「志強、君のことは心の友だと思っていた。暫く顔も見たくない」
「阿軒、」
僕は師範へと近寄り師範の心臓が動いているか確認したが残念ながら動きは止まっていた。志強は逃げることははず静かに立ち尽くしていた
「阿軒、俺は君を助けようとしたんだ。嫉妬で殺めてしまった」
「罰ならお前の父親にでもやってもらえよ、僕はお前より師範の方が大切だ」
僕がそう言うと志強は町へと帰っていった。町では噂は飛び回り当分帰れそうになかった
遺体を焼くことは出来なくて綺麗に保ち箱にいれて師範に教えてもらった剣術を使い封印した。
あれから100を超える歳
※趙家は長生きをする運命になっている。(姿は若いまま保たれる)
僕は未だに師範を忘れることは出来なかった。たまに思い出し一人悲しく涙を溢していた
町には帰ったが、人々はその事を忘れており久しぶりの若君に歓声をあげた。町中はパーティーを開き、中ではお見合いが始まっていた
綺麗な女性に囲まれるが、僕の脳内はいつでも師範でいっぱいだった。
「趙家総領 趙宇軒」
名をあげる度にどっと歓声が上がる。少し良い気持ちになった。そん中で少し気になる人物を見つけた
「迷子ですか? 」
辺りを見渡している綺麗な女性を見つけた。フワッとしたポニーテールに綺麗な白い服、目を瞑った時に見える長いまつ毛、髪についている髪飾りも容姿も声もとても美しかった
「人々の波に飲まれてしまって方向を失ってしまいました、」
と申し訳なさそうにしていた。小さい子が通るため険しい道にはしていない。迷うのは珍しいなと思っていたが一つの違和感を覚えた。棒のような物を持っていた
「もしかして、目が見えませんか?」
「お恥ずかしながら…耳も聞こえません 」
「耳も!?」と驚いた声をあげるとその人はびっくりとしていた。何故僕の声が聞こえるのか問い掛けたら多少は聞こえるみたいだった。
「病気とはまた違うんです。此処に来る際に代償として奪われてしまいました」
へらへらと話していたが色々と引っ掛かり僕の脳内には、ピコんっと はてなマークが出現していた