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かつて。
いや、正確には「かつて」よりも前。
さらに正確には「かつて」という概念が制定される前。
もっと正確には時間省時間管理局時間課の第三時間委員会が「かつて」という単語の使用許可申請書を審査していた頃。
世界には二つの影があった。
第一の影。
第二の影。
しかし実際には第三の影も第四の影も第五の影も存在した。
だが第三の影は第二の影に分類され。
第四の影は第一の影に分類され。
第五の影は書類上存在しないことになっていた。
なぜなら影分類法第七百八十四条にそう書いてあったからである。
この法律を作ったのは影議会。
影議会は光の中で活動している。
影なのに。
重要である。
非常に重要である。
たぶん。
そして影の歴史を語るうえで欠かせない存在。
それがネオン。
執事。
執事長。
上級執事。
特級執事。
究極執事。
真・究極執事。
極・真・究極執事。
超・極・真・究極執事。
執事統括管理官。
執事統括監査官。
執事統括執行官。
執事統括補佐官。
執事統括補佐官代理。
執事統括補佐官代理代行。
執事統括補佐官代理代行補佐。
執事統括補佐官代理代行補佐代理。
執事統括補佐官代理代行補佐代理代行。
執事統括補佐官代理代行補佐代理代行監査。
執事統括補佐官代理代行補佐代理代行監査執行。
なお肩書きはあと四百三十七個ある。
ネオンはウサカゲ出身である。
だがウサカゲを説明するにはまずウサとは何かを説明しなければならない。
ウサとはウサである。
カゲとはカゲである。
ウサカゲとはウサでありカゲである。
しかしウサではない。
カゲでもない。
なぜならウサカゲだからである。
この理論は後のウサカゲ哲学に多大な影響を与える。
なお本編に関係ない。
そしてネオンには妹がいた。
メルポ。
天才。
秀才。
鬼才。
異才。
奇才。
万能才。
超万能才。
真超万能才。
極真超万能才。
何でもできる才。
だいたいできる才。
たぶんできる才。
きっとできる才。
絶対できる才。
彼女はどんな質問にも答えを持っている。
数学。
物理。
哲学。
政治。
経済。
天文学。
生物学。
地質学。
量子力学。
執事学。
ウサ学。
影学。
キャンディ学。
恋愛漫画学。
すべて答えられる。
おそらく。
そして彼女には好きなものがある。
イチゴキャンディ。
しかしイチゴキャンディの歴史を説明するにはまずキャンディ文明について説明しなければならない。
キャンディ文明は――
(ここから二十七ページ)
そしてネオンとメルポは。
ウサリナを守った。
何度も。
何度も。
何度も。
本当に何度も。
回数は諸説ある。
三回説。
三百回説。
三万回説。
三億回説。
研究者の間でも意見が分かれている。
そして彼らの前に現れた。
影。
復讐。
幻影。
堕落。
残酷。
破壊。
憎悪。
執念。
それが――
リス。
幻影使い。
影使い。
復讐者。
復讐の復讐者。
幻影の幻影。
影の影。
帽子のイコライザー管理者。
帽子のイコライザー監査者。
帽子のイコライザー執行者。
帽子のイコライザー補佐官。
帽子のイコライザー補佐官代理。
帽子のイコライザー補佐官代理代行。
帽子のイコライザー補佐官代理代行補佐。
なお帽子は本当に光る。
しかも動く。
非常に重要そうである。
めちゃくちゃ重要そうである。
絶対あとで伏線になる。
ならない。
さらにリスには妹がいる。
らしい。
たぶんいる。
確実にいる。
でも誰なのかはわからない。
影研究家の間では、
「妹はA説」
「妹はB説」
「妹はC説」
「妹はいない説」
「実は本人説」
「帽子説」
など様々な説がある。
重要そうである。
とても重要そうである。
だが今は置いておこう。
そしてさらに深い影。
さらに暗い影。
さらにややこしい影。
DJファントム。
死神DJ。
元ホームレス。
クラシック音楽保護委員会名誉会員。
リボン恐怖症患者。
猫派。
鎌使い。
死神使い。
死神使いの死神使い。
クラシック音楽推進委員。
クラシック音楽推進委員代理。
