💭「戦士さん、仲間になったはいいけど、名前聞いてなくない?」
⚡️「確かにそうだな、聞いてみるか。」
なんで俺たちは仲間に加わる時にまず名前を聞かないのか不思議である。
普通は名前を教えあってから馴れ合うものじゃないのか。
⚡️「おい、名前を教えてくれよ。」
🌙「あぁ、そうだったね。私はマリ、君たちは?」
マリさん。
ふむ、覚えやすい。
⚡️「俺はマナト、僧侶だ。」
🍯「私ははにけーき!はにちゃんって呼んで!」
🫘「俺はごまめ、勇者のお供としてついてきた。」
💭「私はユメ、盗賊だけど怖がらないでね、ふへへ」
改めてどいつもこいつも変なやつばっかだな。
個性はしっかり持ってるからいい事だけど。
👾「俺ははるー、こいつら率いてるリーダー。」
🌙「なるほど、ありがとう、仲良くしてね。」
明らかに人数が多い。
旅に出ろと王様から告げられた時は、1人で旅するのか、多くても3人ほどだろうと思っていた。
まさか6人にまで増えると思っていなかった。
戦闘は有利になるものの、さすがにもう野宿できるような状態じゃない。
食事も貧相なものになってしまう。
このままじゃダメだ、早く岩山から抜け出さないと。
でももう疲れたよ〜…。
💭「マリさんって、剣さばき凄かったよね?!他にもいろんな技使えるの?」
🌙「まぁ程々にはね、昔から鍛え上げてきた腕には自信あるよ。」
🍯「この竹、切り刻んだりできる?!」
🌙「もちろん、えい!」
剣をズバズバっと動かし、竹を6等分程に切り分けた。
💭「うわぁ〜!!すごい!!」
⚡️「凄いスピードだな。」
🌙「あははは、ありがとうございます〜…(笑)」
褒めても差程調子に乗らないタイプか。
俺とは真逆かもしれない。
同じ人間でも性格が変わればここまで違うのか。
そんなことをしていると、岩山の終わりが見えた。
どうやら、また草原が広がっているようだ。
端の方には海と砂浜も見えた。
👾「そろそろ岩山抜けるよ〜!!」
🫘「やっと出れる!やったぜ!!」
ついさっきまで絶望したような顔をして歩いていたごまめが急に元気になる。
探検家なのに体力が無いのだろうか。
🌙「そういえば、この先に町があったはず…。」
町!?
つまり宿もあれば、武器屋もある…!!
ちゃんとした町は城下町以来だ。
気分が浮かれる。
🍯「じゃあ今日はそこで泊まろー!!」
💭「やったー!!」
岩山を抜けた。
地面が土に変わって歩きやすくなった。
しかしここは草原、草むらに隠れたモンスターも少なくない。
スライムや変なキノコ、デカいカニなんかもいた。
どれもこれも現世では見ることのなかった気持ち悪い生き物ばかり。
しかしみんなは慣れたような面構えだった。
剣で斬られ、銃で撃たれ、ハンマーで殴られて。
モンスター相手に情が湧きそうになった。
可哀想に。
⚡️「町が見えてきたぞ。」
🌙「やっぱり合ってたか、よかった。」
🍯💭「お布団!お布団!お風呂!お風呂!」
明らかに2人だけ浮かれすぎている奴がいる。
👾「わかったから落ち着けって。」
🍯💭「お肉!魚!野菜!果物!おやつ!」
聞く耳を持たない。
町に着いた。
凄い栄えようで、大勢の人々で賑わっていた。
🫘「すげぇ、はるーの脳内みたい。」
👾「は?」
ぐるっと見渡すと武器屋や宿屋、温泉や飲食店などいろんな店があった。
どれも見て回りたかったが、とりあえず先に食事を済ませることにした。
店に入って席に座る。
寿司や鍋、焼き鳥など、各々好きな物を注文した。
久々に料理と言える料理を口にして感動した。
あまりにも美味しかったのか、誰一人として会話もせず、黙々と食らいついていた。
食事を終えて店を出た。
まだ夕方になりかけで、眠りにつくのは早い。
モンスターを狩って、たくさんお金も手に入れた。
なので、みんなで新しい武器を買いに行くことにした。
しかし全員バラバラの職業。
もちろんひとつの店で済むわけがない。
なのでいろんな武器屋を一緒に回ることになった。
現世で例えるなら、女子の洋服選びに付き添うようなイメージだろう。
刃物を取り扱う武器屋にやって来た。
マリさんやユメ、ごまめや俺が武器を探せる場所。
👾「この剣良さそうじゃない?」
🌙「こっちはどう?ちょっと高いけどすごい頑丈そうじゃない?」
こっちは良さそうな剣を慎重に探す。
💭「ごまめはこのカマが似合うんじゃない?真っピンクで派手じゃーん!!(笑)」
🫘「お前の人生○ギ○スにしたろか、ふざけんな!!」
こっちは真面目に武器を探さない。
⚡️「遊んでないで早くしてくれ、俺らも早く武器を見に行きたい。」
はにけーきとマナトが入口で暇そうに突っ立っている。
まだ入店して間もないのにせっかちな奴だ。
🌙「私はこれにしよ。」
🫘「俺、この金ピカのカマとハンマーにしよ!」
💭「私はこれでいいや。」
三日月のように歪んだ剣、黄金に輝いた鎌と槌、黒に赤で模様の入った切れ味の良いナイフ、それぞれ良い武器が見つかった。
俺は銀色に輝く鋼の剣にした。
4人揃ってウキウキで店を出た。
⚡️「ったく、おっせーな。」
👾「ごめんって、ほら行くよ。」
次は杖の武器屋に入る。
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