TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

シェアするシェアする
報告する


デビュー決定からは、早かったような気がする。


周りがどんどん動き出していく中で、あたしはその波にただ呑まれて、流されていった。


気がつけば、あたしはステージに立って、マイクを握っていた。


そう…きっとね、運がよかったんだろうね。


「七瀬リオ」という芸名──「七瀬」っていう、人気のアニメキャラがいて、その検索にあたしが引っかかったんだもの。


七瀬というキャラクターとの絡みで、あたしのデビュー曲のPVとか見てくれる人が増えて、いつの間にか人気が高まっていった。


だけど、今考えると、


「七瀬」っていう名前も既に、事務所が売り出すための戦略だったのかもしれないけどね。


七瀬リオというアイドルは、デビューからひとり歩きを始めて、あっという間に芸能界の階段を駆け上がっていった。


あたしじゃない、あたしが演じる、「七瀬リオ」という、アイドルが──。


イジメられてたあたしでも、リスカをしてたあたしでも、家を捨ててきたあたしでも、そのどれでもない、あたし。


あたしであって、あたしではない、アイドルの七瀬リオが、きらびやかなスポットライトを浴びて、ステージの上にはいた──。


人気は、知らないうちにネットで画像や動画が拡散され、勝手に火がついていった。


15歳のアイドルという、ただそれだけの肩書きに、ファンはいくらでも群がった。


15歳だから、いいのかもしれなかった。


本当は18歳で、もうすぐ20代にもなろうとしてるあたしでは、実際は見向きもされなかったのかもしれない。


若ければ、若いほどいいみたいな……。


たった3歳なのに、そんなに違うんだろうかと。


高まる人気に、バカみたいって、どこかで冷めてるあたしがいた。


「REAL」あるアイドルの光と影の告白

作品ページ作品ページ
次の話を読む

この作品はいかがでしたか?

41

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