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16 - Ep14 王の敗北

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2024年02月18日

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 突如姿を見せたリオンの弟、ルーク・キルロンドは、「レオは負ける」と断言する。

 次第に、砂煙が晴れると、レオの姿が現れた。

「やっぱレオ負けてねぇよ! お前、あのレオの兄貴なんだろ!? なんでそんなこと断言できんだよ!」

 するとルークは指を一本、ヒノトの顔の前で立てる。

「まず、レオが負ける理由①『魔法属性の相性が悪い』

「でも……岩の二重シールドは強ぇだろ…………。現に、緻密な計算で自滅を免れる戦いをしてるし…………」

「うん。流石レオ、頭はいいけど、本人も負けることは覚悟してたんじゃないかな。それでも、相手の弱点や戦い方に切り札…………。自分の負けを見せてでも、伝えようとしているんだろうね」

「負けてでも…………伝えようとしている…………? あのレオが…………誰に…………?」

“君に” だよ。勇者志望くん…………」

 そして、ルークは細目でヒノトを見遣る。

「レオが負ける理由②…………」

 すると、会場内では、姿が消えていたはずのリゲルの姿が、レオの背後から突如として現れる。

「魔族の力………… “炎魔剣・陽炎” 。その魔法の詳細は、兵士たちですら、誰も知らない…………」

 次の瞬間、二重シールドを破壊せず、すり抜けるようにレオの背を斬り付けた。

 その瞬間、炎と雷の “過負荷” も発動し、レオは端の壁へと思い切り吹き飛ばされた。

「なんで…………レオと剣を交えていたはずのリゲルが、いつの間にか背後を取ってんだよ…………。それに、岩シールドも壊してないのにすり抜けた…………」

「それが、魔族の力だよ。”炎魔剣” 。大罪人 スコーンから受け継いだ剣術魔法なんだ」

 ボロボロと崩れる壁の中から、フラフラと立ち上がるレオは、剣を天に掲げると、ヒノトに剣先を向ける。

 ギラっと睨むと、レオはそのままバタリと倒れ、気絶してしまった。

『しょ、勝者…………風紀委員 ーーーーーー !!』

 MCのアナウンスが鳴り響く中、普段であれば大歓声が轟く会場内も、「ブレイバーゲームを廃止させる」と言い放った風紀委員の勝利に、誰も口を開かなかった。

 最早、後の公式戦でも優勝候補と謳われていた王族レオのパーティが負け、誰が勝てるんだと言うムードが、会場全体から溢れ出ていた。

 ――

 四人は別室に移ると、全員が表情を青褪めさせた。

 ただ、一人を除いて。

「す、すげぇな…………魔法…………!! 風紀委員…………レオを下したパーティ…………! リゲルもやっぱ強かったんだ…………! 早く戦いてぇなぁ…………!」

 ヒノトは、一人目を輝かせていた。

「い、いや…………前向きにとは言ったけど、どう考えても絶望的でしょ…………!? 分かってんの!?」

「え? だって、レオが俺たちなら勝てるって見込んで今日の試合を見せてくれたんだろ? だったらさ…………」

 ヒノトの目は、再び獲物を見る目付きで一点を見る。

「勝つ以外ないじゃん」

 ゾク…………

 その瞳に、三人は全員が背筋を凍らせた。

「そ、そうだね…………。レオがあそこまで誰かに尽くすなんて初めてで動揺していたけど、だからこそ僕たちには風紀委員を倒さなければならない。だからまずは、レオの残してくれたヒントを整理しよう…………!」

 リオンは立ち上がると、ノートを取り出した。

「まず、風紀委員の編成は、炎属性二人に、雷属性二人で “過負荷” という属性反応を起こす編成だ」

「まだよく分かってないんだけど………… “過負荷” って具体的に何が起きるんだ…………?」

「例えば、一番簡単な属性反応だと、『 “水” に “氷” を加えると、”凍結” 』するだろ? それと似たような反応になるんだが、『 “炎” と “雷” で “爆発” 』のような反応を起こす。これを “属性反応” の “過負荷” と呼ばれるんだ」

炎と雷の魔法が合わさって爆発を起こす…………ってことか!! 危ねぇな!!」

「そう、その為に、風紀委員の雷シールダーは、敵の攻撃を防ぐ、と言うよりは、衝撃波を吸収するタイプのシールドをソードマンのリゲルくんに張っているようだ」

 そこに、考え込むリリムが口を開いた。

「過負荷防止の為に、グラムの防御魔法は必須…………。でも、あのリゲルの “炎魔剣” には、まるで防御は無効って感じだったわよね…………」

「一番難解なのは…………『風紀委員長カナリアが、何故相手ではなく、リゲルくんに洗脳魔法を使っているか』と言うところだ…………。無理やり戦わされている…………と考えるのが自然だろうけど…………」

 しかし、やはり腑に落ちないリオン。

 その答えは、リリムにも分かっていた。

「洗脳魔法は、相手の心理から、自分の思うままに操れるけど、『魔法の強制発動』まではできない…………」

「は…………? つまりどういうこと…………?」

「いい? 魔法ってのは、自分の中の感覚を形にするものなの。だから、いくら相手の身体を動かせたとしても、相手の魔法の感覚を知らないカナリアは、リゲルの魔法までは操れないってこと…………!」

 そんな殺伐とした空気で尚、ヒノトは笑った。

「ハハハッ! な〜んだ! ならよかった!」

「え…………?」

「リゲルが100%操られてんなら、助ける為とは言え、リゲルをぶっ飛ばすのに躊躇いがあったんだ。でも、自発的に魔法を使ってんなら、躊躇しなくていい…………! アイツも、俺の友達でライバルだからな…………! やる気があるんなら、存分に戦える…………!」

「ハァ…………ホント、頼りになるんだか、ただのバカなんだか…………」

 露骨に頭を抱えるリリム。

「どちらにせよ、問題になってくるのはリゲルくんの “炎魔剣” だが…………結局、振り返って考えてみても、厄介と言うことしか分からないな…………」

「いやいや、なんでみんなそんな暗くなってんだ? やることって、一個しかないだろ?」

「は…………? あの魔族の解明もできてない剣術を前に何を悠長な…………」

「いやいやだから、全部繋がってんじゃん。俺ら、レオのとこで防御壁の破り方教わっただろ?」

 その言葉に、全員がハッとする。

 ニッシッシ、と、ヒノトは笑っていた。

「そうか…………あの時、レオの二重シールドは破れなかったけど、雷シールドなら破れる…………。それに、あのめちゃくちゃな動きなら………… “炎魔剣” がどんな剣撃で翻弄させてこようとも、関係ない…………!」

(やはりレオは天才だ…………。ヒノトくんが魔法を使えないこと、それでいてシールドの破壊のさせ方を教えることで、風紀委員への対抗策まで視野に入れていた……)

 リオンは、ニヤニヤ笑ってるヒノトを見ながら、更に以前のヒノトの動きを思い返す。

(炎魔剣は、恐らく剣術魔法に優れた者こそを翻弄する。言っては悪いが……魔法が使えず、己の身体と剣のみでなんとかしなければならないヒノトくんこそが、炎魔剣の天敵になり得るんだ…………)

 でも、分かっている。

 リゲルの炎魔剣を封じ、シールドの破壊をヒノトが成せたとしても、相手は元王族と貴族院のエリートたち。

 これだけじゃ、まだ最後の一手に欠けてしまう。

(最後の一手は…………僕次第だ…………!)

 DIVERSITY VS 風紀委員まで、あと二日。

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