若井はとにかく俺に優しい。
わりと何でも受け入れてくれる。
故に甘やかされすぎている。
今日だって呼び出しておいて仕事するから、と作業部屋に籠もる俺にわかった邪魔しないようにするね、と言ってひとりでギターの練習をしている。
やっと仕事に区切りがついて若井の元へ行くと、若井がにへっと笑う。
「ごめん、待たせて」
「全然、仕事は順調にいった?」
「うん···ありがと。ねぇ、ハグして」
「なに、甘えんぼうさんじゃん」
若井が膝に俺を乗せて向かい合ってぎゅっと抱きしめてくれる。
この瞬間なにもかも忘れて息を吐ける。気が抜ける。
「若井って俺に甘いよね」
「そう?」
「食べたいものとかも俺のを優先するし、何でも俺から選ばせてくれるし、どんなに難しい曲でも受け入れてくれるし···」
「曲は元貴が作ったのを完璧に表現したいから···他は、元貴が喜んでるならいいかなぁって感じで甘やかしてるとかじゃないけどね?」
そう言いながら俺の頭を撫でる。
「んー、じゃあ抱っこしてベッドまで連れてって」
「えぇ?いいけどなにその可愛いお願い」
俺を軽々持ち上げると寝室へ連れて行ってくれてベッドにそっと降ろされる。
「やっぱり甘いよ···何でも言うこと聞いてくれそう」
「お願いによるけどね?」
「じゃあキスして」
ふっ、と笑って若井が優しくキスしてくれる。
「嬉しいお願いだね」
「じゃあ、今日は帰らないで」
「そのつもりだった」
「好きって言ってよ」
「···好き、大好き。元貴が大好き」
やっぱり甘すぎるくらい甘い。その甘さにたっぷりと漬けられた俺はもうそれなしではいられないようになってしまっている。
「···服、脱がせて」
「え···」
「ここ、舐めてほしい···だめ?」
「だめじゃない···」
若井の手が俺の服を脱がせて、お願い通りに下半身へと舌を伸ばしてきて舐めてくれる。
「んッ···ァ···」
若井にお願いして舐めてくれている、ということに興奮して更に気持ちよさが増す。
「あ···んッ、いい、気持ちいい···」
そして俺は最後のお願いをした。
「お願い···若井のがほしい···一緒に気持ちよくなって···」
若井はコクリと頷いて服を勢い良く脱いで硬いものが押し付けられたと思うとぐっと俺の中に入ってきた。
「あァッ··· 」
「元貴···好きっ···好きだよ···」
「俺も···滉斗が大好き」
しばらく中を責められて、2人ほぼ同時に達してベッドに倒れ込んだ。
気持ちのいい気怠さに包まれてウトウトしていると若井が優しく手を繋いでくれる。
「今日の元貴くんはどうしちゃったの?俺なんかよりよっぽど甘かった」
「若井が甘やかすから···甘えたくなった」
「可愛すぎでしょ···そんなつもりはあんまりないけど、もっと甘やかしてあげたくなった」
そんなことを言って空いた方の腕で俺を抱き寄せる。若井と肌が触れ合ってじんわりと温かさが増す。
「これ以上は、若井から抜け出せなくなりそうで怖い」
「抜け出す必要はないよ、元貴には俺以外いらないんだから」
真剣で少し低い若井の声にゾクリとする。
めちゃくちゃ甘くて時に苦い。
そんな若井から、とっくに俺は抜け出せなくなってる。
「そうだね、若井以外いらない」
そう呟くと満足そうに若井が笑う。
あぁ、なんて甘い夜だろうか。
コメント
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あーもう、こういうお話し大好き♡ありがとうございます! 私もドーム当たる気がしてきました(笑)
もーう❤ 最高の華金をありがとうございます、、、🤤 なんか本当に色々と頑張れそうですw ライブすら当たる気がしてきましたwww