テラーノベル
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しかし、少女は目尻に涙を浮かべて。まるで、どこか昔の自分を彷彿とさせるような顔で……
「うっせぇよ!!!知ったように言いやがって!!!俺に能力があったら今頃使ってるわ!!!」
と言っていた……そうか……少女には能力がないのだ……。昔の自分と照らし合わせて考えてそう自分を愚かに思った。これほどまでに愛されたいと思っていた私と比べて。少女は、自分で生きる術を持っていた。私はこの少女が益々欲しくなり。花詠を使った
「名前:月詠 愛無
能力:回る夜うさぎ」
私は、その結果を見た瞬間。この子もちゃんと能力のセンスがあったと、とても嬉しく感じだ。そうなると話は早いのだ。すぐにでも指名手配書をもみ消しにし、院長に紹介するのだ。
「なんだよ……」
と不服そうに言う俺をを嘲笑うかのように。あいつはは俺の目をまっすぐ見て
「死神殺し、あんたの能力……知りたくない?」
と言った。とても信じられない行動……言動……それら全てを信じてこいつから自分の能力を聞き出す?もしそれがハッタリで、訳の分からないところに連れていかれたら?そう考えると足がすくんだ。でも、もうこの女に逆らえないと思ったのはその次だった
「私が教えてあげるよ」
その優しさの裏に隠された事を俺は考えないようにして、女の手をとった。
『宵闇の中、手を引かれるや、春の夜空
まだ見ぬ世界、桜散る夜』
「さぁ、来なよ
今日から君は、夜兎 だ」
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