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番外編
照が支社へ戻って、一か月。
忙しい毎日は変わらない。
でも今日は、二人とも久しぶりに何も予定のない休日だった。
────────
朝九時。
💜「照ー、まだ?」
玄関の前で辰哉が声を掛ける。
部屋の奥から返事が聞こえた。
💛「あと五分」
💜「さっきも五分って言ってたじゃん」
💛「ほんとにあと五分」
💜「信用ゼロなんだけど」
数分後。
照が慌てて靴を履きながら出てきた。
💛「悪い」
💜「十五分ね」
💛「そんな待たせた?」
💜「うん」
💛「ごめん」
辰哉は笑って肩を軽く叩く。
💜「今日は許す」
💛「助かります」
────────
二人が向かったのは、大きなショッピングモール。
💜「まず何見る?」
💛「辰哉が行きたいとこ」
💜「じゃあ服!」
💛「予想通り」
アパレルショップへ入る。
辰哉が次々と服を手に取る。
💜「これどう?」
💛「似合う」
💜「ちゃんと見てる?」
💛「見てる」
💜「即答じゃん」
💛「本当に似合うから」
辰哉は少し照れて笑う。
💜「そういうとこずるい」
────────
今度は照が一枚のシャツを手に取る。
💛「これ」
💜「照が着るの?」
💛「違う」
照はそのまま辰哉へ当ててみる。
💛「絶対似合う」
💜「えー?」
試着室へ押し込まれる。
数分後。
カーテンが開く。
💜「……どう?」
照は数秒固まった。
💛「買おう」
💜「早い早い」
💛「似合いすぎ」
💜「まだ値段見てない」
💛「俺が買う」
💜「だめ」
💛「なんで」
💜「誕生日でもないし」
💛「似合ったから」
💜「理由になってない」
店員が思わず笑っていた。
────────
昼。
フードコート。
💜「照、それ一口」
💛「やだ」
💜「えー」
💛「冗談」
照は唐揚げを一つ渡す。
💜「ありがと」
代わりに辰哉もポテトを渡す。
💛「交換成立」
💜「子どもみたい」
💛「辰哉が言うな」
────────
食後。
ゲームセンターの前を通る。
💜「やる?」
💛「勝負?」
💜「負けた方がアイス」
💛「いいよ」
結果。
💜「やった!」
💛「負けた……」
辰哉が大笑いする。
💜「照が負けるの珍しい!」
💛「本気出したんだけど」
💜「じゃあアイスお願いしまーす」
💛「はいはい」
────────
帰り道。
夕日が街をオレンジ色に染めていた。
二人並んで歩く。
手にはゲームセンターで取った小さなぬいぐるみ。
照が奇跡的に一回で取ったものだった。
💜「結局取れるんじゃん」
💛「最後に意地見せた」
💜「家に飾ろ」
💛「辰哉の部屋?」
💜「いや」
辰哉は照を見て笑う。
💜「照の部屋」
💛「なんで」
💜「俺が遊び行った時見るから」
照は少し笑って頷く。
💛「分かった」
────────
駅前まで戻ってきた頃。
辰哉がぽつりと呟く。
💜「こういう普通の日が一番好きかも」
照は隣を見て笑う。
💛「俺も」
💜「特別なことしてないのにね」
💛「辰哉といるから特別なんだろ」
辰哉は足を止める。
💜「……急にそういうこと言う」
💛「思ったから」
💜「反則」
照は照れくさそうに笑う。
💛「帰るか」
💜「うん」
夕暮れの道を、二人は肩を並べて歩いていく。
慌ただしい毎日の中でも、こんな何気ない休日があるから。
二人はまた明日から頑張れるのだった。
コメント
4件
私も毎日の励みになるぞ、グヘヘ(((殴
お疲れ様ぁあああ! めっちゃおもろかった!
ああー、これ好きだわ。日常回って本編の緊張感があるからこそ沁みるんだよな。照が「似合いすぎ」で即「買おう」ってなるのとか、ぬいぐるみ「照の部屋に飾ろ」って言っちゃう辰哉のずるい甘やかしとか、全部が「二人の距離感」を優しく見せてる。戦闘とか能力バトルとはまた違うベクトルで心揺さぶられるわ。照の「辰哉といるから特別」のストレートさ、最高。こういう休日、ずっと続いてほしいな。