テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
#怪異
×××
2,179
#衝撃のラスト
山根利広
546
105
水底 ずい
87
翔と智也は、裏口から外に逃げ出し、校庭を横切った。
緊張感が漂う中、彼らは誰にも捕まることなく、隣接する公園へとたどり着いた。
公園には遊具や木々が点在し、隠れる場所が多い。
「少し休もう。」
翔が提案すると、智也は頷いた。
二人は木の陰に身を隠し、心臓が高鳴るのを静めるために深呼吸した。
「このままじゃ、いつか捕まっちゃうよ。どうする?」
智也は不安そうな表情で翔を見つめた。
「隠れながら、他の仲間を探そう。まだ、他の生徒も逃げているはずだ。」
翔は希望を持ちながら答えた。
しかし、彼の心の中には不安が広がっていた。
このゲームの真の恐ろしさが、これから明らかになるのではないかという恐怖だった。
数分後、彼らは公園の隅に座っていた時、他の生徒たちの姿を見かけた。
彼らは一緒に逃げていたが、明らかに動揺している様子だった。
「こっちに来て!」
翔が手を振り、仲間たちを呼んだ。
生徒たちが近づくと、翔は彼らに事情を説明した。
「今、鬼ごっこが始まった。捕まったらどうなるかわからない。みんなで一緒に隠れよう。」
「でも、どうやって逃げるんだ?」
一人の女生徒が不安そうに尋ねた。
「校内に戻るのは危険だ。公園の外に出て、誰か助けを呼びに行くしかない。」
翔は皆の表情を見つめ、彼らを励ました。
彼らは一緒に逃げることを決意し、夜の帳が降りてくる中、公園を後にした。
しかし、心の中には緊張感が残っていた。いつ襲われるかわからないという不安が、彼らの足取りを重くさせた。
彼らが公園を出て街へと向かう途中、急に後ろから大声が響いた。
「お前たち、捕まれ!」
それは鬼の声だった。
翔は振り返ると、鬼が一人、彼らに向かって突進してくるのを見た。
パニックが広がり、生徒たちは一斉に逃げ出した。
「分かれろ!隠れるんだ!」
翔は叫んだ。
智也と別れ、翔は近くのビルの陰に隠れた。
だが、逃げていく仲間の中には、混乱に駆られて一緒に逃げている生徒もいた。
翔の目に留まったのは、明らかに怯えている女生徒だった。
「こっちに来て!早く!」
翔は彼女を呼んだが、彼女は恐怖で動けずにいた。
その時、別の生徒が彼女を押しのけて、先に逃げてしまった。
翔は一瞬、彼の背中を見て「裏切りだ」と思った。
仲間を見捨てることができるのか。
翔の心に疑念が芽生えた。
「大丈夫、こっちだ!」
翔は女生徒を引き寄せ、彼女と共にビルの陰に隠れた。
「ありがとう…」
彼女は震える声で言った。
翔はその声にほっとしながらも、仲間の裏切りが心に残っていた。
やがて、鬼の足音が遠ざかっていくのを感じた。
翔は生徒たちを集めるために、再び街の中へと向かった。
「智也!智也はどこだ?」
彼は呼びかけたが、返事はなかった。
仲間が次々と逃げていく中、翔は一人でいる感覚が強まった。
彼はふと、智也を探している自分の姿が滑稽に思えた。
捕まるかもしれない恐怖に対抗するために、誰かを必要としていたのだ。
「みんな、どこにいるんだ…?」
翔の心の中に孤独が広がった。
その時、彼はあることに気づいた。
鬼ごっこの恐怖が生徒たちの心を引き裂き、仲間の絆が薄れていく様子を。
「このままじゃ、ダメだ…」
翔は再び立ち上がり、仲間を探し続けることを決意した。
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!