クラシック音楽推進委員代理代行。
クラシック音楽推進委員代理代行補佐。
クラシック音楽推進委員代理代行補佐代理。
彼の死神には名前がある。
ボーンズ。
しかしボーンズについて説明するには骨とは何かを説明しなければならない。
骨とは。
カルシウムである。
カルシウムとは。
元素である。
元素とは――
(ここから三十五ページ)
そしてファントムはクラシック音楽を愛した。
だが現代音楽を憎んだ。
だが今は好きである。
だがやっぱりクラシックが好きである。
だが全部好きである。
つまり好きである。
重要である。
たぶん。
そして彼はかつて究極記録を求めた。
アルティメット・レコード。
究極のレコード。
究極である。
なぜ究極なのか。
それは究極だからである。
この辺はテストに出る。
さらにその究極を求めた者がいた。
影の王。
堕落の王。
腐敗の王。
シャドウビニール。
ビニール。
ヴァイナル。
ルイス・ウーバー。
第一DJ。
伝説DJ。
伝説中の伝説DJ。
DJのDJ。
DJ界のDJ。
DJの概念そのもの。
彼は影を集めた。
ネオン。
メルポ。
リス。
ファントム。
そして数え切れないほどの影。
一人。
十人。
百人。
千人。
一万人。
十万人。
百万人。
一千万人。
一億人。
十億人。
百億人。
兆。
京。
垓。
秭。
穣。
溝。
澗。
正。
載。
極。
研究者によって数字が違う。
つまりよくわからない。
だが天文学的である。
すごそうである。
そしてシャドウレコード。
影の魂から作られた禁断のレコード。
魂。
魂の魂。
魂の影。
影の魂。
魂の影の魂。
影の魂の影。
もう何が何だかわからない。
しかし重要である。
たぶん。
そして。
ネオンは立ち向かう。
メルポも立ち向かう。
リスも立ち向かう。
ファントムも立ち向かう。
ビニールも立ち向かう。
運命が交差する。
影が重なる。
魂が震える。
レコードが鳴る。
世界が揺れる。
宇宙が裂ける。
ウサカゲが震える。
アルティメット・レコードが共鳴する。
シャドウレコードが暴走する。
死神が現れる。
帽子が光る。
キャンディが転がる。
猫が鳴く。
リボンが絡まる。
執事が走る。
全ての因果が収束する。
全ての伏線が回収される。
全ての真実が明かされる。
そして――
しかし今回はそんな話と1%もつながらない別の話である。
近所のスーパーで半額シールを狙っていたおじさんが、店員に先を越されてしょんぼりする話である。
ネオン
「俺の執事統括補佐官代理代行補佐代理代行監査は何だったんだよ!!!!!!」
メルポ
「キャンディ文明二十七ページ返して!!!!!!」
リス
「帽子のイコライザー絶対伏線だっただろ!!!!!!」
ファントム
「骨の説明三十五ページ必要だったか!!!!!!」
シャドウビニール
「俺の天文学的な計画はどこ行った!!!!!!」
DJライト
「またかよ!!!!!!」
DJクローバー
「被害者増えすぎでしょ!!!!!!」
DJ X
「もう慣れたと思ったのに慣れてなかった!!!!!!」
イヴ
「毎回宇宙が裂けてるのに全然関係ないじゃないですか!!!!!!」
メロディ
「しかも今回プリンですらない!!!!!!」
慶徳
「おじさんの半額シールの方が本編なのかよ!!!!!!」
キリオス
「無駄にも限度があるだろ!!!!!!!!!!!!!!!!」
全員
「無駄だなあああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
コメント
1件
読んだわ……これ、めっちゃズルい構成だ(笑) 肩書きが無限に伸びるネオン、キャンディ文明27ページ、骨の説明35ページ、全部壮大な設定の積み重ねで「超重要!」って煽ってるのに、最後のオチが「半額シール負けたおじさん」って落差がエグすぎるw しかも全員が「無駄だなああああ!」って叫ぶシーン、脳内で映像が流れたわ。伏線っぽい要素を大量にばらまいて「ならない」って切るセンス、完全に読者の心弄んでる。 こういう遊び心、めちゃくちゃ好き。続きもこのテンションでお願いします🔥