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昔、この世界には英雄が居たらしい。僕の
お父さんはいつも英雄の話をしていた。
別に僕自身は英雄に対し、なんの感情もなかったがお父さんにはとても重要な事だったらしい。そんなお父さんが先の大戦で死んでから数十年たった。持病が悪化し、体も満足に動かせない状態まで進行してしまった。
僕はふと英雄とその仲間、その血筋の話を思いだし、自分の看病をしてくれている息子に最後の力を振り絞り、自分の夢を託すことにした。
「息子よ…旅を…旅しなさい。…みんな…で笑って…暮らせる…そんな旅を…しなさい。父さんの願い…託したぞ…。」
不意に手に力が入らなくなった。お父さん、今そっちに逝くよ。
数日後墓に手を合わせる1人の少年の姿があった。名はユタノハルキ。彼こそが英雄の血を引き継ぐ勇者である。
「父さん…行ってきます!」
ユタノは父を看病した屋敷を離れ、夢を叶える為に、勇者の剣が刺さっていると伝わる金剛山へ登った。ユタノは厳しい山岳を抜けて山頂にたどり着き、もうすぐ明ける空とそれを反射させ、煌めいている剣を目にした。
ユタノは剣に手をかけた。
剣は引き抜かれると同時に夜明けの太陽を
反射させていた。
今ここに、勇者の誕生である。
ユタノは楽しい旅をするため、仲間集めをすべく王都オルティアへと向かう。