎる。ナイスクロたん！
「こよの服、着るなんてやっぱクロたんはこよのこと大好きだね〜〜？？」
そういえば、返ってくるのはやっぱり
『これは間違えたって言ってんじゃん！そんなこと言うこんこよの方が沙花叉のこと好きすぎでしょ〜』
なんて返してきてくれるから、このまま予定通りに実験が行えそうだ。
「好きだよ？好きじゃなかったらお気に入りの服も貸してないよ〜笑」
そうそう。クロたんが今、着てる服はこよのお気に入り。一目惚れしてすごく肌触りがよくて、いちばんはデザインが気に入っている。
「なっっっ、え？は？急にデレるじゃん！？」
「…嫌？」
「嫌、じゃないけど…てかこれお気に入りだったの？汚したらあれだし脱ごうか？」
「いやクロたんならいいよ。と言うか、珍しいよね？クロたんが間違えるなんて。それに間違えても着たまま、なんて。やっぱり………
_____________こよのこと、すき？」
「っ………//」
クロたんは基本、他の人のものを勝手に使わない。ちゃんと許可をとるし、まず借りることが少ない。
気になる。疑問が興味が沸々と湧いてきて。
好奇心旺盛な研究者なんだもん。
しょうがないでしょ？
ルビーのような瞳に、負けを取らないくらい頬が紅く染まったクロたんの唇から次に放たれた言葉に、ボクは案外、耐性がなかったみたい。
きづいたら、クロたんがボクのピンク色のカーテンの中にいて、クロたんの下はソファだった。
「ちょ、こんこよ…！？」
「さっきの、ほんと？」
「タチ悪い嘘つかないよ。…それと、手緩めてくれない？逃げないから…ちょっと痛い。」
ぶんぶん揺れるしっぽは抑えることを知らず、引きちぎれてしまいそうなほどに往復を繰り返す。
そのルビーはこよを捉えていて。近づけば隠れてしまったけど、その代わりに柔らかな感触を感じれる。
それが、嬉しくて、何回も何回も繰り返した
「…っ、だから…緩めろっての…！！髪も、くすぐったいし…っ」
「やだ。こっちの方がこよの匂い、するでしょ？…好きだよ、クロたん」
「ほんとに…どうしたの今日」
耳まで真っ赤に染めながら、少し困惑したような顔を見せるクロたん
でも、しょうがないじゃん。好きな人に『すき』って言われるだけでこんなに嬉しいなんて思わなかった。
でも、流石にこれ以上は今はしない方がいいだろう。クロたんの好きが、どれくらいの好きかわからないし。これを機に嫌われたりしたらこよは死んじゃいそうだし。
そう思って上から退いて、手を解放してあげる。
「別に〜。クロたんがちゃんとこよのこと好きでよかったよ」
冗談っぽくクロたんを見て微笑めば、少しくしゃくしゃになった髪がすごい可愛く感じた。
「こよちゃん、沙花叉のこと好きすぎでしょ」
「なっ、クロたんもこよのこと好きだよね！？と言うかクロたんの方が好きでしょ！？」
「いやいや、流石に、こよちゃんの方が〜」
やっぱり、この関係は簡単には変わらないみたいだけど。心地いいから大丈夫。
好きな人からの『すき』は耐性がつくまで、取っておこう。
・
・
・
・
実験結果:自分より相手の方が自分の事が好き
___________
やっとかけました。
リクエスト作品です。
自分的に納得いってない感あるので、書き直す可能性はある。
次、いろはスかくぞ！！！！！
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