テラーノベル
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藍side
祐希との連日デートが決まってから練習には
力が入るようになるが時にはそれがから回ってしまう。
コートの中でレシーブを繋ぐだけの練習。
コート内には腕に当たりボールが上がる音
だけが響く。そしてその中で時折叫ぶ声が
耳に入ってくる。
「藍!!」
「はい!!」
小川さんの呼び掛けに答えるようにレシーブを するとコースに入れているもののボールが明後日の方向に飛んでいく。すると、小川さんが 遠くから野次を飛ばす。
「藍またやったな~?」
小川さんはそう言いながら
ボールを拾って戻ってくる
「すいません!」
小川さんに謝っていると後ろから
あの人の声が 聞こえてくる。
「藍?楽しみなのはいいけど…
どこか低く圧をかけるようなその声に
俺は思わずビクリと肩を震わせる。
「祐希さん!!本当にすみません!!」
「浮かれすぎてました!!」
思わず正直にそう言うと祐希さんは
クスリと笑って俺の肩に手を乗せる
「ふふ、正直でよろしいけど、次集中
できてなかったらお仕置だからね?」
″お仕置″その言葉を聞き俺は練習に力が入る。
「よしっ…練習頑張らなあかんなぁ…」
そんな俺たちのやり取りを遠くで見ていた
小川さんは苦笑いをしながらボールを投げる
「一体お仕置って言葉だけで真面目になる
なんて祐希さんどんなお仕置きしてるの…」
そしてこんな日々を過ごしていくうちに
連日デートの日に丸をつけたカレンダーには
どんどんバツ印が増えその日に近づいていく。
コメント
1件
祐希さん、笑