テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
日本「……本当のこと、全部知ってるんです」
その言葉は、アメリカの背中に向けて、思わずこぼれた。
放課後、誰もいない教室。
日本は震える声で、口を開いた。
アメリカはゆっくりと振り返る。
その表情は、いつものように柔らかく——けれど、どこか張り付いた作り物のように見えた。
アメリカ「本当のことって、なんのこと?」
とぼける声。
けれど、日本は笑わなかった。
日本「見たんです。……韓国さんにお金を渡してるところも。中国さんに命令してたのも。……全部、聞こえてたんです」
教室に、空気のヒビが入った気がした。
アメリカは、一瞬だけ沈黙し、それからふっと笑った。
アメリカ「あー……そっか。見ちゃったんだ、全部」
それは、いつもの明るい声だった。
けれど、笑顔の奥にある何かが、日本の背筋を凍らせる。
アメリカ「で?それがどうしたの?」
日本「どうしたって……っ」
アメリカ「俺がアイツらに命令して、お前をいじめさせてた。それがなんだよ?」
「…………っ!」
初めて、アメリカからお前と言われ日本は言葉を失う。
アメリカは一歩、ゆっくりと近づいてくる。
その瞳には、優しさも、後悔も、何もなかった。
アメリカ「だってさ。俺の手だけじゃ、お前は壊れてくれなかったから…」
日本「な……に、を……」
アメリカ「日本。お前、強いよ。バカみたいに優しくて、我慢強くて、何されても笑ってて……ほんと、ムカつくくらい」
日本「…………」
アメリカ「だからさ。壊してやりたかったんだ。俺のためだけに、泣いてほしかった。俺の手の中でだけ、生きててほしかった」
その言葉は、愛と狂気が混ざった、甘くて冷たい言葉だった。
日本は息を詰め、ただ震えていた。
アメリカは日本の顎に手を添え、強引に視線を合わせさせる。
アメリカ「怖い?それとも、気持ち悪い?」
日本「…………わかんないです」
アメリカ「だよな」
その一言に、すべてが詰まっていた。
壊されている。
でも、アメリカさんを嫌いになれなかった。
今この瞬間も、ほんの少し、心の奥が「安心している」のがわかった。
——最低だ。こんな感情、壊れてる。
アメリカ「なあ、日本。俺はお前が好きだよ」
日本「…………」
アメリカ「お前が苦しむ顔も、泣く声も、全部ぜんぶ愛しい」
日本「……それでも」
口から出た声は、意外にも静かだった。
日本「私は……アメリカさんが好きだったんです」
アメリカが目を細めて笑った。
アメリカ「だった?」
日本「でも、今は……わからないんです。」
その言葉に、アメリカの手がわずかに震えた。
アメリカ「そっか。……なら、もう少しだけ苦しめばいい」
その言葉とともに、アメリカは優しく、日本の身体を抱きしめた。
アメリカ「全部忘れるくらい、俺で満たしてやるからさ」
優しく、優しく。
まるで慈愛のように。
けれど、それはすでに、日本が狂いだした証拠なのだ。
✋(◉ ω ◉`)よぉ
宿題多い🥲ではまた!
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!