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ガチンコに自己満だゾ‼️
自職員🤔
ロボトミやりたすぎて先走って自職員つくってる(は❓笑)
「新宿!よく聞け!」
新宿。私の名前だ。いや、正しくは私の名前ではない。
私の名を呼んだのは渋谷、私の兄だ。
私と渋谷は裏路地からこの翼、L社へ入社した。入社できた。
まさか翼に入社できるなんて夢にも思っていなかった。渋谷に提案され、ほぼおふざけ半分でL社へ入社希望した。
まさか本当に入社できるなんて。未だ深い夢を見ているのではないかと疑っている。それも、兄弟二人で入社できたのだから。
「新宿?聞いているのか?」
「えっ。ああ。ごめん、ちょっとボーッとしてた。」
渋谷に再度名を呼ばれ、我に返る。
「いいか?耳に穴が空くほど話してやるから、よく聞いておけよ!」
「いや、耳には既に穴が空いてるよ…」
「ん!こ、これはだな!もう一個穴を空けてやると言う意味で!!」
「はいはい。で?なんなの。どうせまた自慢話でしょう。聞いてあげるから、はやくして。」
私はため息をついて、渋谷の話に集中する。
「おう!それでだな…夢という職員がいるだろう。同僚に。」
「…?うん、いるけど?」
「俺…夢に恋してるかもしれないんだ…」
は?
「は?」
「いつも元気で…笑顔が明るくて…俺が作業に失敗しても慰めてくれて…な、なんなら作業も俺より上手いし!」
渋谷は照れ臭そうに笑いながら言葉を続けようとする。
「 うん、うん、わかるから。わかってるから。」
夢。そいつは私と渋谷が入社する前からL社にいた社員だ。
実際、渋谷が言っていることは間違っていない。ずっと笑顔だし、作業も鎮圧も、私よりすらずっと上手だ。素晴らしい、完璧と言ってもいい程であろう。
だが。
「…ねぇ…知ってる?夢さんって男好きらしいよ。」
…いや、そんなはずない。
「…はは。渋谷も知ってるでしょ?いっつもオノリオさんと一緒にいるくせして、シャオさんにもくっつくし。」
夢さんの善意は本物だ。
「なんなら渋谷にもベッタリじゃん。」
夢さんはチーフだから優しくしているだけなのに。
「なんなの?そもそも杉並みたいなアル中とか…シャオみたいなチャラいヤツとか…趣味こそヒドイものよね。」
杉並さんとシャオさんはただ夢さんと同じチームなだけなのに。
「…あ。そういえば夢とオノリオって大がつくほどの親友なんだっけ。大親友ほったらかして他の男のとこ行くとか。どうしたものか。」
夢さんには恩が何個もあるのに、こんなこと。許されるだろうか。
「だから本当に夢は…!!」
「新宿!」
渋谷が目の前に立って私の肩を両手で掴んでいる。そこそこの力で。渋谷の顔が見れない。
「新宿…なんかあったのかよ…?俺、メンタルの管理苦手だけど…話、聞くだけ聞けるから。」
ゆっくりと顔を上げる。渋谷は怒ってはいなかった。なんだか…複雑な顔をしている?
悲しそう。哀れんでる?
心配そう。私の頭がおかしく思われてる?
「ああっ。嫌なら、いいんだけど。…その、さっきの話って本当なのか?男好き…?とか、シュミ悪いとか…」
夢さんに。悪い印象が。
ちがう。ちがうの。ごめんなさい。ちがうの。
「…そう…そうなの…本当に可哀想よ…みんな…」
夢さんは何も悪くないのに。ほんとうにちがうのに。
「みんな引っ掛かって…可哀想に…凶悪すぎるわよ…」
しゃくりあげて泣く私の背中をさすりながら渋谷はゆっくりと囁く。
「そう…そうか。ごめん。なんか…嫌な気持ちにさせたよな。ごめん。」
なんで渋谷は謝ってるの…?私は夢さんは何も悪くないって言ったはずだし…それに…
「もう…私以外の女は。信じない方がいいわよ。女って本当に皆酷いから。」
「ああ。…そうするよ。」
俺は新宿の良いところ、悪いところ、全部知ってる。今、本当は夢さんは悪くないって思ってることも。
…新宿、すごく執着してくれる。嬉しいなあ。
でも、俺は新宿が今どう思ってるかわかるのに、新宿は俺が今何を思ってるのかわからないのだろうか。
…わかるようにさせなきゃな。